男子5階級・女子5階級の頂点決まる
柔道の第44回全国高校選手権県予選を兼ねた県高校選手権第1日は9日、県武道館で男子個人5階級と女子個人5階級を行い、女子個人63㌔級は大前星奈(大宮東)が初優勝した。
男女の残り9階級は埼玉栄が独占した。男子個人は、81㌔級の粂田和樹が2連覇を達成。60㌔級は磯野隆太郎、66㌔級は西山一心、73㌔級は杉野瑛星、無差別級は坂口稜がそれぞれ初の栄冠を手にした。
女子個人は、無差別級の三浦心暖が2年連続優勝。57㌔級は、前回大会で52㌔級を制した新井心彩がタイトルを獲得した。48㌔級は小池夏暉、52㌔級は島野芽季がいずれも初の頂点に立った。
男子66㌔級、女子48㌔級、同52㌔級の上位2名と残り7階級の優勝者が、全国高校選手権(3月20、21日・日本武道館)に出場する。
日々の努力 大一番で結実
女子個人63㌔級 大前選手(大宮東)
「優勝した実感が湧かない」。女子個人63㌔級で初優勝した大宮東の大前は、マスク越しでも感じとれるほど、満面の笑みを見せた。中学1年生から本格的に柔道を始めて最高成績は中学時代の県8強。高校では、県大会1、2回戦での敗退が続いた。悔しい思いの日々だっただけに、「諦めなくてよかった」と目を細めた。
まさに努力のたまものだ。「不器用で技を簡単に覚えられないから練習するしかなかった」と約3時間の部活動後、中学2年生の妹との自主練習を日々、欠かさなかった。課題の寝技や監督から指摘された部分を復習。「強くなりたい」と常に思いを強く抱き、汗を流した。その成果はこの日、発揮され、オール一本勝ちで頂点に立った。
人生初の全国大会に挑戦する高校2年生の大前は「不安しかないけど、もらったチャンスなのでのびのびとやるだけ」とあどけない表情で意気込んだ。
病越え 涙の頂点
男子個人81㌔級 粂田選手(埼玉栄)
男子81㌔級で埼玉栄の粂田は2連覇を達成すると目頭を押さえた。「病気を患っただけに優勝できて安心した」と語った。
昨年11月に突然、胸の痛みが起きる「プレコーディアルキャッチ症候群」を発症。約1カ月、柔道ができなかった。それでも、復帰後は今大会出場に向けて鍛錬を重ねて、この日はオール一本勝ちで2年連続の全国大会出場を決めた。
昨年、3回戦で敗れた大舞台での反省も忘れていない。「この1年間、妥協しない組み手と寝技に重きを置いた」と粂田。目標は全国優勝だ。「今大会は全体的に受け身だったから改善したい」と3月までに修正し、活躍を誓った。
先輩相手に気負わず
男子個人60㌔級 磯野選手(埼玉栄)
埼玉栄勢同士の決勝となった男子60㌔級は、1年生の磯野に軍配が上がった。「小学校から同じ道場だった小林先輩に気持ちで負けたくなかった」と1学年上で前回王者の小林相手に気負わなかった。
決勝は、延長のゴールデンスコアに及ぶ激闘だった。互いに攻める姿勢を崩さない中でも磯野は「組み手で乱暴にならず、最後まで全部出し切ろう」とアグレッシブに技を仕掛け、最後は優勢で栄冠に輝いた。全国大会に向けて「絶対優勝する」と闘志を燃やした。
現階級でもVを
女子個人57㌔級 新井選手(埼玉栄)
女子57㌔級・新井心彩(埼玉栄)の話 いつもよりは緊張せず、プレッシャーもない状態で組み手を早く仕掛けることができた。前回の全国大会では1階級下(52㌔級)で優勝できたから、57㌔級に変わっても優勝できるようにしたい。
気持ちで負けない
気持ちで負けない
女子個人無差別級 三浦選手(埼玉栄)
女子無差別級・三浦心暖(埼玉栄)の話 全国大会の切符を取れてよかった。技術ではなく気持ちで負けないように1年間練習してきた。ネガティブなところがあるけど、(2年生で)最後の年だから全国大会では全力でぶつかりにいく。
=埼玉新聞2022年1月10日付け7面掲載=
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