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陸前高田の「あの日」学ぶー県立浦和高校

 元気仙小学校長の菅野さんが講演

 県立浦和高校は、さいたま市浦和区の同校で、岩手県陸前高田市の気仙小学校元校長の菅野祥一郎さんを招いて講演会を行った。

 講演会は7月上旬に、修学旅行で東日本大震災の被災地を訪れる予定の3年生へ事前の震災教育として実施。講師の菅野さんは「あの日あの時~ふるさとは負けない」をテーマに、被災当初や被災後のまちや人々の様子を語り、自身の思いを生徒たちに伝えた。

 震災当初、気仙小校長だった菅野さん。地震発生時は校外での業務に当たっていたが学校へ戻り、校庭で整列をしていた生徒や地域住民へ学校の裏山への避難を指示。町内の小・中学校は全壊、住宅数軒のみが被災を免れるという被害状況だったものの、気仙小の生徒からは1人も被害者を出さなかった。

 「山に登ることはマニュアルにはなかった。マニュアルは平常時に考えられたもの。(非常時には)とらわれない行動をすべきときもある」と当時を振り返った。

 気仙小の児童からは1人も被害者を出さなかったものの、児童の家族や町民など多くの命が奪われた現場を見てきた菅野さん。浦和高の生徒へ「自分の命を大事にする人間になってほしい」と呼び掛けた。

 修学旅行委員の委員長の梅山開世さん(17)は「被災地の現在の様子をしっかりと見てきたい」と話していた。

 

生徒の質問に答える菅野祥一郎さん=さいたま市浦和区の県立浦和高校

 

=埼玉新聞2021年6月19日付け8面掲載=

 

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