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子どもがいても、できるー熊谷女子高校出身 自転車競技選手

 「子どもがいても、周りの支えがあれば、やりたいことはできる」。自転車競技でリオデジャネイロ五輪に出場した山本さくら選手(32)は出産後に2度、現役復帰を果たした。
 秩父市上宮地町出身。小学2年生の時に両親の勧めでトライアスロンを始め、「世界で戦いたい」とアスリートの道を志した。県立熊谷女子高校時代は陸上部で七種競技に取り組んだが、「思うような結果が出せなかった」と自転車競技に転身した。

 

鹿児島国体に向けてトレーニングに励む山本さくら選手=25日、秩父市内

 

 鹿屋体育大学(鹿児島県)で一から自転車競技を学び、4年の時は部の主将としてチームをけん引。大学院卒業後、自転車ロードレースチーム「シエルブルー鹿屋」に所属し、アジア選手権銀メダル、リオ五輪オムニアム16位など数々の功績を挙げた。
 2016年に、同じ競技選手の男性と結婚。翌年に第1子を出産し、女性アスリート支援を受けながら産後9カ月でレース復帰した。「体力的にきつかったが、競技への思いは変わらなかった」。妊娠中は腹筋運動を避けたトレーニングに専念。産後は慣れない育児で寝不足が続いても、絶えず練習に励んだ。
 20年に日本選手権で優勝。同年出場予定だった鹿児島国体がコロナ禍の影響で延期になり、一度は引退したが、スポーツ協会からの熱烈な後押しを受けて昨年11月に再復帰した。
 現在は、5歳と1歳の2児の母。「大会や合宿などで家を空けることが多くなるため、子どもの面倒を見てくれる両親の理解が重要だった。多くの競技関係者が復帰の道をつくってくれたので、頑張って期待に応えたかった」
 今年2月、鹿児島県で開催されたクリテリウムで優勝。「自分の挑戦を支えてくれた家族や仲間たちに感謝したい。大変な道だけど、子どもができても、できないことはない」。今は、10月開催の鹿児島国体に向けて日々トレーニングに励む。

 

=埼玉新聞2023年4月30日付け11面掲載=

 

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