貧困や女性格差議論
県立草加南高校(草加市柳島町)外国語科の生徒と、文教大学国際学部国際理解学科(東京都足立区花畑)の学生が17日、同大学で「模擬国連」を体験、世界の貧困や女性格差の問題について英語で議論した。
「模擬国連」を体験する草加南高校の生徒と文教大学の学生
同校と同大学生田祐子教授の専門ゼミナールが昨年から取り組んでいる。「模擬国連」は、国連の議論の仕方を体験する教育プログラム。学生・生徒が各国国連大使になり、他国との協働や問題解決に向けた交渉などを通じて国際問題への理解を深める。
同校生徒は昨年10月から「模擬国連」について学習。先進国から途上国まで13カ国のグループに分かれ、それぞれの国の立場から、問題解決に向けDR(Draft Resolution)と呼ばれる決議案を作成した。
この日は、生徒40人が同大学を訪問。各国の大使役になりDRを発表した。大学生が内容についてアドバイス。他国から支援を受けやすいよう修正するなど高校生を支援した。
生田教授は模擬国連の授業に向き合う姿勢に触れ「国際社会では国、宗教、言語が違う。ディベートではなくディスカッション。それぞれの国の立場から相手の立場を尊重し問題の解決に向け合意形成を図る」と話す。
今回の模擬国連では、スポンサーとなる5カ国以上の支援が集まればDRを決議することが可能。生徒たちは他国の大使役の生徒に声をかけ交渉を重ねる中で、支援の取り付けに奔走した。
会議の進行や手続きは英語で進めたが、決議に向け議論を深めるために具体的な交渉は日本語で行った。複数の国の大使役が、途上国の人材育成や雇用拡大に向けた支援を取り付けることに成功した。
今後高校に戻り、作成したDRを訳し、最終的には英語で発表するという。同校の前津真希教諭は「同じ問題を異なる視点から見ることが大切。語学力とともに、生徒が思考し発信する方法を学ぶことができる」と話す。
同大学3年の小森春奈さん(20)は「他の国のことを自分の事として捉える、世界を包括的に見ることができる。高校生に助言することで学ぶことができた」、同校2年で議長を務めた与那城翼さん(17)は「各国の主張をまとめる重大な仕事。丁寧で誤解を与えない、フォーマルな英語を学ぶことができた」と感想を話した。
=埼玉新聞2025年1月22日付け10面掲載=
サイト内の草加南高校の基本情報は→こちら
学校の特徴~学校からのメッセージ2024~
草加南高校は、普通科と外国語科を併置した学校です。外国語科を有する本校は、ALTの2人配置、国内語学研修と海外語学研修の実施、留学生の積極的な受入れなど、日常的に英語でのコミュニケーションや異文化理解に接する環境があります。部活動も盛んで、14の運動部と11の文化部が活動している活気あふれる学校です。きめ細かな進路指導により多くの生徒が実りの多い進路実現を果たし進学しています。
カテゴリー
よく読まれている記事