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埼玉県駅伝 埼玉栄 男女で栄冠

 第91回埼玉県駅伝は4日、男子はさいたま新都心駅前、女子は鴻巣駅東口付近から、ともに熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にゴールするコース(男子=7区間42・195㌔、女子=5区間20・5㌔)で男女計97チームが参加して開催された。
 高校男子の部は昨年12月の全国高校駅伝で5位の埼玉栄が大会新の2時間6分17秒で、中止になった第88、89回大会を除いて5連覇した。2、4、7区で区間新記録をたたき出し、2位の東農大三に2分24秒の差をつけてゴールした。
 一般・高校女子の部は埼玉栄高Aが1時間10分24秒で8年ぶりに戴冠。1区福山が区間新記録、2区柿沢が区間タイ記録の走りを見せるなど1区から5区まで一度もトップを譲ることなくたすきをつないだ。2位には昌平高が入った。
 一般男子の部は初出場のコモディイイダが大会記録を3分40秒上回る2時間4分20秒の大会新で初優勝を飾った。2位でたすきを受けた2区工藤が区間新で先頭に立つと、4~7区は区間賞の快走でリードを広げた。2位には立大が続いた。
 市町村男子の部は上尾市陸協Aが2時間12分48秒で中止を除いて4連覇を成し遂げた。2位で中継所を出た7区池田が、先頭の川越市陸協Aを抜いて、16秒差で逃げ切った。

 

高校男子の部

埼玉栄 大会新でV5
実った努力 底力発揮

高校男子の部 埼玉栄の4区佐藤大介(右)から5区井上陸斗にたすきが渡る

 

 高校男子の部は、埼玉栄が2時間6分17秒の大会新記録で5連覇を達成。県高校駅伝、奥むさし駅伝を含む高校年代の県内3大大会を2季連続で制覇した。神山監督は「風の強さや向きでタイムが変わる難しい部分はあるが、いいタイムを出した」と振り返った。
 1月21日の都道府県男子駅伝、同28日の奥むさし駅伝に出場した疲労を考慮し、2区(4・3㌔)にエース松井、4区(3・9㌔)に主将の佐藤を配置。距離の短い区間を2人に任せ、埼玉栄の底力が試された。
 男子3部門が一斉にスタートすると1区中沢は、一般男子の部で先頭を走る芝浦工大のハイペースについていけず2位で中継所へ。2区松井は「県内では栄が負けるレース展開がないから油断してはいけない」と積極的に仕掛けて3㌔地点でトップに。区間新記録で3区島田につなげると、その後は後続を寄せ付けず己との戦い。2014年の第81回大会で先輩たちが築いた大会記録をターゲットとし、たすきをつないで歴史を塗り替えた。
 3年生にとって今大会が高校生活最後の駅伝。全国高校駅伝で5位などの好成績を収めてきた選手たちに神山監督は「努力した学年。やればできると私が勉強させられた」と評価した。
 全国高校駅伝4位の前チームと比べて実力不足で新チーム始動時は結果を残せるか不安だったという。その中、選手同士が率先して意見を言い合い、お互いの意識を高めたことで質の高い練習につながった。
 主将の佐藤は「力不足と感じて努力したから結果を出すことができた」と充実感を見せ、最後は報道陣に「1年間ありがとうございました」と丁寧にあいさつする姿があった。

 

 

 

大宮と市浦和が連合チーム

繰り上げ悔いも「次は最後まで」

 高校男子の部で、大宮市浦和が令和初の連合チームとして参加した。大崎監督は「同じユニホームではないけど、一つのたすきをつなげたい思いがあった」と語った。
 日頃から交流がある両校は毎年2度、一緒に合宿を行う間柄。今回、連合チームの出場条件が緩和されてエントリーした。レースを終えて1区青木(市浦和)は「繰り上げスタートになって悔しいけど次は最後までつなげたい」。4区米田(大宮)は「市立のためにもしっかり走っていい刺激をもらえた」と話した。

 

 

一般・高校女子

8年ぶりVの埼玉栄高A
序盤から突き放す

一般・高校女子の部 8年ぶりに栄冠を手にした埼玉栄高Aのアンカー丹野菜々美

 

