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選抜高校野球 熱戦開幕 新生・浦学いざ全国へ

 第94回選抜高校野球大会が、甲子園球場で開幕する。昨秋の明治神宮大会覇者の大阪桐蔭や注目の怪物スラッガー、佐々木麟太郎を擁する花巻東(岩手)など32校が出場。13日間(準々決勝と準決勝翌日の休養日を含む)の熱戦の火ぶたが切られる。
 開会式は新型コロナウイルス感染症対策のために簡素化され、第1日の3試合に出場するクラーク(北海道)や浦和学院など6校のみが参加する。選手宣誓は倉敷工(岡山)の福島貫太主将が務める。17日はこの6校の主将らが参加して開会式のリハーサルが行われた。
 兵庫県にまん延防止等重点措置が適用されている期間は、入場者は1試合2万人で、アルプス席は出場校関係者のみ。ブラスバンドは50人以内で可能となり、3年ぶりに、選抜大会での生演奏が復活する。

 

甲子園球場で行われた第94回選抜高校野球大会の開会式リハーサル。初日の3試合に出場する6校が参加し、行進の練習をした=17日午前

 

浦和学院 心・技・体鍛え7年ぶり11度目の出場
第一試合 大分舞鶴と開幕戦

 7年ぶり11度目出場の浦和学院は、大会第1日の開幕試合となる第1試合で21世紀枠で選出されて初出場の大分舞鶴と対戦する。
 昨夏の第103回全国高校野球選手権を区切りに、30年間同校で指揮を執った父・士(おさむ)氏が勇退し、長男の森大監督が就任。前体制が築いた堅守と新たに強化した長打力で昨秋は、県大会で優勝し、関東大会ではベスト4入りを果たした。
 さらなる高みを目指すため、この冬は、体づくり、脳の活性化、メンタル強化の「三本の矢」を掲げて技術面以外のことにも注力。心技体の3要素を鍛え、「超攻撃野球」を掲げる浦和学院の球春が到来する。
 選抜大会には過去10度出場し、通算成績は20勝9敗。全国優勝を最高成績に、ベスト4が2度、ベスト8が3度と輝かしい結果を残している。11度目となる今大会。新生・浦和学院が甲子園で桜を咲かせる。

 

初の甲子園へ「新たな風を」-森 大 監督

 平成生まれの31歳。今大会最年少タイの監督として甲子園に挑む。「新たな風を吹かせるように準備してきた」と闘志を燃やす。
 家族も認める温厚な性格。弟の光司氏は「子どもの頃、兄弟げんかしても手を出してこなかった。こんなに優しい人を見たことがない」と語りつつ、「だからこそ、選手に厳しくする時は苦労があると思う」と監督の兄から相談を受けるという。
 初めて甲子園に訪れたのは、1歳の時。1992年の選抜大会に就任1年目で出場した父・士(おさむ)監督に案内されてベンチ裏からのぞいたのが始まり。そして、高校3年夏に投手でマウンドに立ち、昨夏は部長でベンチから戦況を見守った。監督として戻ってきた甲子園に「コーチ時代の延長線上の感覚。(昨年)夏のリベンジを果たしたい」。新生・浦和学院のかじを切る。

 もり・だい 浦和学院高―早大―三菱自動車倉敷オーシャンズ―筑波大大学院―早大大学院。高校3年夏に投手で甲子園に出場。2016年に同校コーチに就任。コーチの傍ら筑波大大学院でスポーツバイオメカニクス、早大大学院で心理学を学んだ。21年秋から父・士(おさむ)から引き継いで監督に就任した。保健体育科教諭。1990年12月28日生まれ。さいたま市出身。

 

紡いだ伝統 光る個性 “超攻撃”で聖地挑戦

【投】左右二枚看板に安定感

 エース左腕宮城に遊撃手と兼任する右腕金田の二枚看板は安定感抜群。
 宮城は最速143㌔の直球をより速く見せるようにチェンジアップなど緩急を使いつつ、強気な内角攻めで打ち取る。救援として登板の可能性が高い金田は、切れ味のいい直球とカットボールなどで空振りを取ることができる。
 2番手以降は、昨夏の甲子園経験者である左腕芳野とクレバーな投球が持ち味の右腕浅田。伸びのある直球を生かすために変化球を磨いた右腕野口も出番に備える。

 

【攻】鋭さ生かす多彩な打線

 しっかり振り抜いて鋭い打球を放つことを意識付けた打線は、試合序盤から得点を奪えるのが理想だ。
 2~5番は昨秋の主力で固めた。県大会で4番の伊丹が2番、広角打者の3番金田が入る。力で遠くに飛ばす4番鍋倉と技術で飛距離を出す5番高山とタイプの違う強打者だ。予想できないのが1番。打撃好調の大勝が入れば、八谷が9番となり、攻撃のバリエーションが増える。小林が入れば、足を絡めることができる。代打には勝負強い右の藤野、巧打者で左の三宅が準備する。

 

【守】失策最少 新3年生が軸

 昨秋の公式戦9試合で失策3と今大会出場校の中で明秀学園日立(茨城)と並んで最も少ない。レギュラー9人中、8人が新3年生で構成される。
 強肩が持ち味の捕手高山、遊撃手金田に中堅手伊丹のセンターラインはしっかりとしている。二塁手は守備範囲の広い大内か、打撃好調の大勝か。森監督の起用法にも注目だ。
 好守が光る三塁手八谷、強肩の右翼手日高にガッツなプレーでチームを盛り上げる一塁手鍋倉に期待。左翼手は、ともに新2年生の小林か、喜屋武が予想される。

 

=埼玉新聞2022年3月18日付け8~11面掲載=

 

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