高校ってどんなところ?
「将来描く一助に」
「高校ってどんなところ」、「どんな勉強をするの」―。小学生のそんな疑問に答えようと、現職の高校教諭が種別や部活など高校の実情をプレゼンする授業が新座市立池田小学校(川南真一校長、児童数442人)で行われた。児童らは高校の構内に食堂や自販機があることに驚き、「偏差値はどのくらい」などと質問するなど自らの将来に夢を膨らませていた。
同校の総合的学習の授業の一環で、卒業間近な6年生に将来のビジョンづくりに役立ててもらおうと、2020年度から実施しており、今年で2回目。この日の授業は同校6年生2クラス計62人を対象に、東松山市の私立東京農大第三高校の数学担当、小堀健一教諭(51)が行った。
小堀教諭は川南校長の出身高校の後輩で、同教諭が同校野球部に在籍していた当時、大学生だった同校長が同部の監督を務めていた師弟関係の間柄。東京農大第一高校の教諭が20年度から2年間、人事交流で同第三高校に出向することになり、川南校長が同教諭に講師を依頼した。
授業はディスプレイを通じて行われた。まず、児童らに事前アンケートを行った結果を表示。児童らは高校を「憧れ」「忙しい」「勉強が難しそう」などとイメージしており、「先輩との上下関係」や「校則」「勉強についていけるか」などに不安を覚えていた。
また、全日制や定時制など高校の種類と割合や進学率を提示したり、「朝礼」「宿題」「給食」「昼休みの遊び」など小学校にあるが、高校にないものと、「制服」「食堂」「定期テスト」など小学校にないが、高校にあるものをリストアップ、児童らの関心を集めていた。
小堀教諭は県内の高校の進学率が99%を超える中、「高校進学には小学校と中学校の基礎学力が重要で、日々こつこつと努力してほしい」と訴えるとともに、高校に進学する理由について「夢を持って高校を選び、人との出会いやつながりが価値観を広げてくれる」と強調した。
6年1組の清水佐和さん(12)は「高校生の姉から『勉強は大変』と聞いていたが、今日の話を聞いて高校生は自由で売店もあり、多くの人に会えて楽しそうだと思った。将来はアナウンサーになりたいので、中学3年までに行きたい学校を決めたい」と話した。
6年2組の山崎勇汰君(12)は「部活やスポーツではなく、勉強がメインというイメージがあったが、今日の話を聞いてそうではないことが分かった。将来は獣医師になりたいので、高校の偏差値の話は非常に参考になった」と話した。
=埼玉新聞2022年3月17日付け12面掲載=
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