地域に楽しい食事を
西大宮子ども食堂SAKAE
埼玉栄中学・高等学校(さいたま市西区)の「総合探究部」の生徒らが昨年12月、教室を会場に子ども食堂「西大宮子ども食堂SAKAE」を立ち上げた。生徒の発案で、地元の飲食店から料理の提供を受けて18日、第2回目の子ども食堂を開催。約20食分の弁当などを配布し、来場者が浮かべる笑顔に生徒らは地域とのつながりを実感していた。
地元の飲食店のお弁当などを配布する生徒=18日午後、さいたま市西区の埼玉栄中学・高等学校
立案者で高等部1年の斎藤優(ゆい)さん(16)は昨年6月ごろ、部活を通じて「日本の貧困率が高く、孤食で寂しい思いをしている子どもたちの存在を知った」と言い、「みんなで食べる楽しさを知ってほしいと思った」と振り返る。
部活は顧問の小野孝寛教諭と中等部の生徒が中心となって活動している。これまで生徒の興味関心を基にディベートコンテストへの出場や企業訪問などを行い、社会とのつながりや地域貢献することを大切にしてきた。
立ち上げに向けて生徒らは地元の子ども食堂団体からの指導を受け、ボランティアにも参加。食事はお弁当を配布しようと、部員自らが近隣飲食店に協力を求めた。無償提供の依頼は断られることもあったが、初回は地元の唐揚げ専門店など2店舗、今回は地元レストランの協力を得て開催にこぎ着けた。
この日は親子で楽しんでもらおうと、段ボールで作ったおもちゃなど遊び場も用意。食中毒予防に関するすごろくも行われた。部長で中等部3年の大場悠輔さん(15)は「放課後も準備を行ってきた。喜んでもらえるとうれしい」とにっこり。
今後は2カ月に1回の運営継続を目指し、子どもたちへの学習支援なども検討している。小野教諭は「これまで地域に愛着が薄く、生徒も私も通勤や通学で往復するだけだった。これからは地域をつなぐ場所になれたら」と話していた。
=埼玉新聞2023年2月23日付け26面掲載=
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