東京六大学へ意気込む
昨年の第94回選抜高校野球大会でベスト4の浦和学院高3年生の進路が固まった。30人中、27人が卒業後も野球を継続する予定で、エース宮城誇南(こなん)投手と大内碧真内野手が早大に、主将の八谷晟歩内野手が明大に進み、東京六大学でプレーする。
浦和学院高から東京六大学の明大に進学する八谷晟歩内野手(中央)、早大に進学する宮城誇南投手(右)と大内碧真内野手=11日、さいたま市緑区の同高グラウンド
3年生が現役だった昨夏までの同高は選抜大会4強、歴代1位タイの県内4季連続優勝を飾った。その中でも主軸を担った3人は、それぞれの夢をかなえに六大学に挑戦する。
■ プロ目指すエース
「4年後、ドラフト1位候補の注目選手でプロに行きたい」。力強く宣言したのはエース宮城だ。2年春の選抜大会で3試合に先発して防御率1・15、27奪三振の好投でプロ注目に。スカウトが視察するなど高卒プロの可能性があったが、進学を熱望。「プロに行くなら即戦力を考えている。今のままでは通用しないから4年後に勝負した方がいい」。慶大と悩んだ末、同校と練習環境が近い早大を選んだ。「4年間はあっという間、無駄にしたくない」と勝負を懸ける。
■ 日本一の主将へ
一方で八谷は小、中学、高校で主将だっただけに「仲間からついてきてもらえる存在になりたい。大学でもキャプテンをやりたい」と目指す。新チーム始動時に主将を決める際は、選手たちから自然に名前が挙がるほど。気持ちを前面に出すプレーと言葉で引っ張ってきた。夢をかなえるためには「人間性を磨くしかない」と青写真を描いている。「プロを目指していきたいけど、選ばれなくても体が壊れるまで野球を続けたい」。4年後、成長した姿に期待したい。
■ 猛勉強で夢かなう
スポーツ推薦の2人と違い、大内はAO入試で合格をつかんだ。明大出身の父親の影響で幼少期から六大学に憧れ、昨夏の引退後に猛勉強。平日は午後11時まで塾に通い、帰宅後も机に向かい寝るのは、日付が変わった午前3時だったという。「六大学は花があるし、見ている人を引き付ける。そんな舞台で活躍したい」。強い思いがあったからこそ諦めずにつかみ取った。合格後は、週5日で後輩たちの練習に参加。「ベストナインなどタイトルを取りたい」と目標に向かって練習の虫になる。
■ 仲間から好敵手へ
3人は出身は違えど3年間、寮生活した仲間同士。大学からはライバルになる。八谷は「(宮城)誇南とは対戦したくない」と苦笑い。対する宮城は「対明治より対八谷の気持ちで抑えたい」と警戒。野手同士で直接対決の可能性は低いが大内は「八谷に勝ってぎゃふんと言わせたい」と意気込んだ。
30人中、27人が野球を続け、残り3人は海上保安学校などに進む。森大監督は「目まぐるしい時代の中、柔軟にできる資質が求められる。彼らが社会に出た時、生き抜けていける社会人になってもらうのが一番」とエールを送った。
=埼玉新聞2023年1月24日付け7面掲載=
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