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【第1回進路希望調査】男子比率、女子比率の高い学校・学科はどこだったか

2022年11月11日配信

 

10月末、第1回進路希望調査の結果が発表されました。
今回はそのデータを元に、男女別の志願者割合を調べてみました。
あくまでも現段階でという条件付きですが、学校や学科によって、どのような傾向があるのでしょう。
 
◆普通科で女子比率トップは大宮武蔵野
 普通科共学校では、概ね男女半々か、多少偏りがあったとしても6対4以内に収まるのが一般的です。
 大宮(普通) 男55.2% 女44.8%
 不動岡    男47.5% 女52.5%
 浦和西    男47.3% 女52.7%
 越谷北(普通)男48.1% 女51.9%
 
 では、第1回進路希望調査(10月1日現在)で希望者の女子比率が高い学校はどこだったでしょう。(女子校は除きます)

 【普通科 女子比率上位校】
  1大宮武蔵野         77.9%
  2日高(普)         70.8%
  3市立川越(普)       69.7%
  4宮代            68.5%
  5大宮光陵(外国語コース)  67.7%

  6入間向陽          67.0%
  7松伏(情報ビジネスコース) 63.0%
  8市立浦和          62.1%
  9上尾鷹の台         61.6%
 10草加東           60.9%
 11川越南           60.6%
 12児玉(普)         60.5%
 13新座柳瀬          59.6%
 14和光国際(普)       57.7%
 15狭山清陵          57.7%
※複数の学科のある学校の場合、普通科のみのデータです。

 大宮武蔵野は前年同期も首位でした。
 市立川越(普)、松伏(情報ビジネスコース)、入間向陽、川越南、上尾鷹の台は前年同期も上位10校に入っていました。
 これらの学校は学校ホームページに制服紹介ページを設けており、制服が学校の特色の一つになっているのかもしれません。
 上位人気校では市立浦和、和光国際の女子比率が高めになっています。

 希望者の男子比率の高い学校も見ておきましょう。
 
 【普通科 男子比率上位校】
  1八潮(体育コース)    76.5%
  2春日部東(普)      65.8%
  3朝霞           64.8%
  4白岡           64.6%
  5川口市立(スポーツ科学) 64.6%
  6日高(情報コース)    64.3%
  7大宮東(普)       64.1%
  8豊岡           64.0%
  9杉戸           63.1%
 10川口           63.0%
 11ふじみ野(普)      62.0%
 12坂戸西          60.8%
 13妻沼           60.4%
 14川口北          59.9%
 15北本           59.6%
 
 大宮東、ふじみ野は体育系学科を含まない普通科のみの数字です。八潮(体育コース)、川口市立(スポーツ科学)など体育系は男子比率が高い傾向があります。
 また、春日部東、川口、坂戸西など強豪運動部のある学校は男子比率が高いようです。
 上位人気校では川口北の男子比率が高めになっています。

 では次に専門学科も見てみましょう。

◆女子比率が高い農業系
 農業系学科は6校18学科あり、全体の男女比率は男子46.7%、女子53.3%で女子比率の方がやや高くなっています。

 【女子比率が高い農業系学科】
 1鳩ヶ谷(園芸デザイン)  95.1%
 2杉戸農業(生活技術)   82.8%
 3熊谷農業(生活技術)   80.6%
 4児玉(環境デザイン)   80.0%
 5秩父農工科学(食品化学) 67.7%
 
 上位5校の顔ぶれは前年同期とほぼ同じです。
 デザインという名称は女子受けがいいようです。
 生活技術や食品化学は、家庭系に近い内容であることから女子人気が高いと思われます。

◆工業系でもデザインは女子優勢
 工業系全体では、男子87.0%、女子13.0%で圧倒的に男子比率が高くなっています。
 ただ、一部の学科では女子比率が男子比率を上回っています。

 【女子比率が高い工業系学科】
 1新座総合技術(デザイン) 82.4%
 2川越工業(デザイン)   79.2%
 
 この2校2学科は毎年、希望者の女子比率が高くなっています。
 川越工業は広告などのグラフィックデザインと服飾などのテキスタイルデザインを学びます。
 新座総合技術はデザイン科と別に服飾デザイン科があるので、グラフィックが中心で、美術科に近い内容となっています。

◆商業系では情報処理が男子優勢
 商業系全体では、男子44.7%、女子55.3%で女子比率が高くなっています。
 が、中には男子比率が高い学科もあります。

【男子比率が高い商業系学科】
 1鳩山(情報管理)     84.6%
 2岩槻商業(情報処理)   76.5%
 3八潮南(情報処理)    71.1%
 4狭山経済(情報処理)   67.6%
 5所沢商業(情報処理)   64.0%
 6浦和商業(情報処理)   61.9%
 7深谷商業(情報処理)   60.8%  

 商業高校では商業科と情報処理科を併置している学校が多くなっていますが、その場合、商業科は女子比率が高く、情報処理科は男子比率が高い傾向が見られます。

◆家政系は圧倒的に女子 
 家政系学科は圧倒的に女子比率が高くなっています。
 鴻巣女子も含め全体では女子81.7%、男子18.3%です。
 越谷総合技術・食物調理は男女差が小さく、男子45.2%、女子54.8%となっています。
 
◆外国語は女子、理数科は男子
 外国語科は全体で女子73.1%、男子26.9%で女子比率が高くなっています。
 募集人員が一番多く、倍率も高い和光国際は、女子比率73.3%です。
 蕨は比較的差が小さく、女子55.8%、男子44.2%です。
 
 理数科は全体では女子27.5%、男子72.5%で、圧倒的に男子比率が高くなっています。
 比較的差が少ないのが大宮で男子61.4%、女子38.6%です。差が大きいのは大宮北で男子81.0%、女子19.0%です。

 その他の専門学科では、福祉系は女子比率が高くなっています。
 美術・音楽・書道・舞台芸術・映像芸術といった芸術系も女子比率が高い傾向があります。

 総合学科では、誠和福祉が女子比率75.7%と高く、次いで前身が農業高校である川越総合が69.6%、前身が商業高校である幸手桜が66.0%と女子比率が高くなっています。

◆あくまでも現時点の傾向
 以上が第1回進路希望調査(10月1日現在)における女子比率が高い学校、学科ですが、冒頭述べたように、あくまでも現時点での傾向です。
 今後、第2回進路希望調査や実際の出願時では変化する可能性もあります。また、入試を経て実際の入学者の男女割合がどうなるかは、この段階では分かりません。

 

(教育ジャーナリスト 梅野弘之)

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

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