全国高校柔道選手権　男子団体　埼玉栄初Ｖ

男子団体　埼玉栄　代表戦制す

女子団体　惜敗し８強ならず

男子団体で初優勝を飾った埼玉栄の選手たち＝２０日午後、日本武道館

　柔道の第４６回全国高校選手権最終日は２０日、東京・日本武道館で男女の団体戦を行い、５人制の点取り戦で争われた男子の埼玉栄は決勝で足立学園（東京）に１―１の代表勝ちを収め、初の頂点に立った。
　男子の埼玉栄は準々決勝で前回王者の国士舘（東京）を４―０で破ると、準決勝では大成（愛知）に２―１で競り勝った。決勝は１―１となり代表戦までもつれたが、代表戦で副将平野が一
本勝ちして優勝を決めた。
　３人制の点取り戦で行われた女子の埼玉栄は３回戦で木更津総合（千葉）に０―１で競り負け、８強入りを逃した。優勝は比叡山（滋賀）。

〝今季最強〟３冠狙う

男子団体決勝　埼玉栄―足立学園　代表戦で埼玉栄の平野（中央上）が足立学園の鏑木に大内刈りを決めて一本勝ち

　埼玉栄が悲願の初優勝を飾った。代表戦までもつれた決勝を制し、川原監督は「努力が結果に結びついて本当にうれしい。子どもたちを褒めてあげたい」と表彰後には選手らと両手を上げ万歳三唱、胴上げもされて大喜びした。
　決勝は先鋒（せんぽう）堀、次鋒（じほう）饒平名、中堅渡辺まで引き分け。副将平野が優勢勝ちしたが、大将北村で追い付かれた。１―１で迎えた代表戦に登場したのは主将の平野。「来ると思っていた。勝つしかない、やってやるぞと思ったし自分で決めたかった」と足立学園の鏑木との主将対決に臨み、大内刈りを決めて一本勝ちした。
　平野は昨年の全国高校総体１００㌔級で２年生ながら優勝。だが、同１２月に右肘を脱臼し、負傷の影響で１月の県予選には出られなかった。副主将の饒平名は「自分たちがやらなければいけないと分かっていた」と昨季から団体戦メンバーの堀とエースを支え、チーム一丸で優勝を引き寄せた。
　平野が最優秀選手賞、堀が優秀選手賞を受賞。チームワークの良さと確かな実力を武器に、今大会ついた黒星は優勢負けによる二つのみ。今季最強と呼び声高い埼玉栄だが「これが終わりじゃない。スタートだぞ」と川原監督。勢いそのまま、目標とする金鷲旗と全国高校総体との３冠を狙う。

「勝負弱さ」に悔い

　女子の埼玉栄はベスト１６入り。小林監督は「力としては紙一重で、勝てる試合だった。課題の勝負弱さが出てしまった」と選手たちの実力を出し切れなかった３回戦での幕切れを悔やんだ。
　３回戦では先鋒（せんぽう）光武が技ありを奪われ０―１とされ、中堅井田も引き分けた。大将原は「自分の柔道を出し切ってできる限りのことをやろう」と勝負の一戦に臨んだが、攻め切れずに引き分けて、敗戦した。
　主将の光武と１年から大将で出場した原は昨年、会場で初の１回戦負けを喫した先輩の姿を見ていた。「絶対勝って次の代につなげないといけないと思ってやってきた。全員がもっと考えて攻められるようにしたい」と光武。一つでも多く勝ち進むため、チーム一丸で精神力を鍛えリベンジすることを誓った。

＝埼玉新聞２０２４年３月２１日付け１、７面掲載＝

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