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柔道県高校選手権 個人・団体 結果

<個人>

男子60㌔ 石堂(武蔵越生)が初優勝
女子52㌔ 吉沢(栄北)も初の栄冠

 柔道の第46回全国高校選手権県予選を兼ねた県高校選手権第1日は7日、県立武道館で男子個人5階級と女子個人5階級を行い、男子の60㌔級で石堂将輝(武蔵越生)が初優勝した。
 男子個人66㌔級は二本柳一希(立教新座)が、73㌔級は泉一翔(武南)がそれぞれ初制覇。同81㌔級は昨年準優勝だった北村斗麗、無差別級は堀悠隼(ともに埼玉栄)が初の栄冠を獲得した。
 女子個人は、52㌔級で吉沢麗(栄北)、57㌔級で久保田日和(武蔵越生)が初戴冠。同48㌔級は光武結彩、63㌔級は井田実来、無差別級で原波音(以上埼玉栄)がそれぞれ初の頂点に立った。
 男女各階級の優勝者が全国高校選手権(3月19、20日・日本武道館)に出場する。

 

男子個人60㌔級決勝 武蔵越生の石堂が内股で一本を決める

努力結実 夢舞台へ

 試合終了間際に、自らの持ち味を存分に発揮した。男子個人60㌔級を制した石堂は、人生初の全国大会への切符を手にし「ずっと悔しい思いをしてきて、やっと全国に出られる。本当にうれしい」と顔をほころばせた。
 決勝では、相手の積極的な攻めに苦戦。組み手で劣勢となっていた残り27秒、やっと相手の帯に手をかけると渾身(こんしん)の内股を繰り出して一本勝ちした。「一本の声が聞こえて気持ちがあふれ出た」と、技が決まった瞬間に笑顔がはじけた。
 3歳から柔道を始め、中学は東京の強豪私立校に進学したが、なかなか芽が出なかったという。「気持ちをリセットして、新しいところで頑張ろう」と高校は地元埼玉に戻り地道な努力を積み重ねた。「初心と負けた悔しさを忘れず練習してきた」と今までの成果がやっと実を結んだ。
 身長170㌢と同階級の中では長身選手となり、手脚の長さを生かした内股を武器にする。「1位を狙って、自分の持っているものを全部ぶつけて頑張りたい」と初の大舞台に挑戦する。

 

冷静に戦い優勢勝ち

女子個人52㌔級決勝 栄北の吉沢が果敢に技を仕掛ける

 

 「めっちゃうれしい」。女子個人52㌔級で初優勝した吉沢は、開口一番喜びを口にした。決勝では先に指導を取られるも優勢勝ち。1年ながら冷静な試合運びが光った。
 栄北高校に柔道部はないが小学生から通う大宮立志塾で技を磨く。厳しい練習にくじけそうな時もあったが「みんなと楽しくできたから続けられた。練習すれば負けた相手にも勝てるようになるところが楽しい」と道場と柔道への愛があふれる。
 中学2、3年時に全国中学大会に出場し、最高成績は16強。高校では初となる全国大会に向け「きょうの反省を生かしてより良い結果を目指したい。目標は優勝」とたくましい表情で誓った。

 

悲願のV 喜び爆発
男子81㌔ 北村(埼玉栄)

 男子個人81㌔級で埼玉栄の北村が初タイトルを獲得した。前回大会は準優勝、昨年の県高校総体でも2位と悔しい結果が続いていた北村はこの日、決勝で小内刈りを決めると「去年はずっと2位だった。やっと優勝できた」と雄たけびとともに喜びを爆発させた。
 果敢な攻めで勝ち切るために、3月の全国大会に向けて苦手な組み手の修正を図るつもりだ。「日本一を取りにいくだけ。組手を徹底して得意技の内股で投げ切りたい」と頂点に向けて気合を入れ直した。

 

仲間の応援力に
男子73㌔級・泉一翔(武南)の話

 普段からつらい練習を一緒に乗り越えてきたチームワークが勝因。仲間の応援が力になったからこそ優勝できた。全国で一つでも多く勝てるよう頑張りたい。

 

同校対決勝てた
女子57㌔級・久保田日和(武蔵越生)の話

 初めて全国大会に出るのでうれしい。同校対決で負けられない気持ちがあってしっかり勝てた。全国大会では、自分の柔道を貫けるよう頑張りたい。

 

<団体>

男子団体 埼玉栄 24大会連続V
女子も埼玉栄が7連覇

 柔道の第46回全国高校選手権県予選を兼ねた県高校選手権最終日は8日、県立武道館で男女の団体を行い、男女とも埼玉栄が頂点に立った。男子は24大会連続29度目、女子は7大会連続18度目の優勝。
 男子の埼玉栄は準決勝でふじみ野を5―0で下すと、決勝も武蔵越生に4―0で圧勝した。女子の埼玉栄は川口工との準決勝を3―0で制し、決勝では大宮東を3―0で退けた。
 男女ともに優勝した埼玉栄が全国高校選手権(3月19、20日・日本武道館)に出場する。

 

圧勝で歴史つなぐ

男子団体決勝 武蔵越生―埼玉栄 埼玉栄の先鋒北村(下)が武蔵越生の石堂から技ありを奪う

 

 男子団体の埼玉栄が、今大会全5試合で相手に1本も許さず24連覇を果たした。副主将の饒平名(よへな)は「絶対に崩せない歴史だった」と圧巻の強さで王座を守った。
 決勝では先鋒(せんぽう)北村が流れをつかみ、次鋒(じほう)中村が引き分けた。続く中堅饒平名、副将堀、大将柳下はいずれも一本勝ちで快勝。準々決勝、準決勝で5秒で一本を奪った堀は「どんな相手でも徹底して一つずつ勝つことが大事」と抜かりなかった。
 新チームの目標は全国高校選手権、金鷲旗、全国高校総体の3冠。饒平名は「チームワークが大事。絶対優勝する」と、一つ目の頂点に向け最後の仕上げに取りかかる。

 

女王3人 粘り勝ち

女子団体決勝 大宮東―埼玉栄 埼玉栄の中堅井田が大宮東の菊池に内股を決め一本勝ちする

 女子団体の埼玉栄は、先鋒(せんぽう)、中堅、大将がしぶとく勝ち切り7連覇を決めた。
 決勝は個人48㌔級の光武、63㌔級の井田、無差別級の原と個人各階級の女王3人で挑んだ。先鋒光武が優勢勝ちすると、中堅井田が残り10秒で内股を決め一本勝ち。大将原は「相手が強い中、2人が勝ってくれた。自分も絶対に取り切る」と得意の寝技で一本を奪った。
 小柄なチームだが「大きい相手にもひるまず立ち向かえる」のが持ち味と主将の光武。大舞台に向け、強みを出し切るための精神力を鍛えるつもりだ。光武は「粘り強く1回でも多く勝ち上がりたい」と埼玉栄の柔道を貫いていく。

 

=埼玉新聞2024年1月8日付け7面、9日付け11面掲載=

 

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