埼玉新聞社 高校受験ナビ

<2022年県立御三家入試分析会編>Vol.1_英語の問題を分析

 「県立御三家」と呼ばれる浦和、浦和一女、大宮高校を志望する受験生に向けて今年2月24日に行われた令和4年度入試の英語と数学の問題を解説していきます。

 

令和4年度入試の問題は

こちら(リンク先は埼玉県教育委員会HPです)

 

今回は英語です。

 

 これは学校選択問題の大問3、長文読解の問題です。
 ぎっしりと英文で埋め尽くされています。だいたい750語程度ありますので、学校の授業では数週間~1か月かけて勉強する文量ではないでしょうか。これを10~15分で読んでいかなければいけないので、スピードが要求されます。さらに語注がたくさんあるので、初めて見る単語の意味も確認しながら読まなければいけません。
  時間内に読み取るためには、スピードと教科書で学んだ単語であればすらすら理解できるという高いレベルの単語力が必要になります。
 また、1つ1つの設問の内容や、難易度もシビアなものが揃っています。一般的なレベルの長文読解であれば、本文を全く読まなくても、問いを確認するだけで解ける問題がいくつもあります。ところが、埼玉県の学校選択問題は、問いの大部分は本文の内容をしっかり理解しないと解答できない問題が多いのです。

 

 埼玉県の特徴的な問題の一例を挙げてみます。

 

 問1は、本文の内容に関する次の質問に、英語で答えなさい、という問題です。英語で書かれた質問を確認すると、「なぜ日本の小学校では、初めての筆記用具として鉛筆が使われるのですか?」という内容です。
 本文を読まなければ何を答えればいいのか分かりません。図の赤線を引いた部分が鉛筆について書かれた部分です。しかし、ここには質問の答えは書かれていません。書かれないまま次の段落に移ってしまします。では、どこに書いてあるのかというと、4段落目の最後の方、青い線を引いた部分にズバリそのまま書いてあります。ここまでしっかり読まないと質問の答えが分からないということになります。
 また、学習指導要領が改訂されて初めての入試となりましたので、去年までは出題されていなかった学習単元が新たに出題されています。英語でいうと具体的には仮定法、現在完了進行形などです。そのような単元が今年新たに盛り込まれました。中学3年生の内容ですので、模擬試験でも取り入れられたのは終盤の方です。新しい単元は過去問には出てきませんから、入試対策としてきちんと取り組めていたかが大きな差を生んだと思います。
 

 続いて大問3の問6を見ていきます。

 

 先ほどの長文を英語で要約した文章に3つの空欄があるので、それぞれ2語で書きなさいという問題です。技術的には品詞を判断したり、前後のつながりを考えたりする解き方がありますが、一番多い作業は本文の内容を書き換えることです。書き換え方にもいくつか方法がありますが、シンプルなのは本文に書いてあることと対応させて答えを出す方法です。一番考えやすい方法で、(3)はこれで解くことができます。長文の最後の段落にある「It」が主語で書かれている文章(赤線部分)、これを「Tsuneo」を主語に置き換えて書けば良いということです。
 このような要約文の穴埋め問題は、例年、難易度の高い出題になります。習熟するためにはかなり練習を積み重ねなければなりません。この穴埋め問題は、毎年難しいので最初から諦める受験生も中にはいるようです。しかし、空欄全てが難しいということはあまりなく、どれかはできる問題になっています。年度によっては、2つは簡単だったということもありますので、完全にやらないという人は御三家受験者では、ほぼいないと思われます。

 

=スクール21入試情報センター「2022年県立御三家入試分析会編」より=

 

☆次回は、6月2日に
コラム「数学の問題を分析(1)」を配信します。

 

【関連コラム】

2022年高校入試報告会編

 

【関連コンテンツ】

令和4年度埼玉県公立高校入試解答速報(テレ玉2022年2月24日放送)

カテゴリー

よく読まれている記事

最新の記事

TOP