〝春高〟の愛称で親しまれているバレーボールの全日本高校選手権は5日、東京体育館で男女各52校が参加して開幕し、9日の決勝まで4日間の熱戦が繰り広げられる。大会は昨年同様、無観客で実施される。
県勢では、2年ぶり10度目の出場を果たした男子の埼玉栄と2年ぶり21度目の出場となる女子の細田学園が5日の1回戦から登場する。埼玉栄は大産大付(大阪)と対戦(15時40分開始予定)。細田学園は高松商(香川)と顔を合わせる(11時開始予定)。上位進出を狙う両校を紹介する。
男子 2年ぶり10度目 埼玉栄
全員バレーで一戦必勝
だいだい色のユニホームをまとう戦士たちが春高の舞台に帰ってきた。2大会ぶりに埼玉大会を制した男子の埼玉栄は、レシーブから切り返しの早い攻撃を武器に全員バレーで上位進出を目指す。
初戦は初出場の大産大付(大阪)と対戦。勝利すれば、2回戦で今年度の全国高校総体(インターハイ)で優勝した鎮西(熊本)とぶつかる。伊藤監督は「厳しい組み合わせだが、チャンスはある。高校生だから何が起きるか分からない」と選手たちの活躍する姿に期待を寄せた。
埼玉大会決勝では、前回王者の昌平に3―1で勝利。1―1の第3セットで21―24とピンチな場面だったが、5連続ポイントを奪い、逆転すると次のセットも獲得して全国大会出場を決めた。
その逆転劇の立役者がエース工藤だ。チームの大黒柱としてインターハイ後、筋力とジャンプ力を強化。力強く重みのあるスパイクとサーブで相手コートに打ち込む。伊東と高橋の活躍は必要不可欠。伊東は、機敏な動きから強打が魅力的で、高橋は、パワーのあるスパイクで攻める。3年生の島津は、1年時に春高を経験。身長193㌢を生かした高いブロックでピンチをチャンスに変える頼もしいミドルブロッカーだ。
「ミスを恐れずに攻める気持ちがあれば、流れは変わる」(伊藤監督)と失敗を恐れず、果敢に攻撃を仕掛ける姿勢が上位進出の鍵を握る。主将の伊東は「勝ちにこだわりたい」と貪欲な姿勢を見せた。
女子 細田学園 2年ぶり21度目
縦横無尽の破壊力抜群
女子の細田学園の代名詞といえば、粘り強いレシーブ力を生かしたバレーだ。だが、伊藤監督は「今年のチームは攻撃力がある」と、例年とは違うチームだということを強調した。
県予選の決勝では、昨年屈した春日部共栄との打ち合いを制し3―1で雪辱した。印象的だったのは、どこからでも点が取れる力強さ。レフト、ライト、ミドルが縦横無尽に相手を強襲するスタイルは、破壊力抜群だった。
攻撃的なチームの中心を担うのは、レフトの渡会。最高到達点2㍍90㌢の跳躍力を生かし、高度なインナースパイクを得意とする。レフトに注意が集まればライト寺田が輝きだす。「ブロックを吹っ飛ばしたい」と寺田は、パワーには絶対の自信を持つ。高いブロックが武器のミドル井上も貴重な得点源となる。相手の穴を見つけてコースを突くアタックが魅力だ。
決定力のある攻撃陣を生かすのは、セッターの展開力が鍵を握る。名将伊藤監督は「2人のセッターが武器になる」と全国へ秘策を練る。全国を決めた春日部共栄戦でも、劣勢の場面でセッターを代え、流れを取り戻す戦略を見せた。正確なトスの佐久間、テンポの速い国藤の使いどころにも注目したい。
1回戦は高松南(香川)と対戦する。そこに勝利すれば、前年女王の就実(岡山)と激突する。主将の伊藤は「1回戦を勝って、就実にも勝ってベスト8を狙いたい」と意欲を燃やした。
=2022年1月4日付け9面掲載=
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