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早大進学で飛躍誓う―浦和学院野球部主将・吉田瑞樹

野球生活に妥協なし

吉田主将が意気込みを語る

 

 今夏の第103回全国高校野球選手権大会に出場した浦和学院で主将として活躍した吉田瑞樹が、東京六大学野球の早大進学を決めた。悲願だった名門への進路決定に、「レギュラーを取って活躍したい」と力強く意気込みを語る。 

早大進学に向けて打撃練習に励む浦和学院の吉田瑞樹=11月30日、同校

              

 誠実な若者に、約2年半の高校野球生活を問うと、「一度も手を抜くことはなかったし、本気で笑えないぐらい、いつも張り詰めていた」と回想した。吉田は早大進学と甲子園出場を目指し、浦和学院に入学。軟式野球部出身だったため、硬くて重いボールは不慣れだったものの順応し、1年生秋から正捕手、4番で出場を果たした。
 「部活を辞めたいというのはなかったが、キャプテンを降りたいと思ったことは何度もある」。人生初の主将になった2年生の冬は、野球人生の転機となった。本人いわく、「一歩引いて他人をサポートするタイプ」。指名された時は「冗談かと思った」と戸惑いつつ、覚悟を決めた。嫌われ役になってでも仲間のため、厳しく接した。チームで見本になろうと、夜遅くまで猛練習。あまりに自身を追い込む姿に、コーチ陣も制止するほどだったという。
 時には、チームの問題に一人で悩み、抱え込んだ。救いの手を差し伸べたのが、今栄尚人コーチ。仲間同士でけんかになった際には、客観的な立場からアドバイスを受け、解決の助けになったという。「一人だったらまとめることができなかった」と感謝する。
 リーダーとしてマネジメント力を養う中で、森士監督(当時)から得た学びも大きい。「私生活で気を配れていないと、野球でも周りを見ることができないと言われた」と吉田。試合や練習で指摘されたことを日誌に書いてまとめ、自らの行動を見詰め直すことを欠かさなかった。目覚ましい人間的成長は指揮官にも認められ、「代理監督」と評されるほどの存在に。今夏の埼玉大会優勝は、頼れる主将の統率力なしには語れない。
 小学校3年生の時、テレビで見た早慶戦がきっかけで早大に憧れを抱いた。夢をかなえ、来年からは「WASEDA」のユニホームをまとう。「皆さんの助けがあってチャンスをもらえた。その思いを野球で恩返ししたい」。吉田には新たな舞台、神宮球場のグラウンドが待っている。

 

吉田 瑞樹(よしだ・みずき) 

捕手。東松山南中から浦和学院高へ進学。入学後は1年生秋に4番、捕手で公式戦出場を果たす。3年生夏の全国高校野球選手権埼玉大会では、打率4割3分5厘の成績を残して打線をけん引し、3年ぶりの優勝に貢献した。全国は初戦の2回戦で日大山形に3―4で敗れたものの、三塁打2本を含む3安打1打点と活躍。右投げ右打ち。177㌢、82㌔。18歳、東松山市出身。

=埼玉新聞2021年12月8日付け7面掲載=

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