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「小さな巨人」に学ぶ命ー春日部女子高校

 日本初の国連難民高等弁務官を務めた故緒方貞子さん(1927~2019年)に学ぼうと、20日、県立春日部女子高校で講演会が行われた。国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所の宮原千絵副所長が来校。同校外国語科の生徒に向け講演した。

 

緒方貞子さんの貢献について講演するJICAの宮原千絵氏

 

 緒方さんは国際政治学者として活躍。1991年から10年間、日本人で初めて国連難民高等弁務官を務め、クルド人の難民救済など人道支援に奔走した。2003年、JICA理事長に就任した。宮原さんはJICA職員として、ヨルダン事務所長などを歴任。中東やアフリカで支援活動に取り組んだ。
 講演で宮原さんは現場を重視し「小さな巨人」として親しまれた緒方さんの半生を紹介。JICA職員として親交があった生前の印象について「何万人もの生死を左右するという仕事。職員にとっては怖い、厳しい人だった」というエピソードを披露した。
 宮原さんは現場主義を重視するとともに文献で知見を広げる緒方さんの姿勢を強調。宮原さん自身の体験を踏まえ「現場に行かないとその場所のにおい、ほこり、空気、炎がどれだけ熱いのか分からない。目で見た情報と肌で感じた情報を合わせて理解できる。疑問を持って情報を見ることが非常に大切」と述べた。
 国の枠組みにとらわれない人道支援の在り方「人間の安全保障」に先鞭(せんべん)をつけた緒方さんの貢献にも触れた。「現場を見て課題を解決するために大胆に動く。成し遂げるための知力、創造力、コミュニケーション力がある」と振り返った。

 

=埼玉新聞2023年10月22日付け10面掲載=

 

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学校の特徴 ~学校からのメッセージ~

本校は、明治44(1911)年に全国で3番目の実科女学校として開校し、現在までに卒業生は28,000人を超えています。女子伝統校として高雅な品格と思いやりの心を醸成しています。生徒は緑豊かな環境の中、のびのびと自分らしさを発揮しながら充実した高校生活を送り、卒業後は国公立、私立の有名大学に多数進学しています。また、平成8年度には普通科に加え外国語科を開設し、国際社会に貢献できる人間を育成しています。

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