男子 正智深谷が初優勝
女子 細田学園3連覇
(最終日、12日・サイデン化学アリーナさいたま)
男女の準決勝と決勝が行われ、男子は正智深谷が初優勝を果たし、女子は細田学園が3年連続17度目の栄冠に輝いた。両校は全日本高校選手権(来年1月4~8日・東京体育館)に出場する。全国大会出場は男子の正智深谷が11年ぶり2度目、女子の細田学園が3年連続23度目。
男子の第1シード正智深谷は準決勝で第4シード埼玉栄に2―0で勝利すると、決勝は第2シード昌平を3―1で退けた。
女子は第2シードの細田学園が準決勝で第3シード狭山ケ丘を2―0で破ると、決勝では第1シード春日部共栄を3―1で下した。攻守で高さを生かし得点を重ねた男子の正智深谷が、逆転勝利で初優勝を決めた。鈴木監督は「セットを追うごとに強くなっていった。最高だった」と興奮の冷めない様子で喜びをかみしめた。
【男子】
高さを生かした正智深谷が昌平に逆転勝ちした。正智深谷は、サーブミスで流れを手放し第1セットを21―25で落とした。第2セットはレフト白野の強打とライト中山のサーブで得点を重ね25―17で取り返した。第3セットでミドル新井、本橋のブロックがさえ26―24で逆転し、第4セットを25―14で制した。
昌平は、セッター小林のトスワークからコンビバレーで第1セットを先取。吉田、鈴木叶、鈴木美の強打で応戦したが、最後まで相手エースの得点を止められなかった。
攻守で高さ生かす
攻守で高さを生かし得点を重ねた男子の正智深谷が、逆転勝利で初優勝を決めた。鈴木監督は「セットを追うごとに強くなっていった。最高だった」と興奮の冷めない様子で喜びをかみしめた。
身長188㌢のレフト白野を中心とした攻めのバレーが光った。第1セットを落としたものの、「ここで勝たなきゃ正智じゃない。エースの自分が決める」と白野。高い打点から放つ強烈なスパイクなどで計34得点を挙げ、役割を果たした。
第2セットは、ライト中山のサーブ連続得点などで奪取。第3セットは身長191㌢のミドル新井、186㌢のセッター近藤が好位置でブロックに入り、白野のバックアタックにつなげ逆転するなど、一人一人の好プレーが勝利を呼び寄せた。
白野、近藤、新井ら3年は、昨年の同大会決勝で自慢の高さを封じられストレート負けを喫した。今季は、先発メンバーの平均が186㌢超えの身長を生かしどう戦うか模索。大学生との試合を重ね、高い攻撃を身を持って体感することで自らの利点を再確認し、正智深谷の戦い方を築いた。
新井は「悔しさを糧に努力してきたことが報われた。チームワークが上がったのが勝因」と成長を実感。関東大会県予選、県高校総体に続き、圧倒的な攻撃力で手にした栄冠。初優勝の勢いそのまま、春高の舞台でも高く上り詰める。
昌平
意地見せるも及ばず
昨季の全国大会出場者が5人残る経験豊富な昌平だったが、2連覇はならなかった。掛川監督は「いい形で試合に入れたが持続できなかった。選手たちは意地を見せてくれた」とねぎらった。
鍛えた速いバレーで第1セットを先取した。6―8の場面からエース鈴木美の連続サービスエースで同点にすると、主将のミドル吉田は「応援に乗って一気に勢いづいた」。切り返しやクイックを徹底し、攻撃の速さで相手を圧倒した。
勝負を分けたのはセットカウントが並んだ第3セット。先にゲームポイントを奪うも「1点を取ろうとして相手の動きを見られなかった」と指揮官。冷静さを欠いた攻撃でジュースまでもつれた接戦を落とした。吉田は「悔しいけど全員で戦ってすごく成長できた」と仲間に感謝し、涙を拭った。
【女子】
粘りのコンビバレーで春日部共栄に競り勝った細田学園が3連覇を決めた。
細田学園は高さで上回る相手を崩し切れずに第1セットを24―26で落としたが、第2セットは土橋、犬伏の2枚のエースが得点を重ねて25―17で取り返した。第3セットからはリベロ沼倉を起点としたラリーでしぶとくつなぎ連取した。春日部共栄はエース根岸の強打を軸に第1セットを先取したが、第2セット以降は相手の多彩な攻撃に惑わされ、守備から崩れた。
理想のバレー体現
持ち前のコンビバレーでしぶとく戦った女子の細田学園が3連覇を達成した。伊藤監督は「自分たちのバレーに自信を持って思い切ったプレーをしてくれた」と選手たちをたたえた。粘り強くボールを拾い、土橋と犬伏のダブルエースが得点を稼ぐ理想のバレーを体現した。
0―1の第2セットで攻守に工夫を凝らし、守りからリズムを生んだ。第1セットで苦戦した角度のある相手スパイクに対し「ワンタッチを入れて拾いやすくした」と犬伏。相手ブロックの威力が落ちると、リベロ沼倉を中心にコートを広く使った多彩な攻撃につなげた。
精度の高いトスが上がるようになると攻撃陣の勢いが増す。第1セットで相手ブロックに何度も阻まれた土橋は「ブロックアウト狙いで思い切り打った」とスパイクを高めに放ち得点を量産。64本のアタックで両チーム最多の28得点を挙げた。
相手の特性に合わせた柔軟な対応で3セットを連取し、3年連続で全国の舞台に進出。主将の沼倉は「拾ってつなぐ粘りのバレーを全国に見せつけたい」とベスト8を目標に細田のバレーを貫く。
春日部共栄
堅守に阻まれ単調に
3年ぶりの頂点を目指した女子の春日部共栄は、相手の堅守に阻まれ流れを失い惜敗した。吉田監督は「良い状態で打てるまで我慢しなきゃいけないのに余裕がなかった」と、単調になった攻撃に肩を落とした。
けが明けのミドル・アジェイのブロックポイントで逆転し、第1セットを先取。第2セット以降も守備から良い形で攻撃に転じたかったが「遅れて跳ぶことが多くなってブロックの上を狙われた」(アジェイ)と失点が続き焦りが出た。
「どこに打っても拾われた」とレフト根岸。冨永とともに果敢にスパイクを放ち続けたが、修正しきれず決定力を欠いた。主将の明戸は「押されたときも諦めずにや
れた。全力で打ったけれど相手が一枚上手だった」と必死の追い上げも及ばず、涙の敗退となった。
=埼玉新聞2023年11月14日付け6面掲載=
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