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公務員との二刀流 立大陸上部女子駅伝監督

将来見据え主体性大事に

 新座市を練習拠点とする立大陸上部女子駅伝で指導する中村嘉孝監督(37)は、さいたま市で福祉職の公務員をしながら、選手たちの育成に取り組んでいる。昨年12月の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)で同大を初出場に導くなど、二刀流で奮闘する。

 

さいたま市で福祉職の公務員として勤務しながら、立大陸上部女子駅伝を指導する中村嘉孝監督(前列右端)(提供)

 

 さいたま市出身。市浦和高陸上部を経て、進学した立大陸上部では当時、本格的な指導者が不在だった。「走らされている感覚より、自分たちで考える環境がよかった」と自主性が実を結び、関東学連選抜(当時)の一員として箱根駅伝に2年連続出場。2008年の3年時は9区、09年の4年時は8区を経験した。
 大学卒業後は一般企業で3年間働いていたが、学生時代から興味があった福祉に関わりたいと、さいたま市で家庭や医療のケースワーカーなど福祉職の公務員として勤務する。
 駅伝の指導者は社会人1年目から始め、ボランティアで同大の男子と女子駅伝を教えると、21年12月に女子駅伝の監督に就任した。
 チームは選手寮がなく、全体練習は週4日のみと、他の強豪校に比べて環境が整っているわけではない。また、仕事との兼ね合いで月3回程度しか全体練習に顔を出せないからこそ、中村監督が指導する上で大切にしているのは選手たちの主体性。「工夫して意義を持って本気で走った経験は自分自身、間違っていなかったことを体験したし、仕事をする上でも大切だと思う」。自身の学生時代とサラリーマンの経験から選手たちの将来を見据えた指導を実践する。
 選手たちが練習メニューを組み立て、自分たちに何が足りないか考えさせる。そして、中村監督がアドバイスを送って目標への方向性を明確にさせるなど、主体性を磨かせている。
 監督就任当初はうまくいかないこともあり、「結果が出ないと本気でやっていないと見られる。結果を出さないと頑張っていると認めてもらえない」。関係者からの評価や葛藤がある中で、方針を変えずに地道に築いた結果、就任3年目の23年に創部初の富士山女子駅伝に出場を果たし、14位に入った。「このやり方は間違っていない。立教の良さが出たし、戦えることが証明できた」と新たな歴史を築いた。
 チームは、今年2月の世界大学クロスカントリー選手権の女子10000㍍で1年生の小川陽香(草加中出)が3位に入賞するなど、日々成長を遂げている。「一人一人の個性を大切にしていかに底上げできるか。頑張らないといけない」。これからも二足のわらじで走り続ける。

 

=埼玉新聞2024年3月28日付け6面掲載=

 

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