第21回奥むさし駅伝は29日、東飯能駅西口から西吾野駅で折り返し、飯能市内銀座通りでゴールするコース(6区間38・8㌔)に一般、高校部門計149チームが参加して3年ぶりに行われた。
一般の部は埼玉医科大グループが、2位の駿河台大Aに1分差以上をつけ、1時間53分59秒で4年ぶり2度目の優勝。
高校の部は、3年生で構成した埼玉栄Aが1時間55分58秒で4年ぶり16度目の栄冠に輝いた。1、2年生主体の同Bが2位に入った。
示した3年の誇り
高校の部 4年ぶりに優勝した埼玉栄Aのアンカー久保田琉月
昨年の全国高校駅伝4位の埼玉栄は、3年生主体のAチームが高校の部で優勝。1、2年生で編成したBチームが2分10秒差で2位に入賞し、上位を独占した。神山監督は「3年生の地力と意地は強かった。1、2年はしっかり2位に入れたのはよかった」と振り返った。
現3年生のみでの駅伝は高校3年間で初めて。主将の本間は「先輩として1、2年生には負けられない」とプライドを見せた。
区間最長9・9㌔の1区小山は、1週間前の都道府県駅伝の疲労が抜け切れず5位だったものの「1人だけではない。3年生は全員が強い」(本間)と後続に思いを託した。2区吉田蔵が区間賞の走りでトップに立つと、6区のアンカー久保田まで誰にも先頭を譲ることなくゴールした。
今チームの目標は、高校駅伝県予選、奥むさし駅伝、県駅伝の3大会制覇。二つ達成し、残すは2月5日に行われる県駅伝のみ。3年生にとっては高校生活最後のレースとなる。本間は「過信せずに力を発揮すれば、優勝できる可能性はある」と1週間後を見据えた。
2人の力走仲間に勇気
一般の部 2位を1分以上離してトップでゴールする埼玉医科大グループのアンカー松井尚希
創部6年目の埼玉医科大グループが、一般の部に初出場した2019年以来2度目の栄冠に輝いた。出走した6人全員が区間3位以内と抜群の安定感を発揮。2位の駿河台大Aに1分差以上をつける圧勝劇だった。
1区木榑、2区池田が先頭争いを演じて流れをつくり、トップでたすきを受けた区間新の5区石綿とアンカーの6区松井(花咲徳栄高出)が後続を寄せ付けなかった。元日の全日本実業団対抗駅伝に出場した主力3人を欠いた中での優勝に、柴田監督は「引退する2人がみんなを勇気づける走りをしてくれた」。今大会で引退する3区島田、4区山口(東洋大出)が仲間を支えた。
先頭と7秒差でたすきを受けた3区島田は1㌔手前でトップに。「ニューイヤーで区間35位。チームの足を引っ張らないために」と引退を決意。ラストランとなったこの日、「特別なレースだけに最後はみんなで優勝したい」と力を振り絞り、前回大会で区間新を出したコースを疾走した。
続く4区山口は創部当時からの主将。「何もないところからスタートして愛されるチームになった。最後は悔いなく走りたい」。持ち前のスピードを生かし、1㌔付近で一度、中継車を追い越すほどの快走で区間賞に輝いた。
レース後、仲間から胴上げされた2人。山口は「泣いても笑ってもこれが最後。いい締めくくりになった」と語り、島田は「仲のいい特別なチームに感謝したい」と記録以上に記憶に残る大会となった。
=埼玉新聞2023年1月30日付け6面掲載=
サイト内の
埼玉栄高校の基本情報は→こちら
花咲徳栄高校の基本情報は→こちら
カテゴリー
よく読まれている記事