女子 細田学園が初戦突破
男子 正智深谷 競り勝つ
▶女子1回戦
高さで上回った女子の細田学園がブロックとスパイクのパワーで寄せ付けず、岩美に2―0で勝利した。
細田学園は第1セット中盤、相手の粘り強い守りにリズムを崩された。一時は逆転を許すもミドル大川を中心に守備から流れをつかみ、25―23で制した。勢いに乗った第2セットは序盤から犬伏、土橋の両エースが得点を重ね、25―13で連取した。
女子1回戦 岩見―細田学園 第1セット、細田学園の犬伏(3)がスパイクを放つ
守りからリズム
練習の成果発揮
女子の細田学園は先発メンバーの平均身長が約6㌢上回る高さを生かし、ブロックと強打で初戦を突破した。伊藤監督は「緊張する舞台では3年生がさすがだった。成長が見られた」と笑顔で振り返った。試合が進むにつれ鍛え上げたブロックが効果的に決まった。
第1セットは序盤から先行する展開も、緊張から細かなミスが目立った。14―15と逆転を許し、主将のリベロ沼倉は「コートにいる3年生2人が焦ってはいけない」と1、2年生を鼓舞。本来の粘り強さを取り戻し、守りからリズムを築いた。
第2セットはミドル大川を中心としたブロックで相手攻撃陣を抑え込んだ。大川は「小さいからこそできることを徹底した」とワンタッチを入れたブロックから攻撃を展開。犬伏、土橋の両エースが構えるレフトにボールを集中させた。
初戦からチームが最も時間をかけたブロック練習の成果を発揮しての勝利。沼倉は「ブロックをしっかりして、粘り強く戦いたい。絶対に負けられない」と初戦突破の勢いそのままに前回王者の古川学園(宮城)戦に臨む。
2年生が大車輪の活躍
レフト犬伏
2年生のレフト犬伏がチーム最多得点で勝利を呼び込んだ。「強く打ち続けられたけれど、確率が低くて納得はいかない。もっと工夫して打ちたい」と、大車輪の活躍を謙虚に振り返った。
昨年10月に下北沢成徳(東京)で監督を務めていた名将小川コーチを迎えフォームを修正。手のひらを外に向けることで、体をひねり全身を使った強打が打てるようになった。パワーヒッターとして成長した2年生は「裏エースとして次も点を重ねたい」と2回戦でのさらなる躍動を誓う。
▶男子1回戦
勝負強さを発揮した男子の正智深谷が、東福岡を2―1で下した。
第1セットはエースのレフト白野、ミドル新井の強打で流れをつかみ29―27で先取。第2セットは、リベロ田代、ライト中山の2年陣が守備で粘るも24―26で落とした。第3セット、白野が再び得点源となると、最後はセッター近藤がプッシュを決め25―23で振り切り、接戦をものにした。
男子1回戦 東福岡―正智深谷 第1セット、正智深谷の新井(右)がスパイクを決める
強豪撃破 新たな歴史
11年ぶりに春高の舞台に戻ってきた男子の正智深谷が、全国の舞台に新たな名を刻んだ。フルセットまでもつれた接戦を制し、全日本高校選手権初勝利。鈴木監督からは「うちの子すごいな。どれだけミスしても攻め続けてよく巻き返してくれた」と笑みがあふれた。
第1セットからエース白野に3枚のブロックが付くマークを受けると、ミドル新井が「絶対に自分が決めてやる」と気を吐きセンター線から得点を重ねた。第2セットは、セッター近藤を起点にクイックやコンビバレーで対抗。リベロ田代、ライト中山が身を挺(てい)しボールを拾い続けた。
勝負の第3セット、再び白野にボールを集めると、得点のたびに会場からの揺れるほどの歓声も選手を後押し。24―23のマッチポイントで「白野にマークが集まって狙っていた。最高だった」と近藤がプッシュを選び、試合を決めた。
春高で3度優勝経験のある強豪を撃破しての2回戦進出。副主将の新井は「常に挑戦者の気持ちでぶつかっていきたい」とこの1勝を追い風にさらなる快進撃としたい。
主将白野 最多28得点
正智深谷の主将・白野がチーム最多の28得点
を挙げ、チームを勝利に導いた。試合開始から相手に3枚のブロックを徹底されたが、「とにかく上からたたくイメージでコースを意識した」。最高到達点347㌢という日本代表レベルの跳躍力を武器に打ち破った。
1点を争う試合でここ一番でのスパイクが光り、チームに流れを手繰り寄せた。5日が誕生日だという白野は「自分が覚醒して1月5日を最高の日にしたい」。チームのエースは充実した表情で次戦の活躍を誓った。
=埼玉新聞2024年1月5日付け12面掲載=
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