データ活用を研究
県立大宮工業高校(さいたま市北区)は16日、地球温暖化問題についての研究会を実施し、電子機械科の生徒12人が製作した「IoT(モノのインターネット)暑さ指数計」のデータ活用方法などについて検討した。県環境科学国際センターの大和広明さんの指導でデータ解析などを学び、熱中症防止対策に生かすための活用方法や交流サイト(SNS)でのデータの発信など、今後の方針を話し合った。
製作したIoT暑さ指数計について説明する大宮工業高校の生徒ら=16日、さいたま市北区
IoT暑さ指数計は熱中症注意喚起の指標となる「暑さ指数」を約10分ごとに自動計算、データ送信する、大和さんが独自開発した暑さ指数計。生徒は、現物を参考に風通しを良くするシェルター部分を3Dプリンターで作り、電子回路をつなげるなどして6月から15機を組み立てた。7月から工業系の学科がある県立学校15校に設置し、データを収集している。
研究会では南から吹く海風の影響で暑さ指数が急激に下がるため、運動に適した時間帯に地域差があることなどをデータを基に確認した。大和さんは「新座で(指数が)下がったので川越は1時間後に下がるなどの予測ができる」とし、「高ければ運動は中止、中ほどなら休憩を小まめに挟むなど、体育の授業に生かせる」と説明した。
2学期からは指数計で得た気温と暑さ指数のデータと人口密度や日照時間、電力消費量、熱中症患者数、学校でのアイスの売り上げのデータを比較して研究を続ける。また、大和さんの暑さ指数計と精度を比較し、改良に生かすという。データはSNSなどでの発信を検討し、大和さんは「県が収集するデータにも活用したい」と期待した。
3年の鈴木伶さんは暑さ指数計の製作で電子回路を担当し、「詳しくなかったので戸惑ったが、少しずつできるようになって勉強になった」と振り返り、「データを発信していくのが楽しみ」と話した。
大宮工業高校は6月、全国で15校が選ばれた最先端事業の人材育成を目指す国の「マイスター・ハイスクール」事業に指定された。事業の一環で外部団体と協働した課題研究に取り組んでいる。
=埼玉新聞2022年8月19日付け14面掲載=
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