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秋季高校野球関東大会 浦和学院が快勝 宮城が完封

浦学センバツ確実に
桐生第一下し4強

浦和学院―桐生第一 完封で浦和学院を4強入りに導いたエース宮城=2日、茨城県のJ:COMスタジアム土浦

 

 第74回秋季関東高校野球大会第3日は2日、茨城県のJ:COMスタジアム土浦などで準々決勝を行い、県大会王者の浦和学院は、群馬1位の桐生第一を5―0で下し、来春の第94回選抜高校野球大会出場が確実となった。
 浦和学院は、1―0の六回1死一、三塁から伊丹がタイムリーを放つと続く宮城のスクイズと大勝の適時二塁打などで4点を加えた。投げては、エース宮城が被安打6、7奪三振で完封した。

 大会第4日は6日、J:COMスタジアム土浦で準決勝が実施され、浦和学院は山梨学院(山梨1位)と決勝進出を懸けて対戦する(10時30分)。

 

浦和学院―桐生第一 4強入りを決めてガッツポーズするエース宮城(中央左)と浦和学院の選手たち

 

 二回に先制した浦和学院は、六回に桐生第一の投手陣を攻略して快勝した。

 浦和学院は、二回1死一、二塁から小林が先制タイムリ―。六回は1死一、三塁から伊丹の適時打で追加点を奪うと、続く宮城のスクイズなどでこの回4得点。好機を確実に生かして突き放した。投げては、エース宮城が好投し、無失点に封じた。

 

大一番も柔軟に修正

 勝てば選抜大会出場がほぼ決まる大一番でも、エース宮城は冷静だった。群馬王者の桐生第一を被安打6、7奪三振で完封。「序盤は真っすぐ頼みだったが、終盤は変化球を交えながら強みの直球を投げられた」。ゲームの中で修正していく柔軟さが光った。

 試合前、森監督から「一人で投げ切る気持ちでいけ」とハッパを掛けられ、気合が入った。積極的にバットを振ってくる相手に対し、臆することなく力強い直球で勝負。途中からは落差の大きなスライダーで緩急をつけ、相手を手玉に取った。

 今夏の甲子園後、下半身の強化と栄養バランスを考えた食事を心掛けるようになり、130㌔台中盤だった速球は最速142㌔までアップ。進化を続ける背番号1は、「隙を見せず、(相手打線に)崩されないようにしたい」と引き締めた。

 

伊丹 7番から巻き返し

 右の強打者伊丹が、復調を印象付けている。2安打1打点で勝利に貢献。「県大会では迷惑を掛けていたから、期待に応えられてうれしい」と喜びを口にした。

 県大会は4番に座ったが、バットは鳴りを潜め今大会は7番に下がった。だが、関東の舞台では勝負強さを発揮。六回1死一、三塁から「(宮城)誇南のためにもつないでいこう」と2試合連続の適時打を放ち、好投のエースを助けた。4番奪還に燃える伊丹は、「自分の責任を果たしていくだけ」と頼もしい。

 

準備実り一挙4点

 いつ主導権を失ってもおかしくない紙一重の試合。投打で粘り強さを見せた浦和学院が、7年ぶりの選抜大会出場をほぼ手中に収めた。森監督は「偉大なチームを引き継いでプレッシャーが大きかったが、ほっとしている」とほほ笑んだ。

 二回に先制したものの、桐生第一の軟投派左腕寺門を打ちあぐねていた。是が非でも追加点が欲しい。六回から相手が最速140㌔のエース右腕北村を送り込むと、打線が目を覚まし、代わりばなをつかまえた。

 「浮いてくる真っすぐ対策をした」(森監督)と狙い球を絞ったバッティングで1死一、三塁の好機を築く。ここで伊丹が「外角の直球を狙っていたけれど、体が勝手に反応した」とスライダーを右前に流し打って追加点。続く宮城がスクイズを決めると、大勝の適時二塁打などでこの回一挙4点を奪った。小さなほころびを逃さない洗練された攻撃は、森監督の父で今夏を最後に退任した士(おさむ)前監督時代からのおはこだ。

 引退した3年生の協力も大きい。吉田匠ら前チームの速球自慢の投手たちが打撃投手を買って出てくれ、後輩のために一肌脱いだ。伊丹は「3年生のおかげでスピードボールに慣れることができた」と感謝する。

 世代を超えてチーム一丸となり、第一の目標だった選抜切符を確実にした。次に目指すのは関東王者だ。主将の八谷は「明治神宮大会に出場するため、一戦必勝で臨みたい」と決意を新たにした。

 

=埼玉新聞2021年11月3日付け1・7面掲載=

 

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