埼玉新聞社 高校受験ナビ

【志望校選び】学校情報の正しい集め方

2023年3月17日配信

行動によって得られる情報を大切に 

 公私立高校各校はホームページやSNS(インスタグラムやツイッターなど)で、盛んに情報発信をしています。これらは、志望校を選ぶ際、大いに参考になるので活用しましょう。しかし、学校選びは皆さんの将来に関わる極めて重い選択です。ですから、実際に学校を訪れ、説明会や体験入学に参加するなど自身の行動によって得られる情報を欠かすことはできません。両方をうまく組み合わせて学校選びを進めましょう。

 

  •  ネット情報は玉石混淆

 玉石混淆とは、宝石(すぐれたもの)と石(劣ったもの)が入り混じっているという意味です。
 学校に関する情報についても、学校自らが発信するものや、新聞・雑誌・テレビなどマスコミが発信するもの、塾など民間会社が発信するものなどさまざまです。
 その一方、一個人の感想や、悪意に満ちた誹謗中傷なども散見されます。
 誰もが簡単に情報発信できる時代なので、どのような立場の人や組織が、どのような意図を持って発信した情報なのかを見極めることが大切です。
 不信に思ったり、疑問に思ったりしたときは、学校や塾の先生方、ご両親やご家族などに相談しましょう。
 

  • 進学イベントに参加する意味は

 ここ3年間、新型コロナウイルス感染症の影響で大規模な進学イベントが中止や規模縮小に追い込まれました。しかし、ようやくコロナも下火になったことから今年は多くのイベントが復活する模様です。
 後述しますが、各校が独自に実施する学校説明会への参加は、受験生にとって必須と言えます。それに対し、民間企業などが主催する進学イベントは、絶対に参加すべきとまでは言えません。ただ、個別の説明会では得られ
ない情報も収集できるので、可能な限り参加することを勧めます。 
 一番のメリットは、学校間の比較ができることでしょう。資料の展示の仕方、受験生への対応の仕方など、同じ条件下ではあっても、学校ごとの個性が現れます。集まっている中学生の雰囲気なども学校ごとに違っているかもしれません。
 気になる学校があったら相談コーナーで話を聞いてみましょう。学校選びの選択肢を広げる良い機会となります。

 

  • 学校説明会は計画的に

 学校説明会や体験入学などへの参加は、間違いのない学校選択をするために欠かすことができません。 

 ここ3年間はコロナの影響を受け、どの学校も実施回数は減らしていませんが、1回の参加人数を制限していました。
 今年度の実施方法は今の段階では分かりませんが、コロナ以前の「予約なし・人数無制限」には戻らないかもしれません。人数制限は緩和されたとしても、事前予約制は継続される可能性が高いと考えておいた方がいいでしょう。
 私立に比べて公立の説明会は回数が少ないので、機会を逃さないようにしましょう。高校の年間スケジュールはどの学校も似通っていて、日程が重複しやすいので注意が必要です。各校の日程は早めにホームページなどでチェックしましょう。
 公立に関しては県立総合教育センターのホームページに一覧表が掲載されます(昨年は6月下旬)。
 私立に関しては埼玉県私立中学高等学校協会のホームページに一覧表が掲載されます(昨年は5月初旬)。
 学校説明会では学校についての説明がより詳しく聞けます。先生方や在校生と触れ合う機会もあり、学校の雰囲気を肌で感じることができます。学校によっては授業や部活動の体験もできます。
 学校がまだ決まっていないという理由で参加を躊躇する人もいるようですが、説明会などに積極的に参加した方が自分の気持ちも早く決まります。早い学校だと5月、6月から始まります。

 

  •  文化祭も貴重な機会

 文化祭が志望校決定の決め手になったという受験生は多いものです。
 6月に開催する学校もありますが、最も多いのが普通科校の場合、9月です。専門学科校は就職活動との関係もあり10月以降となることが多いようです。開催日が集中しがちなので早めに情報をチェックしましょう。
 土曜授業を行っている学校の場合、そのうち何回かを一般公開していることがあります。
 皆さんにとって重要な情報は行動することで得られます。今すぐ始めましょう。

(文=教育ジャーナリスト 梅野弘之)

 

=埼玉新聞2023年3月10日付け「新中学3年生向け 入試対策特集」内3面=

 

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