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全国高校ラグビー埼玉大会 昌平3連覇 接点で圧倒

川越東、攻勢貫くも届かず

3年連続4度目の優勝を飾った昌平フィフティーン=19日、熊谷ラグビー場

 

 ラグビーの第102回全国高校埼玉大会(埼玉新聞社など後援)最終日は19日、熊谷ラグビー場で決勝を行い、第1シードの昌平が2年ぶりの全国大会出場を目指した第3シード川越東を14―7で下して、3年連続4度目の王座を手にした。昌平は埼玉代表として、全国高校大会(12月27日~来年1月7日予定・花園ラグビー場)に出場する。
 昌平は、前半6分にラックからの連続攻撃でプロップ植松が先制トライ。後半4分にはCTB井崎が、独走トライを決めて追加点を挙げた。守備では接点やブレークダウンで圧倒し、川越東の攻撃を防いだ。
 昌平の後藤監督は「総合力で勝ち、花園で年を越したい」と抱負を語った。

 

 立ち上がりから主導権を握り2トライを挙げた昌平が、川越東の反撃を振り切った。
 前半6分にラックからの連続攻撃で猛攻を仕掛けると、最後はプロップ植松が飛び込み先制トライ。後半4分には、SH長岡のキックを好位置で拾ったCTB井崎が独走トライを決め、リードを広げた。昌平は接点で相手に勝り、優位性を保った。
 川越東は局面での力負けが響き、試合終了間際のWTB石本による1トライが精いっぱいだった。

 

武器磨き 新時代へ

昌平―川越東 後半4分、チーム2本目のトライを決めたCTB井崎(左から2人目)に駆け寄る昌平フィフティーン

 

 試合終了のホイッスルが鳴ると、晴天に映える深緑に身を包んだ昌平フィフティーンが、拳を空高く突き上げた。川越東の追い上げを振り切り、成し遂げた3連覇。指揮官として初めて花園の切符を手にした後藤監督は「〝ゼロ〟というテーマで始まり、生徒らが歴史をまたつくり始めた」と選手らを称賛した。
 前半6分、ラックからの連続攻撃でプロップ植松が先制トライ。後半4分にはCTB井崎が独走トライ。ゴールも成功し、14点差に広げた。後半には何度も自陣ゴール前に押し込まれる場面があったが、主将のプロップ橋口が「ここだぞ昌平!」と仲間を鼓舞。FW陣を軸にブレークダウンを力で制した。
 反撃を狙う川越東の攻撃の要であるFB土居やWTB西ケ谷に対し、ロックの山内は「諦めずに体を張った。激しい接点を最後までし続けられた」。内側からの2枚のタックルで、攻撃の芽を摘み取った。
 FWとバックスの快速を生かした展開力で、準決勝までに188点を挙げた川越東を自由にさせなかったことが最大の勝因だ。後藤監督は「ディフェンスに尽きる。とにかく追い続けてくれた」と評価した。
 1月の新人大会で5点差で敗れた相手に雪辱を果たした。「負けてものすごく悔しくて、足りないものを見直してきた」と橋口。守備の接点やセットプレーの正確性を磨き、再戦に臨んだ。堅守を貫き、勝利を呼び込んだ。キックで攻撃をけん引したFB浜田は「前の選手には感謝しかない。安心してプレーできた」と仲間をたたえた。
 橋口は「先輩たちの成し遂げられなかった花園でのベスト16入りを目指したい」。新たな歴史を築くため、接点の強さを武器に、4度目の聖地に挑む。

 

努力実り感謝のトライ
CTB井崎

 昌平のCTB井崎が、念願の舞台で決勝トライを決めた。「素直にうれしい。気持ちよかった。最高」と笑顔で語った。
 7―0で後半を迎え、昌平はもう1トライ欲しい場面。同4分にSH長岡が右ハーフから前に蹴ったボールがバウンドした。井崎は「高いボールを捕るのは得意で自信があった」と球をつかみ取ると、相手守備の隙を突き、一気にインゴールに駆け込んだ。
 昨年春からスタメン入りしたが、同9月に左足を骨折。「どうしても決勝に出たかった」とリハビリでは課された倍の時間を走り復帰。昨年の決勝でベンチ入りを果たすも、当日名前を呼ばれることはなかった。
 この1年間を振り返り、「足を気にして気持ちが負けている感じがしたが(チームメートが)プレーで支えてくれていた」と仲間への感謝を口にした。
 普段はパスでチームに貢献する縁の下の力持ち。ここぞの活躍に背番号12は「地道にコツコツやっていくのは得意でそこが出た」。1年かけ実らせた思いと努力で、ヒーローになった。

 

守備翻弄し好機演出
SO広内

 昌平のSO広内が、チームの攻撃ラグビーを支えた。「みんなのディフェンスが良くて挑戦しやすかった」と巧みなステップで川越東の守備を翻弄(ほんろう)。ランで次々と相手をかわしてゲインし、昌平の好機を演出した。
 「ぐちゃぐちゃな時に抜け出してどんどん突破できるのが強み」と試合後の表情からは自信があふれた。司令塔は「うちは守備とアタックで接点が強い。当たって、流れをつくりたい」と、花園でも昌平のラグビーを披露するつもりだ。

 

奮い立たせたラストプレー
WTB石本

 川越東は後半ロスタイムに2年生のWTB石本が力強い突破から意地のトライ。「終わりたくなかったが、ラストプレーだと分かっていた。来年につながるトライをしようと、ミスマッチを狙った」と、自らを奮い立たせた3年生への思いを口にした。「来年は優勝を狙う。(土居)泰介さんのようにチームを勢いづける選手になりたい」と歯をくいしばった。

 

堅守崩せず涙の決着

後半38分、川越東のWTB石本(中央)が突破し、トライを決める

 

 アタッキングラグビーを貫いた川越東は、勝負どころで昌平の堅守を崩し切れなかった。望月監督は「いいチャレンジの日々を送ってきたので、昌平が強かったと捉えたい」と相手をたたえた。
 先制された前半の場面は、敵陣右からのラインアウトモールがあと一歩で成就せず、一気に自陣を脅かされた。主将のFB土居は「いいディフェンスに阻まれた。フィジカルで押し込まれてしまった」と大粒の涙が止まらなかった。
 昌平の守備に対して外回しのパスで突破を試みたものの、鋭いタックルで勢いをそがれ、サポートの速さと精度でも相手を上回ることができなかった。後半ロスタイムにWTB石本のトライで一矢報いたが、土居のゴール成功直後にノーサイドの笛が鳴り響いた。
 先発15人のうち、8人が2年生。前線で攻守に奮闘した3年生のロック高橋倫は石本やCTB五十嵐、プロップ寺山の名前を挙げ、「頼りになる後輩だった。(最後のトライは)自分たち3年生のために取ってくれた一本だと感じ、涙が込み上げた」と意地を見せた後輩に感謝した。
 フィフティーンが培った仲間との絆には唯一無二の価値がある。望月監督も「選手たちは文武両道を貫いてくれた。1年間積み重ね、きつい中でも走り切った」と目を赤くする選手たちへの賛辞を惜しまなかった。

 

=埼玉新聞2022年11月20日付け1面、9面掲載=

 

 

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