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全国高校駅伝 結果

男子 埼玉栄4位入賞
女子は昌平15位

 男子第73回、女子第34回全国高校駅伝は25日、京都市のたけびしスタジアム京都発着コースで開催され、6年連続42度目出場の男子の埼玉栄は2時間3分35秒の4位で4年ぶりに入賞した。2年ぶり5度目出場の女子の昌平は、1時間10分49秒の15位でゴールした。
 男子の埼玉栄は、最長区間10㌔の1区小山が4位と上々のスタート。2区鍵山が順位を一つ、3区久保田が二つ落としたが、主将の4区本間が一つ上げて6位。5区松井が3㌔区間を8分39秒の区間賞の走りで4位とすると、6区佐藤が順位をキープした状態でたすきをつなぎ、アンカー吉田蔵がそのままゴールした。
 女子の昌平は、1区蛯名が22位でつなぎ、2区仲西が4人、3区後藤が2人を抜いて16位まで上昇。徐々に勢いに乗ると4区鈴木が二つ順位を上げ、1年生のアンカー成瀬が15位でフィニッシュした。

 

<男子>
埼玉栄 安定の走りで入賞

男子 区間賞を獲得した5区松井(左)から6区佐藤にたすきが渡る

意識高く 歴史新た

 師走の京都で安定した走りを披露した男子の埼玉栄が4位に入った。クリスマスに行われたレースで、4年ぶりに入賞というプレゼントを手にした。
 2時間3分35秒は、6位に入賞した2018年のタイムを24秒上回る学校歴代1位の好記録。2年生の5区松井が区間賞に輝くなど、実力を随所に示した。主将の本間は「実力者がそろう中、都大路に立って4位の結果は最低限の恩返しができた」と笑顔を見せた。
 序盤から流れをつくった。2年ぶりの都大路となった1区小山が2位集団につける。「けがで思っていたよりも苦しかった3年間。チームメートのために」と4位でたすきをつないだ。2区鍵山は「ここまで自分一人で走れなかった。監督と本間のおかげで走れる」と集団に食らい付く。留学生ら各校の強者が集う3区では、久保田が先頭と差が開きそうになるが「ここまで来られた思い、仲間と過ごした日々を思った」と粘り強い走りで7位に。
 レースが折り返しに差しかかると、さらに埼玉栄のエンジンがかかった。4区本間が一つ順位を上げ、5区松井は「1秒でも早く詰めていこう」と4位に上げる力走。6区佐藤は「(松井が)思った以上に上げてくれた。最低限の走りで(吉田)蔵之介先輩に」と区間4位の走りでアンカー吉田蔵へ。吉田蔵は「都大路で悔いなく、両親や監督に結果で見せたい」。仲間がつないでくれたたすきを止めることなく、競技場に戻ってきた。
 現チームのメンバーは、中学時代に各種目で優勝を経験した選手がそろっていた。神山監督は「志が高い選手が集まって、3年間順調ではなかったけど、最後はみんながそろってたすきをつなげたことがよかった」。結果以上に実のある高校駅伝を締めくくった。

 

有言実行 区間トップ
5区・松井

 埼玉栄の2年生松井が3㌔コースの5区で8分39秒を記録し、区間賞に輝いた。前日、神山監督に「区間賞を取ってきます」と堂々と宣言。まさに有言実行となった。
 4区本間から6位でたすきを受けた。「狙っていこうと思っていたし、10、20秒でも早く走れば後ろにゆとりができる」。序盤からスピードに乗ると前を猛然と追い、勢いそのまま6区佐藤に託した。
 11月の県予選後、左脚の大腿(だいたい)骨に痛みを感じて関東駅伝を欠場。1カ月間、治療に努めて都大路に臨んだ。
 向上心が高いだけに今回の結果は「自分的にはもっと速いタイム出せたし、区間新も狙っていた」と満足する様子はない。「1、2年生の選手も伸びてきているから次こそは、優勝を目指していきたい」と早くも来年を見据えていた。

 

<女子>
昌平 記憶に残る都大路

女子 2区仲西(右から2人目)からたすきを受け取った3区後藤は笑顔でスタートする

 

 駅伝発祥の地の京都で新生・昌平が、テーマの〝チーム力〟と最後の1秒まで力を出し切る〝しぼり〟を発揮。就任1年目の長谷監督は「準備してきたことを全部出してくれた。120点の出来」とたたえた。
 それぞれの思いが込められたたすきリレーとなった。1区は県予選、関東大会でアンカーを務めた蛯名を起用。箱根駅伝経験者の長谷監督が「粘り強いから、僕だったら一番相手にしたくないランナー」と自信を持って送り出した蛯名がスタートから先頭集団に食らい付く。登り坂になる3㌔付近から足取りが重くなり、第2グループとなるが「1秒でも早く渡さないといけない」と、精いっぱいの走りで22位でつないだ。
 主将の2区仲西の左腕には、3区後藤が書いた〝笑顔で、楽しむ、待っている〟の文字。「最後の都大路。楽しんで走りたい」と仲間のメッセージを力に変え、4人を抜く快走を披露した。3区後藤は「1秒でも早くつなぎたい。楽しい」と3年間、けがで苦しんだ分、夢舞台を謳歌(おうか)した。
 なだらかな下り坂が続く4区鈴木は「坂が坂と感じないくらい足が動いた」と軽快なリズムで前を追い、「チーム17人で一緒に走っている感覚」と仲間の思いを胸に後を託した。3年生4人がつないだたすきを受け取ったアンカー成瀬は「ここで負けたら先輩に顔向けできない」と、残り200㍍付近から猛追する世羅(広島)、鯖江(福井)を振り切って笑顔でゴールした。
 レース後、競技場に集まった選手たちの表情は笑顔。後藤は「18年間の中で、楽しさと苦しさが一番詰まった日になった」と記憶に残る都大路となった。

 

全国で見せた快走劇
2区・主将仲西

 チーム力を掲げる昌平を1年間引っ張った主将の仲西が2区で快走劇を見せた。
 22位でたすきを受け取ると「集団がいたので、一気に抜こうと決めた。ついていこうじゃなくて抜き切ることを考えた」。上り、下りのコースを軽快な足取りで進み、区間13位に入った。主将の走りに長谷監督は「さすがキャプテン。感動した」とレース後、グータッチを交わした。
 大学進学後も競技は続ける予定。「チームに貢献すると力が出る。この経験を生かしたい」とすがすがしい表情だった。

 

=埼玉新聞2022年12月26日付け1面、7面掲載=

 

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