 埼玉栄高Aが一般・高校女子の部で8年ぶりの栄冠に輝いた。今大会は、上位入賞を狙いに実力関係を均等に分けて2チームで出場し、同高Bも3位に入った。田村監督は「残り3区間で(2位の)昌平さんに区間記録で負けたけど勝って課題が残るのはよかった」と納得の表情を見せた。
 1区から圧巻の走りを披露した。昨年末の全国高校駅伝でも1区を任された福山が200㍍付近から先頭集団を引っ張る展開に。「後ろを見て、このままいけば離すことができる。(先導の)白バイを追いかけることを考えた」と1㌔過ぎから単独走となり、13分4秒の区間新記録を樹立した。
 2区柿沢が区間タイ記録で首位をキープすると3区前田は「アンカーの3年生のためにも差を広げたかった」と後続を突き放す。4区近棟とつなげ、3年生のアンカー丹野は「走り出す前は不安しかなかったけど、差を広げてくれたからリラックスできた」と平常心で高校生活最後のたすきリレー。「1年生の時からずっとゴールテープを切ってみたかった」と笑顔で右腕を上げてフィニッシュした。
 今大会を区切りに翌日からは新チームが始動する。田村監督は「(全国の)強豪の共通点はインターハイ出場選手が多い。下級生が多く残るから1人でも多く出場させたい」とさらなる強化を図る。

 

一般男子

初出場のコモディイイダ
実業団の意地見せ戴冠

一般男子の部 初出場で優勝したコモディイイダのアンカー松村陣之助がゴールテープを切る

 

 一般男子の部は、初出場のコモディイイダが戴冠した。5人が区間賞の走りでつないだレースに会沢監督は「ニューイヤー(駅伝)に出ているプライドを持ってしっかりできたのは良かった」と実業団の意地を見せた。
 1位と7秒差の2位でたすきを受けた2区工藤(杉戸町出身)が「1番で渡すしかない」とスタートした直後に先頭へ躍り出た。4区までは2位立大と接戦が続いたが5区九嶋、6区杉本、7区松村(城西大出)で差を広げ、2位と1分46秒差の大会新で堂々のフィニッシュを飾った。
 今大会から参加資格が緩和され、県内在住・在勤・在学の選手も参加可能となった。部員のほとんどが東朝霞店社員寮で共同生活を送り、朝霞中央公園陸上競技場などに練習拠点を置く同駅伝部も初のエントリーが認められた。
 元日の全日本実業団対抗駅伝の選考を兼ねた東日本実業団駅伝と似たコースを走る県駅伝は、選手たちにとって貴重な実戦の場。松村は「試合だけど練習の一環。この大会に出られて良かった」と出場に感謝した。
 「一番の目標はニューイヤーに出ること。もっと貪欲さが必要」と松村。経験を力に全日本実業団対抗駅伝への6年連続出場をかなえ、30位の最高成績を塗り替えたい。

 

市町村男子

4連覇で上尾市陸協A
アンカーで逆転

市町村男子の部 上尾市陸協Aの4区坂田義志(左)からたすきを受け取った5区加藤伸明が走り出す

 

 最終7区で逆転した上尾市陸協Aが、市町村男子の部で4連覇(中止の第88、89回大会を除く)を達成した。3区を走った村松監督(大東大出)は「連覇したい気持ちで1年間やってきた。接戦を制して本当にうれしく思う」と誇らしげな表情を見せた。
 7位スタートのレースとなったが、一つずつ着実に前を捕らえた。1位と16秒差の2位でたすきを受けたアンカーの7区池田(上尾高―東京国際大出)は「何も考えず抜かした」と2㌔付近でトップを行く川越市陸協Aを抜き、最後は右手で「4」を示してゴールテープを切った。
 2019、20年の優勝メンバーでもあるアンカー池田は前回大会、体調を崩し不参加。「他のメンバーが優勝をつないでくれたことに感謝」と、今大会は自らの走りで栄冠を手繰り寄せた。

 

=埼玉新聞2024年2月5日付け7面掲載=

 

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