選抜狙い挑む3校
来春の第95回選抜高校野球大会への最終関門となる第75回秋季関東高校野球大会は22日、県営大宮とレジスタ大宮で開幕し、関東7県15校が優勝を争う。
埼玉からは、昌平(2年ぶり2度目)、浦和学院(2年連続19度目)、山村学園(初)の3校が出場。秋季県大会で2年ぶり2度目の王座を手にした昌平は、25日の準々決勝から登場し、慶応(神奈川2位)―常磐大高(茨城2位)の勝者を迎え撃つ。
同準優勝の浦和学院は、22日に横浜(神奈川1位)と顔を合わせ、同3位の山村学園は23日に土浦日大(茨城1位)と対戦する。関東の強豪校と熱戦を繰り広げる3校の戦力を分析した。
昌平
走攻守で悲願へ
4割7分1厘の打力にチーム1盗塁を決める走力を併せ持つ昌平の6番酒井
昌平は4割近いチーム打率をはじめ、走攻守のバランスが取れた戦力で甲子園初出場を目指す。
打線は6試合で11安打13打点をマークした1番甲斐、チームトップの打率5割を残した3番磯木らが攻撃の核。確実に出塁し、勢いづきたい。それぞれ4割7分1厘の打率を残した5番岩間と6番酒井、8番小林を筆頭に、県大会決勝の先発メンバー9人中7人が大会通算打率4割超え。対応力の高い打撃で、どこからでも得点を狙える。計18盗塁の機動力も武器。酒井の6盗塁に、7番平田が4盗塁と下位打線の足にも期待が懸かる。
守っては主将の斎藤が要の扇を務め、二塁手小林、遊撃手金子晄、中堅手酒井のセンターラインが安定。6試合で2失策と守備は安定している。
防御率1・21のエース左腕の渡辺俊は緩急で打ち取る。勝負所で相手打者を三球三振に仕留めてきたバッテリーの度胸も見どころ。斎藤の巧みなリードで勝利に導く。
関東でも無敗で
昌平・黒坂洋介監督の話
県内負けなしで来たが、一戦一戦気を引き締め関東大会も負けなしで勝って選抜を決めたい。
歴史変えようと
昌平・斎藤陽貴主将の話
新チームの当初に昌平の歴史を変えようと掲げた。悲願の甲子園出場へ目の前の試合に勝ちたい。
浦和学院
投手力で勝利を
最速140㌔超えの直球と精度の高い変化球が光る浦和学院の田中
2年連続の選抜大会出場を視野に入れる浦和学院は、横浜と対戦。今夏、甲子園のマウンドを経験した左腕杉山を攻略できるか注目の一戦だ。
浦和学院は伝統の投手力で、最少失点に抑えたい。左右7人の投手陣を擁し、計48回を投げた県大会決勝までのチーム防御率は1・31。右腕田中は、テンポ良い投球で14回を投げて23三振を奪い防御率0・00と好調を維持。緩急で打ち取るエース伊藤が登板すれば、安定感のあるピッチングで守備から流れをつかめるだろう。
打っては、出塁率5割超えのチャンスメーカー3番小林と、勝負強さを備える13安打12打点、打率5割をマークした1年生の4番三井ら中軸に期待が懸かる。1番喜屋武や2番篠塚、6番名波と振れている打者が並ぶ。好機での効果的な1本を出したい。チームテーマの「超攻撃」を体現し、どれだけ打撃で先手を奪えるかが勝負の鍵となる。
悔しさぶつける
浦和学院・森大監督の話
2季連続県準優勝という悔しい思いを、関東大会にぶつける。一戦一戦頑張っていきたい。
全員束になって
浦和学院・小林聖周主将の話
関東ではレベルの高いチームと対戦する。粘り強く、全員で束になって戦いたい。
山村学園
投打で粘れるか
経験を生かした器用なスイングで打撃をけん引する山村学園の2番今岡
秋の関東大会初出場の山村学園は、県大会で数々の接戦を制し、同準決勝では昨秋王者・浦和学院に2―3と食い下がった粘り強さが特徴だ。1回戦の相手は土浦日大。6試合で59得点の強力打線を抑えられるかがポイントとなる。
対峙するのは、右腕鹿島と左腕西川の2枚看板が有力だ。防御率0・91の鹿島は、制球力を武器に県3位決定戦で4安打5奪三振完封。直球で押し三振を奪える西川は、浦和学院戦で4回を被安打1無失点と好投、防御率0・44と1年生ながら堂々の内容だ。好打者相手に物怖じせず、粘り強く勝負したい。
打撃は、昨夏から主力で活躍する1番高野と2番今岡がけん引。打率3割台の加藤、横手、田中が並ぶクリーンアップが奮起したい。7試合で19犠打飛と小技を持ち合わせ、出塁すれば確実に一点を取りに行く。足を絡め、磨いた機動力で好機をものにし勝利を手繰り寄せたい。
うちらしい野球
山村学園・岡野泰崇監督の話
精いっぱいうち(山村学園)らしい野球をやる。萎縮もしないし、目の前の敵と戦うだけ。
一体感を持って
山村学園・今岡達哉主将の話
全員で勝てるように一体感を持ってやっていく。粘り強い野球で強い気持ちで戦いたい。
=埼玉新聞2022年10月21日付け6面掲載=
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