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<2022年高校入試報告会編>Vol.2_倍率でみる近年の人気校の傾向

 今年の埼玉県公立高校の入試の倍率を見ていきましょう。全体の平均倍率は、今年もいわゆる低倍率でした。倍率の平均は、普通科を見ると1.16倍、全日制では1.14倍でした。しかし、この低倍率はあくまでも全県の平均にすぎません。学校ごとに倍率は違います。 その倍率をしっかり確認する必要がありますよね。

 

 

 

◆私立と公立で異なる倍率の捉え方

  ここで倍率について、おさらいしましょう。倍率と言いますが、その捉え方は入試によって違います。例えば私立高校は、第1志望の方もいれば、県公立高校が第1志望で、併願先としているケースがあります。

 その場合、合格しても必ずその高校に入学するわけではないですから多めの合格者を出すこともあります。私立によっては定員の10倍の合格者を出す高校もあるわけで、この場合、倍率が10倍であっても、実質的には1倍ということになります。

 県公立高校の倍率の場合は、第1志望の入試になります。合格したら必ず入学することになりますので、倍率がそのまま正しい数値になります。

 県公立高校で1.2倍以上だと比較的高倍率という見方をするケースが多いです。倍率1.2倍ということは、定員100人の場合120人受験して20人不合格。結構厳しいですよね。

 1.5倍ですと、150人受験して50人も不合格。2.0倍ですと、200人受験すれば100人不合格。半分不合格ですから、相当厳しい入試だということが言えます。

 このように、倍率は、見方を知っておかないと、よく分からなくなってしまうケースがあります。

 

◆人気校のトレンド

 では実際に個々の高校の倍率、上位を見てみましょう。 まずは全日制の普通科だけのランキングです。

 

 1位から15校並べてみました。1位が市立浦和高校の2.06倍。2位は川口市立高校<普通科>の1.81倍。3位が浦和西高校の1.54倍。ここまでが1.5倍以上です。それ以下も並べると、15位でも1.34倍。なかなか厳しい入試ですよね。

 このランキングを見て、どういった高校が人気か解説します。

 まず紫色の文字で書かれた高校を見てください。全て市立と入っていますよね。実はここ数年、県公立高校の中でも市立高校が人気になっています。おそらく、設備が非常に良いとか、大学の進学実績が上がっているといった影響から、倍率が高い傾向にあるということを知っておく必要があります。

  そしてもう一つ、赤い星印がついている学校を確認してみましょう。もしかすると、皆さんが行きたい学校が含まれている可能性が高いのではないでしょうか。

 実はこの赤い星印は「学校選択問題」という難しい問題を入試で採用している学校です。一般的に人気があって、大学の進学実績も良いという高校がこの赤い星に含まれています。そういった学校はご覧の通り、ほぼ高倍率ということが言えます。

 

 

 次は、全日制の全学科の倍率ランキングです。普通科以外にも理数科や外国語科といった学科を含めたランキングになります。

 

 

 1位は所沢北高校<理数科>が2.4倍。そして2位は、大宮高校<理数科>2.23倍。そして3位は先ほどの普通科ランキングで1位だった2.06倍の市立浦和高校。ここまでが2倍以上という形になります。 

 全日制の全学科ランキングでは15位でも1.45倍でした。

  ここでは、理数科が大人気ということが分かります。これも数年来続いていることですが、多くの理数科が高倍率ということが言えます。

 

 また、外国語科は、グローバル化の進展に伴って、倍率が高い高校が多いということも知っておきましょう。

 それからもう一つ。13位に市立川越<情報処理科>、15位に越谷総合技術<情報技術科>が出てきます。この「情報」という名前が出てくるのは、一般的には商業系か工業系に関する学科にありますが、「情報」とつく学科は必ずどこかの高校で、あるいはいくつかの高校で倍率が高くなっているという状況が続いています。これはIT社会の進展による興味や関心がそちらに向いている方が多いからではないかと思います。

 

=スクール21入試情報センター「2022年高校入試報告会」より=

 

☆次回は、4月7日に

コラム「倍率だけでは読み取れない入試状況」を配信します。

 

【関連コラム】

<2022年高校入試報告会編>Vol.1_今年度(令和4年度)埼玉県公立高校入試の振り返り 

 

【関連コンテンツ】

令和4年度埼玉県公立高校入試解答速報(テレ玉2022年2月24日放送)

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