県立大宮工業高校(さいたま市北区)定時制課程の生徒たちが製作した「ハチの家」が12日、県立自然の博物館(長瀞町長瀞)カエデの森に設置された。校内の廃木材で組み立てた高さ約80㌢の六角形の外枠に、穴の空いた竹筒をはめこみ、巣作りを行うさまざまなハチを呼び込む。生徒たちは「6月ごろからハチの様子が観察できると思うので、多くの人たちに見に来てほしい」と呼びかけている。
製作したハチの家に竹筒をはめこむ大宮工業高校の生徒=12日、長瀞町長瀞の県立自然の博物館
ハチの家の製作は、同校定時制の4年次生5人が、課題研究(卒業制作)の一環で取り組んだ。同館の学芸員らにアドバイスを受けながら、3次元設計ソフトを使ったデザイン考案や木材の製材・加工など、建築コースで学んだ技術を屈指し、昨年9月から約3カ月かけて完成させた。
同館学芸員によると、長瀞町内にはドロバチ、アナバチ、ハキリバチといった竹筒などのすき間に単独で巣を作るハチが生息している。親バチはドロや葉、花粉などを竹筒の中に運び、仕切りを作って自分の子どもを育てている。ハチの家は、「竹筒トラップ」とも呼ばれ、ハチの生態や習性を細かく観察できる。
生徒からハチの家の寄贈を受けた、同館の田沼康雄館長は「みなさんの技が詰まった作品を、自然豊かな場所に設置することで、来館者に昆虫観察を楽しんでもらうほか、環境教育などさまざまな形で活用していきたい」と感謝した。
製作者の魚井颯士郎さん(19)は「校内の廃材を使っているので、木材を加工して部材にするまでが大変だった。みんなの協力があって完成した」と話した。長谷川祥太さん(19)は「寄贈するための作品づくりは初めてだったので、思い入れが強い。来春に、巣を作っているか見にいきたい」と笑顔を見せた。
竹筒で巣作りを行うオオフタオビドロバチ(県立自然の博物館提供)
=埼玉新聞2024年1月18日付け10面掲載=
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