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第103回全国高校ラグビー 川越東 盤石布陣で全国挑戦

大会第2日 倉敷(岡山)と激突
県内4冠携え大舞台へ!

 ラグビーの第103回全国高校大会は27日、51チームが参加して東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。3大会ぶり2度目の出場を決めた埼玉代表の川越東は第2日の28日、1回戦で倉敷(岡山)と対戦する(10時、第2グラウンド)。
 今季は、県高校新人大会で優勝すると、関東高校大会県予選、7人制埼玉大会を初制覇。全国高校埼玉大会では、4試合で計185得点、8失点と他を圧倒して頂点に立ち、創部以来初の県内大会4冠を達成した。
 強度の高いFWと快足のバックス陣がそろう盤石の布陣で挑む全国大会では、悲願の年越しを狙う。

 

「心技体」鍛え花園へ
望月 雅之 監督

 27歳からの監督生活で大切にしてきたのは「愛情と情熱。ともに時間を過ごすこと」。毎週のように行ってきた遠征や合同練習では、自らがマイクロバスを運転し選手を練習場へ連れて行くこともある熱血漢だ。
 「これじゃ花園で年を越せないぞ!」。大舞台を前にグラウンドに望月監督がげきを飛ばす。初出場した2020年は1回戦で惜敗。経験を糧に全国で戦える、心・技・体のそろったラグビーを追い求めてきた。
 今季はFWで勝つチームをテーマに掲げ、初の試みとして共同主将を配置。熱量の高い寺山と冷静沈着な高尾、FWから2人の主将を据え、統率の取れた堅守が新たな武器に加わり、創部以来初の県内4冠を達成した。
 「やれることは全てやった。あとは彼らがやってくれる。FWで優位に立てれば一気に畳みかけられる」と指揮官。信頼を置く選手たちとともに、悲願の全国大会初勝利をつかみに行く。

 もちづき・まさゆき 八千代松陰高―日体大出。ポジションはSO。八千代松陰中3年時に八千代松陰高が第70回全国高校大会に初出場したことに刺激を受け、ラグビーを始める。大学卒業後、1年間の就職浪人を経て商社の営業職として4年間勤務。2003年から川越東で7年間ラグビー部のコーチ、監督を務めた後、帝京高(東京)で2年間勤務。12年、保健体育科教師として川越東に復帰し、17年にチームを初の全国高校選抜大会、20年に全国高校大会初出場に導いた。千葉県柏市出身。1975年12月8日生まれ。48歳。

 

 

FW 肉体磨き得た推進力

 平均身長174.3㌢、体重93.9㌔。FWで勝つためにフィジカルを磨き、推進力の高い布陣へと成長した。
 プロップ寺山、渡部、フッカー鈴木のフロントローは今季、総体重が約25㌔増。体重114㌔の寺山を軸に、重さに加え統率力も一段上がった。強度の高いタックルが光るロック小泉、松本らが体を張り、前線で相手の攻撃の芽を摘みたい。
 前から圧力をかけてくる相手に対し、セットプレーの精度が鍵を握りそう。身長181㌢の高尾、柴田陽の両フランカーで冷静にボールを奪いたい。突破力のあるナンバー8高橋新がボールを持てば、一気にラインを押し進められそうだ。

 

HB 前後つなぎ好機創出

 FWとバックスをつなぐ重要な役割を担うハーフ団は、守備でも体を張れるハードワーカーのSH高橋淳と、判断力に優れる司令塔のSO田中大で形成する。
 高橋淳は、テンポ良くボールをさばき攻撃の起点となる。リザーブには、パス技術が高く自らも仕掛けられるSH岡部も控える。田中大は、持ち前の正確なパスとキックでゲームを操り、川越東の展開ラグビーを支えたい。得点能力にたけるバックス陣を生かすため、どれだけ良いパスを放れるかが重要だ。

 

BK 縦横無尽ランで魅了

 縦横無尽に動き回る快足ぞろいのバックス陣は、得意のランプレーを発揮したい。
 CTB五十嵐は、埼玉大会の準々決勝以降、トライ1本にゴール7本など計28得点。観察眼とキックの精度を武器にアシスト力も十分で攻撃の要となりそう。仲間を生かすCTB稲葉の華麗なステップからも目が離せない。
 50㍍6秒3でメンバー1俊足の石本と、2年ながら強いボールキャリーでラインブレークできる水島が構える両WTBに素早く展開したい。FB南雲が守備の隙を突いて好機を量産し、勝利を呼び込めるか。

 

 

学校沿革

 1984年、川越市久下戸に川越東高等学校として創立した私立男子校。文武両道を掲げ、全校生徒が同じスタートから勉強、部活動、学校行事に力を入れる。今春は国公立大学に83人、早慶大に67人(ともに浪人者含む)が合格した。
 ラグビー部は86年に創部し、2017年に全国高校選抜大会、20年に全国高校大会に初出場。今季は県高校新人大会で3度目の優勝を果たすと、関東大会県予選と7人制大会で初の頂点に立った。部員は69人。
 主なOBは、ラグビートップリーグ(現リーグワン)のヤマハ発動機(現静岡ブルーレヴズ)でプレーしていた岸直弥氏、プロ野球巨人の高梨雄平投手、映画監督の石井裕也氏ら。栗原常明校長。

 

=埼玉新聞2023年12月27日付け6,7面掲載=

 

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学校の特徴~学校からのメッセージ~

約8万5700㎡の敷地校舎、体育館(バスケットコート6面)、人工芝のサッカー場(第一グランド)、400mトラック(第二グランド)、室内練習場の完備した野球場(第三グランド)、その他剣道場・柔道場・トレーニングルーム・テニスコートなどの運動施設に、180席の学習室と蔵書7万5000冊を揃えた図書館があります。学習面では授業以外の講習が充実し、特に夏期講習5週や冬期講習、センター直前講習など様々な講習が無料で設置されています。

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