細田学園(女子)
【戦評】自慢の攻撃力を見せた女子の細田学園が高松南との初戦を2―0で快勝した。第1セットから土橋、渡会の両レフトのスパイクなどで得点を重ねた。リベロの高杉を中心としたレシーブでリズムをつかむと25―16で圧倒する。第2セットは、リードを奪うが、高松南に迫られジュースに。それでも最後は強打で振り切り26―24で制した。
攻守盤石で好発進
2年ぶりに全国へ戻ってきた女子の細田学園が、強打で高松南にストレート勝ち。伊藤監督は「緊張があって硬かったが、最後はいつも通りのバレーが
できていた」と2016年大会以来となった初戦突破を喜んだ。
第1セットでチームをけん引したのは、メンバー唯一の1年生レフト土橋だ。チーム初得点をインナークロスで打ち込むと勢いに乗った。先輩たちから試合前に「思い切りいっていいよ」と後押しされていた土橋。高さを生かしたスパイクで、第1セットでチーム最多の8得点を挙げた。
土橋の勢いが落ちた第2セットでは、2年生レフトの渡会が輝いた。最高到達点2㍍90からのスパイクで得点を量産。「いつもより跳べていた」と話すエーススパイカーは、得点が欲しいところでボールを集め、しっかりと期待に応えた。
指揮官が不安だと語っていたレシーブ力も発揮した。伝統の粘りを象徴するリベロの高杉
が好守を連発。「(リベロが)チームのリズムを左右する」とコーチからハッパを掛けられ、臆することなく仕事を全うした。
次の相手は前年女王の就実(岡山)。対戦を熱望していた相手に士気も高い。伊藤監督は「どれくらい戦えるか試したい。レシーブも崩れていないので攻撃につなげたい」。強敵相手にも、ただの挑戦者で終わるつもりはない。
緩急使って躍動コートの主役に
エース渡会
女子細田学園のエース渡会が、存在感を示しコートの主役になった。「春高は夢だったので今日はワクワクしていた。緊張はしなかった」と目を輝かせた。
高さのあるスパイクだけではなく緩急を使い相手に的を絞らせず。強打を警戒されると、冷静にコースを狙い相手を翻弄(ほんろう)した。「初戦は大事なので、3年生のために自分が勝たせたかった」と中心選手としての自覚も十分。「今日の勝利は自信になった」と就実戦を前に手応えをつかんだ。
埼玉栄(男子)
【戦評】粘り強さを見せた埼玉栄は、大産大付に2―1で逆転勝利した。序盤からサーブミスが目立って17―25で第1セットを先取されたものの、第2セットで修正を図ると伊東、高橋のスパイクが光って25―22。第3セットは一時7点差をつけられたが、工藤の強打と島津のブロックなどでポイントを重ねて25―23で接戦を制した。
中断で冷静さ取り戻す
劣勢になっても、最後まで諦めない気持ちが実を結んだ。男子の埼玉栄は、序盤のミスが響いて一度は流れを失ったものの、立て直して初出場の大産大付に逆転勝利した。
第1セットは、初戦の緊張もあってサーブなど決まらず先制を許す。修正を図った第2セットで粘り強さを見せて同点に。そして、劇的なストーリーが描かれたのは、第3セット。
6―13でコートチェンジし、7ポイント目を獲得したものの、審判陣がローテーションの確認で誤りがあり、取り消されて約4分間の中断。ただ、「リズムをつくることができた」と伊藤監督。この間が埼玉栄にとって気持ちを切り替えるきっかけになった。
高橋は「諦めかけていたムードに士気が高まった」と冷静さを取り戻し、徐々に埼玉栄が得意とするサーブで崩す攻撃で最大7ポイントあった点差を縮めた。終盤は「打ち切れる自信があった」とエース工藤にボールを集めて強打をお見舞い。最後はエースの左腕が光り、笑顔で試合に幕を下ろした。
次は全国高校総体王者の鎮西。相手は格上だが、埼玉栄には逆転した勢いがある。指揮官は「3セットマッチを制して流れがあるから逆にチャンス」と語り、主将の伊東は「相手がどのチームでもサーブから攻める」と力を込めた。
頼もしい左腕エースが強打
工 藤
これほど頼もしいエースがいるのか。埼玉栄のサウスポー工藤が初戦突破に大きく貢献した。
最も輝いたのは、第3セット。「点差を重ねていくと調子が上がった」と第2セット中盤から
決まり始めたスパイクは、最終セットになると勢いが増して誰も防ぐことができない。「もう工藤に集めるしかない」(伊藤監督)とボールを集めて、25ポイント中の約半分を工藤のスパイクで
奪った。「びびらずやりたいことをやるだけ」。自身にみなぎるエースは、次戦へ闘志を燃やした。
=埼玉新聞2022年1月6日付け7面掲載=
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