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高校野球埼玉大会 森士氏が振り返る 決勝は集大成の一戦

DH制 夏は投手に恩恵

 2021年夏まで浦和学院野球部の監督として30年間指揮を執り、現在は同校の副校長と、スポーツを通じた地域振興を目指すNPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブで理事長を務める森士(おさむ)氏が、第108回全国高校野球選手権埼玉大会を観戦した。長年、高校野球に携わり、埼玉県高校野球界をけん引してきた視点から大会を振り返る。

第108回全国高校野球選手権埼玉大会を振り返る浦和学院前監督の森士氏=26日午前、県営大宮

 

 ―大会を振り返っての印象は。
 「秋、春と決勝を争った浦和学院と花咲徳栄。次いで力がある昌平と山村学園。その後を追う立教新座、大宮東、上尾、西武台。このあたりの力のあるチームを中心に、実力校が勝つべくして勝った大会だった」
 ―決勝を観戦して。
 「今年の埼玉の高校野球の集大成といえる一戦だった。終盤までもつれる紙一重の戦いだったが、勝敗を分けたのは戦い方の差。花咲徳栄は準決勝以前を含め、決勝に向けた準備がうまかった。決勝でゲームリーダーとなる黒川君、佐伯君、岩井君らが力を発揮できた」
 ―花咲徳栄は今春のセンバツに続いての甲子園出場。
 「センバツを見て、順調にいけば決勝まで行ける力があると思った。春に甲子園で戦った経験があると違う。選手にも監督にも経験値がある。甲子園での戦い方を確立して、大いなる活躍に期待したい」
 ―聖望学園、浦和実、前回王者の叡明など甲子園経験校が早い段階で敗退。
 「埼玉全体のレベルが高いことを物語っている。聖望学園は昌平、叡明は浦和麗明にともに2回戦で敗れた。これから埼玉の勢力図をつくり変えようとするチームの勢いと、毎年勝ち上がる戦力を整えることの難しさを感じた」
 ―41年ぶり4強と立教新座が躍進した。
 「もともとポテンシャルは高いチーム。例年、中等部からいい選手が入ってくる。そこに4月に就任した黒須監督の機動力野球がうまくかみ合い、粗削りだった部分がチームとして一体感が生まれたように見える。秋以降が楽しみなチーム」
 ―指名打者(DH)制が導入されて初めての夏。
 「投手が休息を取れるのは大きなメリット。この暑さの中で、投げて打って、また投げるのは厳しい。春は打力の面で恩恵があったが、夏は投手のコンディションで功を奏した。今後はDH解除を含めてうまくルールを活用することが鍵となる」
 ―秋以降の勢力図をどうみるか。
 「先ほど挙げた立教新座に加え、今大会で下級生が多く経験を積んだ上尾、西武台などが注目校。長らく埼玉の高校野球をリードしてきた浦和学院、花咲徳栄の牙城を崩せるか。昨年の浦和実や叡明のように新風を巻き起こすチームが現れることを楽しみにしている」

 

=埼玉新聞2026年7月28日付け6面掲載=

 

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