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第105回高校野球埼玉大会 夏の聖地へ 熱戦心待ち②

組み合わせが決定し健闘を誓うA、Bシードの主将たち。(左から)大宮東・桑野倖成主将、昌平・斎藤陽貴主将、浦和学院・江口英寿主将、市川越・鈴木善主将=20日午後、さいたま市大宮区のレイボックホール

 

昌平

盤石布陣 悲願へ挑む

 秋春制覇のAシード昌平は、初戦の相手に早大本庄を迎える。主将の斎藤は「しっかりした野球をしてくる印象。大会に向けて良い準備ができそう」と対戦を心待ちにした。
 大一番の大会に、走攻守そろった盤石の布陣で臨む。ミート力の高さを武器とする打撃陣は、春季県大会で打率6割超えの金子がけん引。投げては、制球力の高いエース渡辺俊に、春を通じて安定感が増した最速140㌔超えの佐藤立、佐藤勇ら両右腕も控え、層が厚い。
 春の関東大会では冬に重点的に磨いた機動力を発揮。打力のあるチームに足を絡めた隙の無い得点スタイルを構築したことが関東初勝利につながり、ナインの自信となった。
 1979年の創部以来(当時は東和大昌平)、26年ぶり2度目、黒坂監督が率いてからは初のAシードで本番を迎える。斎藤は「この夏こそは絶対に甲子園に出場する。その一筋でやってきた」と目指すは夏の王座ただひとつ。初の聖地切符を手にし、埼玉高校野球界に新たな名を刻みたい。

 

浦和学院

王座奪還へ気合十分

 浦和学院は、昨年に続いてAシードから挑戦し、2021年以来の王座奪還を狙う。江口主将は「初戦は一番難しいと言われている。焦るところもあると思うけど、ミスが起きても自分たちがやってきたことを信じるだけ」と気合十分だ。
 今チームは、昨夏に比べてプロ注目選手がいない分、「今の自分たちのチームはそんなに力がない。それを糧に全員野球でやろうと意識してやってきた」と総合力を高めた。
 21年の春季県大会から7季連続で決勝に進出しているが、昨春の優勝を最後に3季連続で準優勝とあと一歩のところで涙を流した。「これまでやってきたことはこの夏にしかできない。4回目の負けはないと覚悟をもってやる」。今夏は、シルバーコレクターで終わるつもりはない。

 

大宮東

打撃でエース支える

 Bシードとして登場する大宮東は、2回戦で秩父農工科の挑戦を待ち受ける。桑野主将は「自分たちはチームワークを大事にやってきた。勝っても負けても後悔しない。きれいに終わられたらいい」と決意を語った。
 今春は2年生エースの冨士を軸に守り勝つ野球を発揮し、9年ぶりに4強入り。この勢いで今年は1990年以来の夏の甲子園を狙う。「春は冨士が頑張ってくれた。この夏は打線がしっかり頑張って、冨士をバックアップし、戦い抜きたい」と意気込んだ。

 

市川越

春で自信 勢いに乗る

 春季県大会では3回戦で花咲徳栄、準々決勝で上尾を破り4強入りと勢いに乗るBシード市川越は初戦で城北埼玉と対戦する。主将の鈴木は「やったことのない相手だが自分たちの野球をするだけ。一戦必勝でやっていく」と言葉に力を込めた。
 粘り強いプレーとミスをカバーし合うチーム力を武器に春を戦い、強豪を倒したことで選手たちに自信がついた。「あの経験を経て投打走で個の力を磨けた」と鈴木。「甲子園出場が目標だが、まずは初戦」と集大成の夏を見据えた。

 

花咲徳栄

闘志燃やし頂点狙う

 2015年から19年にかけて史上初の夏の埼玉大会5連覇を成し遂げた花咲徳栄は、4年ぶりの優勝へ照準を合わせる。佐藤主将は「秋、春は悔しい思いをしたけど、夏に向けて気合が入っている」と闘志を燃やした。
 現チームは昨秋県2回戦、今春県3回戦で敗退。だが、17年の第99回大会で県勢唯一夏の全国制覇を達成するなど夏に強いだけに、〝夏の徳栄〟として今大会も周囲から警戒される。「昨年と一昨年は結果が出てない分、今年は出したい」と夏に花を咲かせるつもりだ。

 

聖望学園

見据えるのは連覇のみ

 昨夏はノーシードから下克上を果たし、13年ぶりに優勝した聖望学園。今大会も同じくノーシードから再び勝ち上がるつもりだ。柳主将は「いかに昨年を知っている選手が中心となっていい雰囲気を取り入れることができるか」と話した。
 昨夏の甲子園出場後、新チームに移行してから、活動休止や監督交代などあらゆる状態を経験してきた。「最後はいい形で終われるようにしたい。目標は連覇」と、145チーム中1チームだけにチャンスがある2年連続の栄冠を見据える。

 

緊張した面持ちで組み合わせを見守る各校の選手たち

 

序盤戦注目カード

上尾 VS 川口市立

公立の雄 初戦で激突

 ともに好投手のエースを擁する古豪上尾と昨夏16強の川口市立が初戦から激突する一戦は、2回戦の注目カードとなるだろう。川口市立の原田主将は「初戦から良い試合ができそう。ロースコアに持ち込みたい」と好勝負を予感する。
 両校の直近の対戦は2021年春の県大会3回戦で、この時は2―0で上尾に軍配が上がった。上尾の萩原主将は「(相手は)食らいついてくるチーム。少ないチャンスをどうものにして守り抜くかが大事」と気が抜けない相手に気を引き締めた。

 

対戦カードが続々と決まり埋まっていくパネル

 

=埼玉新聞2023年6月21日付け7面掲載=

 

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