3月18日開幕
第94回選抜高校野球大会
3月18日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する第94回選抜高校野球大会に出場する32校を決める選考委員会が28日に開かれ、昨秋の関東大会ベスト4の浦和学院が一般枠で選出され、7年ぶり11度目の出場が決まった。浦和学院の甲子園は2季連続で春夏合わせて25度目。
浦和学院は、昨夏に30年間指揮を執った森士(おさむ)前監督が勇退し、長男の森大(だい)監督が就任。新体制で臨んだ秋季県大会は、5年ぶり16度目の優勝。関東大会では、準々決勝の桐生第一(群馬)に5―0で完封勝ちし、選出は有力視されていた。組み合わせ抽選会は、3月4日に行われる。
新たな歴史の扉開く
ウラガクに春のたよりが届いた。7年ぶりの選抜大会と昨夏に続いて2季連続の甲子園出場が決定した。昨夏に勇退した父の森士(おさむ)前監督と同じく就任1年目で選抜切符を手にした森大監督
は「関東大会を終えてからこの日が来るまで選ばれるか心配だったけど、選ばれてほっとした」と満面の笑みを見せた。
雨天練習場で選抜出場校の発表を緊張の面持ちで待っていた選手たちは、石原校長から出場の報告を受けると、マスク姿のまま胸をなで下ろした。主将の八谷は「自分たちの力だけでなく、支えてくれた人たちのおかげもあって、切符をつかむことができた」と喜びをかみ締めた。
前回出場した第87回大会の2015年から7年。浦和学院が初出場した1992年の第64回大会から数えて最長の空白期間だっただけに、野球部のみならず学校職員一同で祝福した。前監督の森士副校長は「選抜まで7週間しかない。最高の準備で大会に行ってもらいたい」と激励した。
過去10度出場した選抜大会では、13年の全国制覇を最高成績に、2度のベスト4、3度のベスト8と安定した戦いぶりを見せてきた。その舞台で今春、新たな歴史の扉を開く。「目指すは全国制覇だが、記録よりも記憶に残る試合をしたい」と森大監督。紫紺の大優勝旗を再び埼玉へ。新生ウラガクが聖地に羽ばたく。
夏の悔しさ糧に決意
エース宮城
選抜出場が決定してエース宮城は「夏は甲子園で悔しい思いをしたから選抜ではチームを勝利に導く」と決意を新たにした。
けがの影響もあって昨夏の甲子園は、二回途中までしか投げることができず、不本意に終わった。その悔しさを糧に体づくりに奔走した。栄養価の高い食事を心掛けて下半身が強化され、130㌔台後半だった直球は142㌔までにアップした。「全国相手に持ち味の内角に攻める強気なピッチングをしたい」と意気込んだ。
投打二刀流で闘志
3番・金田
投打の二刀流で昨秋の関東大会4強入りに貢献した3番打者の金田は「勝つためにやるだけ」と闘志を燃やした。
打者としては「チャンスメークだけでなく走者をかえすバッティング(を意識する)」と、勝負強さ長打力に磨きを掛ける。投手としては、切れ味抜群の直球の球速が143㌔まで上がり、選抜大会に向けて着々と準備を進める。
川口市出身の金田は「いつでも投げられる準備をして、3番として率を残しながら長打を打てるか試したい」と甲子園での活躍に期待が高まる。
長打確かな武器に
4番・鍋倉
ウラガクの強力打線を支える4番の鍋倉は「甲子園でホームランを打ちたい」と力強く語った。
関東大会では、自身初の大舞台で緊張し、長打を放つことができず。持ち味の長打力を確かな武器にするため、この冬は、木製バットで打力強化。夜遅くまで寮の脇で素振りをするなど鍛錬を重ねて、100㍍越えの打球を連発するほどまでに成長した。
「選抜が決まってうれしいけど、これからも頑張らないといけない」と大会まで残り7週間、さらなる磨きを掛ける。
=埼玉新聞2022年1月29日付け1&7面掲載=
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