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第98回選抜高校野球大会 花咲徳栄4強逃す

智弁学園(奈良)に8-12

 第98回選抜高校野球大会第9日は27日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝4試合が行われ、初の準決勝進出を目指した花咲徳栄は智弁学園(奈良)に8―12で敗れた。
 花咲徳栄は一回に奥野、中森の適時打などで6点を奪うと、二回にも奥野の適時打と押し出しで2点を追加した。序盤に8点をリードしたが、二回以降、失点を重ねて徐々に追い上げられると、五回2死一、三塁から二塁打を浴び逆転を許した。相手のエースが登板した三回以降に、花咲徳栄は得点することができず、試合終了となった。
 岩井監督は「これが甲子園。まだまだ勉強しなきゃいけないね」と甲子園を勝ち抜く厳しさを語った。

 

甲子園の厳しさ痛感

 初の4強に手が届かなかった。花咲徳栄は8点の大量リードを奪いながらも、計12失点で逆転負け。岩井監督は「ピッチャーには苦い経験になったと思うし、やっぱり甲子園は甘くない」と厳しい表情だった。
 序盤は完全に流れをつかんでいた。一回から打者11人の猛攻で6点を奪うと、二回には奥野の2打席連続適時打と押し出しで2点を奪取。二回までに8安打を集め、2回戦の日本文理(新潟)戦に続く圧勝の気配さえ漂わせていた。
 だが、そのまま引き下がる相手ではなかった。じわじわ差を詰められ、五回までに4人の投手をつぎ込み状況の打開を図ったが、五回に逆転された。甲子園初マウンドの3番手石田は「抜け球は少なく、調子は悪くなかった」と自らの投球をしたが、相手打線が上回った。
 「徐々にスタンドからの圧も感じた」と岩井監督。追い上げる者の背中を押すムードが球場内に高まる。智弁学園のアルプス側で守った一塁手の本田主将は「追われる立場でも冷静にいたけれど、さすが智弁学園の打線と感じた」と脱帽するしかなかった。
 徳栄の強力打線が全国に通用することを示した一方、投手層という明確な課題が突きつけられた一戦となった。「甲子園での勝利」を目標に掲げて始動した現チーム。本田は「日本一になるための練習をしなきゃいけない」と今回の敗戦を通じて、新たに明確な目標に視点を定めた。

 

苦しみの先に適時打

奥野

 2回戦まで8打数1安打と苦しんだ奥野が2本の適時打でチームに勢いをもたらした。一回1死満塁、いきなり訪れたチャンスに「強い気持ちで打席に立った」と内角の直球を右前にはじき返し先制打。その後、中森の適時打で4点目のホームを踏んだ。
 続く二回にも適時打を放ち、チームに貢献したが、相手のエース杉本からの安打がなかったことを悔やんだ。「甘い球が少なくていい球を投げるが、相手も同じ高校生なので絶対負けたくない」という思いはかなわなかった。
 父は鷺宮製作所で社会人野球を10年プレーし、8歳年上の兄は聖望学園の野球部OB。野球一家で生まれ、野球で勝ちたい気持ちは人一倍強い。「夏にもう一回戻ってきて、智弁学園にリベンジしたい」と雪辱を誓った。

 

継投も強打に捕まる

 左腕古賀は、県秋季大会地区予選以来の先発を任された。立ち上がりは落ち着いたマウンドさばきで一回をゼロに抑えると、二回の1死満塁のピンチも犠飛による1点で切り抜けた。しかし「要所でボール1球分、中に入って打たれた」と三回につかまりマウンドを降りた。
 全国レベルの相手打線は継投を重ねても止められず、最後の頼みの綱はエース黒川。五回途中からマウンドに上がり「中継ぎは慣れない。抜け球や引っかかった球があった」と本調子ではなかったが、後がない中で3失点で投げ切った。「夏までにもう一段階成長した自分を見せられれば」と悔しさを糧にする。

 

強い思いで初安打

DH中森

 DH中森が公式戦初安打となる2点適時打を放った。「自分だけ(安打が)出てなくて悔しかった」と強い思いを持って臨んだ第1打席。2死満塁から外角の直球をコンパクトに捉え、右前打で走者2人を生還させた。
 4点を追う七回には、味方打線が抑え込まれていたエース杉本から2本目の安打を放ち、代走に後を託して交代となった。「きれいなヒットじゃないけど(代走の)山田に渡せて、練習してきた形ができた」と甲子園の舞台で山田とのコンビワークに胸を張った。

 

仲良しコンビ活躍

中森選手と山田選手

 第98回選抜高校野球大会第9日は27日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝4試合が行われ、花咲徳栄は智弁学園(奈良)に8―12で敗れた。2安打2打点と活躍した花咲徳栄の中森来翔選手(17)、七回に中森選手の代走で出場した山田蒼二郎選手(17)は、今大会から導入されたDH制度によって出場機会をつかんだ。「夢のよう」―。三塁側アルプススタンドでは、中森選手の母幸さん(47)、山田選手の母愛子さん(49)と妹の桜子さん(11)が両選手の勇姿を目に焼き付け、声援を送った。

 

DH追い風に 家族「夢のよう」

中森来翔選手(左)と山田蒼二郎選手=26日午後、兵庫県尼崎市内の高校

 

 中森選手と山田選手は、昨年の秋季大会ではスタンドでチームを応援する立場だった。グラウンドでプレーする同級生や後輩たちの姿を見て、山田選手は「悔しかった」とこぼし、中森選手は「やる気を失っていた」と内心腐っていたことを明かした。
 中森選手は188㌢105㌔の並外れた体格と握力78㌔の怪力を生かした長打力が武器。しかし、守備に苦手意識があり、一塁手や外野を転々としていた。山田選手は50㍍走6・1秒の俊足を生かした走塁と外野守備が売りだが、小柄で打撃はパワー不足。2人とも優れた才能を持ちながら、出場機会をつかめずにいた。
 今春からのDH制導入が、彼ら一芸に秀でた選手の追い風となった。特に花咲徳栄はDHが打つ選手と走る選手の複数人を一体となって運用し、3月の練習試合から中森選手と山田選手は2人セットで試合に出るようになった。
 2人はグラウンド外でも大の仲良し。1年生の時は同じクラスで、いつも一緒に行動しているという。中森選手は2人で一つという意味で「にこいち」、山田選手は「恋人未満、親友以上」と絆の深さを語る。
 2人の母親もアルプススタンドで隣に並んで応援した。学生時代にソフトボール部に所属していた幸さんは野球が好きで、中森選手が幼い頃から野球をやる
ように願っていたという。「ずっとテレビで見ていた光景。夢のよう」と感激した様子だった。愛子さんは「泣いちゃう。親も目指していた舞台。蒼二郎と徳栄に感謝」と感極まった。愛子さんの横で応援に加わった桜子さんは「本気出してほしい」と兄の奮起に期待した。

 

スタンドから声援を送る(左から)中森選手の母幸さん、山田選手の母愛子さん、妹の桜子さん=27日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場

 

=埼玉新聞2026年3月28日付け1、7、15面掲載=

 

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