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秋季高校野球関東大会 山学逆転で初戦突破 浦学完封で初戦敗退

山村学園 土浦日大に6-4
9回3得点で逃げ切る

 (23日・県営大宮ほか)
 第2日は1回戦の残り4試合を行い、初出場の山村学園は土浦日大(茨城1位)に6―4の逆転勝ちで準々決勝に駒を進めた。
 山村学園は、3―4の九回1死一塁に代打小松の二塁打で好機を広げると高野の2点三塁打で逆転。さらに今岡の適時打で1点を追加した。
 第3日の準々決勝は、25日に行われ、1回戦を突破した山村学園は山梨学院(山梨1位)と顔を合わせる(13時・レジスタ大宮)。県大会1位で準々決勝から登場の昌平は、慶応(神奈川2位)との初戦を迎える(13時・県営大宮)。

 

 山村学園は3度リードを許したが、終盤の集中打で土浦日大を逆転で破った。
 2―3の八回2死三塁から4番田中の右前適時打で同点としたが、直後の守備で失策が絡み1点を失った。再び1点を追う九回1死一塁から代打小松の二塁打で好機を広げ、高野の右中間への2点三塁打で逆転。今岡も適時打で続きこの回3点を挙げ、リードを守った。

 

役割徹し会心勝利

土浦日大―山村学園 9回表山村学園1死二、三塁、高野が右中間を破る逆転の適時三塁打を放つ

 

 山村学園は初めて挑んだ秋の関東に臆することなく、県大会同様粘り強い野球で逆転劇を演じ、初戦突破を果たした。岡野監督は「出来過ぎ。うちは打てないのに、本番だけは打つんだよ」と会心の勝利に破顔し、選手らをたたえた。
 3―4で迎えた九回。1死一塁で代打小松が渾身(こんしん)の二塁打を放ち好機を広げると、続く1番高野は「小松のおかげで楽に打席に入れた」。甘く入った2球目の直球を完璧に捉えた打球は右中間を破り、逆転の2点三塁打となった。殊勲の一打に高野は三塁上で雄たけびを上げた。
 山村学園はこの試合3度リードを許しながらも必死に食らい付き、勝利の女神を振り向かせた。2―3の八回には、2死三塁で4番田中が「チャンスで絶対打つ」と意地の同点適時打。その裏の守備で失策が絡み1点を与えたが、最少失点で踏みとどまった。
 初戦から13安打と活発な打線に加え、5犠打と走者を次の塁に進める意識が浸透。各選手が自らの役割に徹した結果、価値ある1勝をもぎ取った。岡野監督は「次も一生懸命うちらしくやるだけ」と山村学園の野球で選抜大会出場に向けての大一番となる準々決勝に挑む。

 

 

粘投の西川 チームに勢い

6回裏土浦日大2死二、三塁、三振を奪ってピンチを切り抜けガッツポーズする山村学園の2番手・西川

 

 2番手西川の粘投がチームに勢いを呼んだ。2―2の二回、早々に登板機会が巡ってきた。「自分がやるしかない」。六回1死二、三塁から連続三振を奪い、大きなガッツポーズを見せ、仲間を鼓舞した。
 二回と八回に1点ずつ失ったが、7回を投げ自責点は0。スピンが効いた最速138㌔の直球を軸に7奪三振。茨城県大会5試合で47得点の土浦日大打線を相手に力を発揮した。川越出身の1年左腕は「地元から甲子園に行きたい」と次戦に向けて気持ちを高めていた。

 

 

 

浦和学院 横浜に0-2
7安打を生かせず

(22日・県営大宮ほか)

 第1日は1回戦3試合が行われ、県大会準優勝で2年連続出場の浦和学院は、0―2で横浜(神奈川1位)に敗れた。
 浦和学院は一回2死三塁の好機で一本が出ず、直後に先発伊藤が1死一、二塁から適時打を浴びた。五回にも2番手田中が1失点し、追いつくことができなかった。

 浦和学院は相手を上回る7安打を放ったものの、好機で一本が出ず、横浜に完封負けした。
 浦和学院打線は横浜の左腕杉山の緩急に手を焼き、タイミングを合わせられなかった。一回2死三塁の好機で4番三井が一ゴロに倒れ、直後に先制を許した。五回には四球と失策が絡んで失点。先発伊藤、2番手田中の投手陣は計8四死球と制球に苦しんだ。

 

あと1本遠く攻守課題

横浜―浦和学院 9回表浦和学院無死一塁、3番喜屋武が右飛に倒れる。捕手椎木

 

 球場の周囲を埋め尽くした観客の入場が間に合わず、試合開始を15分遅らせた注目の1回戦で、浦和学院は横浜に無念の完封負けを喫した。森監督は「ピッチャーがよくしのいでくれたが、(横浜の)杉山君を打ち崩せなかった」と肩を落とした。
 一回2死三塁から後続が倒れた浦和学院に対し、直後のピンチでは先発伊藤のチェンジアップが甘く入った。五回から登板したエース田中は「気負い過ぎて空回りした」。先頭に四球を与え、失策が絡んで追加点を奪われた。追い込まれた九回には篠塚の右前打などで得点圏に走者を進めて見せ場をつくったが、最後までホームベースを踏めなかった。
 県大会後に取り組んできた左腕対策が実らず、横浜の左腕杉山の緩急に苦しみ散発7安打。主将の小林は「守備から乱れた。ヒット数は勝っていたが打線が線にならなかった」と悔しげに語った。
 指揮官は「この代は最弱と言われてきた。打力と守備での集中力を鍛え、どうはい上がるか」と成長を誓い、言葉に力を込めた。

 

3番喜屋武に 確かな手応え

5回裏横浜無死一、三塁の場面でマウンドに集まる浦和学院ナイン

 

 確実に相手にプレッシャーを与える一打だった。浦和学院の3番喜屋武は一回2死、「ストレートを狙って、いかにつぶせるか」と待っていた狙い球を仕留めて中堅への三塁打を披露した。
 残り3打席は相手の好守に阻まれて外野フライに倒れたが、可能性を感じさせる打球で会場を沸かせた。甲子園のマウンドを経験している相手エースとの対戦に「自分のバッティングが通用すると分かった。これからも自信を持ってやっていく」と確かな手応えを口にし、会場を後にした。

 

=埼玉新聞2022年10月24日付け6面、23日付け8面掲載=

 

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