埼玉新聞社 高校受験ナビ

教育関係者対象説明会参加レポート⑩ 昌平高校

2025年6月20日配信

より深い学びへ「昌平・ボーダレス・プログラム」導入

 

 

 6月9日、昌平高校にて学習塾関係者を対象とした学校説明会が開催されました。会の冒頭で城川学園長より、今後の教育方針として「昌平・ボーダレス・プログラム」の導入が発表されました。また、今年度の進学実績として国公立大学81名、早慶上理98名、GMARCH193名の合格者を輩出したことが報告されました。

 

 着実に実績を伸ばしてきた昌平高校ですが、「生徒が本当に頑張ってくれた」とその努力を称えながらも、まだ道の途中であるとして、大学入試の多様化に対応すべく、来年度から新たな挑戦を始めるとの考えが示されました。

 

 「昌平・ボーダレス・プログラム」では、平日に正規授業を集約し、土曜日は探究活動や特別講座に活用する構成に変わります。さらに2学期制を導入することで、土曜日を授業から外しても学習時間をしっかり確保できる体制とするそうです。これらの改革の背景には、従来の座学だけでは対応しきれない大学入試への対応があります。特に推薦入試の枠拡大、英検活用の広がり、理系女子枠の新設など、今後の入試の流れに対し、生徒一人ひとりが自らの進路を切り拓けるような教育環境を整える狙いがあるとのことでした。

 

 進路実績に関する説明では、医学部医学科や東大などの難関国公立大学への合格者が増加している一方、準難関国公立大への進学が今後の課題とされ、推薦入試対策の講座をさらに充実させていく方針が示されました。これまで展開してきたパワー・イングリッシュ・プロジェクトや英検対策も効果を上げており、特に立教大学の入試では実績につながっているといいます。

 

 

 また、共通テストで「情報」の配点が上がる傾向や、私立大学でも情報科目の導入が進んでいることを受け、高1・高2の授業でこれに対応していくそうです。さらに、記述問題に対応するための課題添削にも力を入れ、「これだけやったんだ」と自信を持たせる指導を通じて、受験本番での粘り強さを養うとのことでした。

 

 IB(国際バカロレア)コースでの取り組みを全校での探究活動へと広げていく方針も打ち出されており、実際に「西パプアの独立運動と国際社会の介入」など大学水準のテーマに取り組む生徒が登場していることからも、学びの深さと独自性がうかがえます。IBコース生は全員が推薦入試で国内外の大学に合格しており、大学教員からの評価も高いとの報告もありました。

 

 こうした取り組みをもとに、「昌平・ボーダレス・プログラム」では昌平高校独自の探究活動が展開されていくとのことです。SDGsや地方創生をテーマに、英語を使ったグループワーク、IBの必修項目であるCAS(創造性・活動・奉仕)を織り込んだ学びなど、推薦入試でも差別化できる力の育成を目指しています。高1では探究の基礎を学び、高2でみらい甲子園に挑戦し、高3で個人研究に取り組む流れが紹介され、杉戸町と連携した「地方創生探究プロジェクト」も実施されているとのことです。

 

 また、T特選コース1年生と希望者を対象とした「リベラルアーツ探究」も始動しており、データサイエンスや文理融合をテーマに外部の専門家の力も取り入れながら、学びの幅を広げていく体制が整えられています。

 

 AIが日常に浸透するこれからの時代、「なぜ学ぶのか」に意味を見出し、大学や社会で必要とされる人材を育てていく昌平高校の取り組みは、今後も注目を集めそうです。(文・根岸孝之)

 

※このシリーズでは、教育関係者対象に開催された学校説明会についてレポートします(埼玉新聞社高校受験ナビ編集部)

 

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「手をかけ 鍛えて 送り出す」の教職員モットーのもと、「学力」と「人間力」を育成します。生徒がいかに多くの成功体験を持ち、達成感を得られるかを昌平高等学校の教職員はつねに考えています。学習、部活動、文化活動、学校行事など、様々な場面で生徒ひとりひとりに活躍の場を与え、成功に導くことが教職員の使命です。そして、生徒が将来の夢を叶えられるように、進学目標に応じて、教職員は一丸となってサポートしています。

 

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