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春季高校野球関東大会 山村学園4強 浦学、5年ぶり進出

春季高校野球関東大会 (24日・栃木県総合運動公園野球場)

 第4日は残りの準々決勝2試合を行い、浦和学院が明秀学園日立(茨城)に9―7で競り勝ち、山村学園は作新学院(栃木)を5―1で下し、ともに4強入りした。4強入りは、浦和学院が5年ぶり、山村学園が3年ぶり。
 山村学園は、山田翼が5安打1失点完投。一回1死二塁から坪井の左前適時打で先制すると、四回には、無死二塁から酒井の適時三塁打と千葉のタイムリーで2点追加し、六回にも2点を奪った。
 浦和学院は、10安打9得点で乱打戦を制した。5―5の六回1死二塁から大勝の左越え適時二塁打で勝ち越し。四球と内野安打で満塁とし、伊丹の中越え3点三塁打でこの回一挙4点を奪った。
 第5日は28日、宇都宮清原球場で準決勝を実施。浦和学院は山梨1位の山梨学院(10時)、山村学園は東京1位の関東第一(12時30分)と対戦する。

 

作新学院―山村学園 5安打1失点で完投した山村学園の山田翼

 

 投打がかみ合った山村学園が快勝した。山田翼が5安打1失点で完投。打っては、10安打で5得点を挙げた。
 一回1死二塁に坪井の左前適時打で先制。四回には、無死二塁から酒井が左中間に適時三塁打を放って追加点を奪った。続く千葉の右前適時打でこの回2点目。六回にも山田浩と山田翼のタイムリーで2点加え突き放した。

 

自信深めた背番号1

 山村学園4強進出の立役者は、間違いなく背番号1だ。エース山田翼が、5安打4奪三振1失点で完投勝利。「調子が良くてラッキーだった」と自信たっぷりな笑顔を見せた。
 「今日はピッチャーに尽きる」と岡野監督が称賛するほど、この日の山田翼の投球は、申し分ない内容だった。作新学院打線相手にに序盤から低めに球を集め、自身最速の137㌔を幾度もマーク。加えて、スライダーを効果的に駆使し、四回まで1失点。「ショートバウンドでもいいから低めに投げることを意識した」とコースを丁寧に突いた。中盤に入っても調子は落ちず、五回以降は1安打無失点に抑えた。
 中学時代は、川越ボーイズに所属。昨秋は背番号11だったが、「背番号1を取りたい」と冬場は、紅白戦で多くの実戦経験を積みエースの座をつかんだ。そして、準々決勝で完投と結果を残し、「やっとやってきたことが実になった」とほほ笑んだ。
 準決勝の28日は自身18歳の誕生日。「バースデー勝利したい」と記憶に残る記念日にするつもりだ。

 

2安打1打点 打線をけん引
酒井

 4番酒井が長打2本の2安打1打点で打線をけん引した。「追加点が欲しいから打ってやろう」と振り返った。1―0の四回無死二塁で迎えた第2打席。2球目の甘く入ったスライダーを捉えると、打球は左中間を破る適時三塁打で追加点。「前のランナーをかえす」と狙い通りの結果で4番の役割を果たした。
 初戦の市船橋(千葉)戦では、前を打つ3番坪井が2本塁打を含む3安打4打点で活躍。その結果に「坪井が打つなら打ってやろう」と負けじと快音を響かせた。

 

 

浦学 乱打戦制すも課題

 六回の4得点で勝ち越した浦和学院が、10安打9得点で乱打戦を制した。
 5―3の五回に2点を許し、同点に追い付かれたが、直後の六回1死二塁から大勝の左越え適時二塁打で勝ち越しに成功。四球と内野安打で満塁とすると、伊丹が走者一掃の中越え三塁打を放ち、点差を広げた。投げては、宮城と金田の継投でリードを守り切った。

明秀学園日立―浦和学院 6回裏浦和学院1死満塁、伊丹が走者一掃の中越え三塁打を放って追加点を奪う。捕手伊藤

 

 今春の選抜大会に出場した両校の対戦は、ともに2桁安打の乱打戦となり、勝負強さが光った浦和学院に勝利の女神がほほ笑んだ。森監督は「超攻撃野球と足でかき回せたのは良かった」と語った。
 しっかり振り抜く超攻撃野球に、春の県大会で磨いた小技がかみ合った。6―5の六回1死一、二塁。2番手に代わった相手投手の初球を、1番小林が意表を突くセーフティーバントで満塁とし、2番伊丹が打席へ。「犠牲フライでいい」と内角低めの直球をフルスイングで捉えた。打球は中堅手の頭を越え、走者一掃の適時三塁打で点差を広げた。
 10安打9得点と打線は奮起したが、守備で3失策、先発のエース宮城は5回7安打5失点と課題が残った。指揮官は「自分ができると過信している部分があったと思う。試合を経験して反省してもらいたい」と珍しく厳しい言葉を発した。主将の八谷は「厳しい戦いの中で、一球のミスが命取りになる。守備からやり直さないといけない」と準決勝までの短期間で修正を図る。

 

満塁機に打点 勝負強さ光る
伊丹

 チームがたたき出した計9得点中、半分以上が2番伊丹のバットから生まれた。計5打点を記録したのは、全て満塁の場面。2―2の二回は2死から「勝負強さが自分の役割」と左前に2点適時打を放つ。六回には、走者一掃の中越え三塁打で勝利を呼び込んだ。
 県大会では、打率5割3分3厘をマーク。昨秋は4番だっただけに「4番で勝負したい」という思いはあるが、「勝つためなら、2番でもいい」と、勝負強さと長打力を合わせ持つ脅威の2番打者として投手と対峙(たいじ)する。

 

=埼玉新聞2022年5月25日付け7面掲載=

 

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