農家と高校生がタッグを組んで子どもたちの居場所をつくるプログラム「わんぱくアグリきっず」が始動している。同プログラムは、越生町の田んぼや畑で近隣地域の小学生を対象とした農業体験を行うほか、巨大なボールを落とさないように打ち合うキンボールの大会など外遊びも盛り込む。「収穫後の田んぼで行う高校生が発案した遊びはとても新鮮」と土地を提供する山口農園の山口由美さん。筑波大附属坂戸高校農業科の渋木陽介教諭は、「リアルな農家の方との農地での交流は生徒にとっても良い経験になっている」とお互いに手応えを感じている。
大根干しの準備をする子どもたち=越生町上野東4丁目の山口農園(大芝心織さん提供)
山口農園と筑波大附属坂戸高校の交流が始まったのは約4年前。これまでは、高校生向けの農業体験などが主流であったが、今年は高校生が主催側として加わるプログラム「わんぱくアグリきっず」がスタートした。
同プログラムでは、農業を通して、参加者の子どもたちが自然・人・食・地域とつながることを目的に毎月イベントを予定。1月上旬には、山口農園の農地で、大根をたくあん漬けにするための大根干しなどが行われ、約10人の子どもたちが参加した。
「先入観の出てくる前に子どもたちが農業と関わることはこれからの農業にとっても貴重なイベントだと思った」と同校2年生の山田萌佳さん(16)。同じく2年生の河野優斗さん(17)は、「校内で『こども食堂』の取り組みにも参加しているが、どうしても屋内になりがち。屋外でのびのびと子どもたちが遊ぶことの大切さを改めて感じた」と話していた。
山口農園の山口さんは「地域の高校生が企画から運営に携わることで、子どもたちも地域と関わりやすくなるし、大人も入ってきやすくなると思っている。食育や農業を学ぶことはもちろん、農地を人の交流の拠点にしていきたい」と力を込めつつ、将来を見据えた。
=埼玉新聞2024年1月14日付け12面掲載=
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2023年4月、総合学科30期生が入学し、総合学科開設から30年が経ちました。普通教科と農業・工業・情報・課程・福祉・商業・国際などの多様な専門教科の中から、自身の興味関心や生き方に合わせて自分だけの時間割をつくって学習を進めていきます。また、3年間にわたる探究活動カリキュラムが充実しています。キーワードは主体性、多様性、協働、社会貢献など。普通科とは違った探究を軸にした3年間を君に。
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