熊本工に19-7
ラグビーの全国高校大会第2日は28日、花園ラグビー場で1回戦が行われ、県代表の昌平が熊本工に19―7で快勝した。30日の2回戦で京都成章と対戦する。
堅守を貫き、数少ない好機をものにした昌平に軍配が上がった。
前半は自陣に押し込まれる苦しい時間が続いたが、0―0の同30分に長岡がラックから抜け出し先制トライ。後半8分に堀江のトライで追加点を挙げ流れをつかむと、同24分の山口の独走トライでリードを19点差に広げた。試合終了間際、熊本工に1トライを許したが逃げ切った。
総合力で接戦制す
熊本工―昌平 前半30分、昌平のSH長岡(中央)がラックから抜け出して先制のトライを決める
昌平がFWとバックス一体の攻守を展開し、一進一退の攻防を制した。指揮官として初の花園に臨んだ後藤監督は「生徒に感謝。勝たせてもらった」とほっとした様子を見せた。
前半は互いに一歩も譲らない接戦。会場の緊張感が高まる中、同30分に昌平フィフティーンを危機が襲う。主将でプロップの橋口が負傷退場。「(橋口)博夢の分までやるぞ。トライ取って終わろう」(ロック山内)と選手らは鼓舞し合い、気を引き締めた。
その直後、ラックから抜け出したSH長岡が持ち前の観察眼で飛び込んで待望の先制トライ。7―0で前半を終え、指揮官は「(長岡は)よく見えていた。ゼロに抑えたのは大きい」とたたえた。
後半は花園初出場組が躍動。同8分、2年のフランカー堀江が追加点を挙げ流れを引き寄せると、同24分には1年のWTB山口が3人を振り切り独走トライ。どこからでも点が取れる総合力を初戦から発揮した。
後藤監督は「(次も)DFの時間が長くなる。どれだけ我慢できるか」と、次のBシード京都成章戦に向け気を引き締めた。
後半8分、昌平のフランカー堀江(中央)がタックルを受けながらもトライを決める
危機越え白星 FWに感謝も
副将 FB浜田
負傷で途中退場した主将の橋口に代わってゲームキャプテンを務めたFB浜田は「後半は、主将を全員でもう一回ピッチに立たせようと一致団結して体を張れた」と、危機的状況の中で発揮したチームの底力を満足げに振り返った。
GK2本を成功させ得点に絡んだが、「今日はキックが全然当たっていなくてピンチになる場面が多かった」と反省。「FWが頑張ってくれて助けられた。今日の勝利はFWありきだと思う」と浜田の口から仲間への感謝の言葉があふれた。
強気のスクラム「DF負けない」
フッカー 小山田ロマン
フッカー小山田ロマンは「(昌平は)DFのチームと言われている。そこは負けたくない。絶対にトライをさせない」と、勢いのあるタックルで相手を仕留め続けた。
攻撃ではフロントローとして、スクラムの要を務める。チームでは、上に物を置いても落ちない「テーブル」のような低い姿勢を意識して、スクラムを強化。練習の成果を花園で発揮し、先制トライにつながるプレーも生まれた。「今日は良いスクラムが組めたので、次の試合も頑張りたい」と次戦も強気で押していく。
=埼玉新聞2022年12月29日付け1面、9面掲載=
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