久喜市清久町でサクラの名所として知られる清久工業団地内のサクラの木計68本にクビアカツヤカミキリによる被害が出ていたことが分かった。市内在住の高校生13人が調査、発見し、2日、結果を発表した。
クビアカツヤカミキリの被害について発表する高校生=2日午後、久喜市菖蒲町のショッピングモール「モラージュ菖蒲」
ワークショップは市、日本大学が連携し「次世代を担う若者に市の環境情報を届けたい」(同大学理工学部田島洋輔助教)と6月から実施したもの。環境への関心を促そうと取り組んだ調査によって、逆に自治体が大規模な被害を知ることにつながった。
クビアカツヤカミキリが食害したサクラ、ウメ、モモなどの樹木は枯死や倒木の危険を伴う。県内では、2013年以降、被害が拡大し、自治体が被害の発見、報告を呼びかけている。
ワークショップでは、生徒が大学生とともに地域の環境問題について学習。7月下旬、実際に清久地域で、クビアカツヤカミキリの被害について調査した。
生徒は、被害木やクビアカツヤカミキリの成虫、排出する糞(ふん)と木くずが混ざった「フラス」などを多数発見。スマートフォンで計205枚の写真データを撮影した。それまで複数箇所の被害しか認められていなかった地域で、新たに68本の被害木を確認した。スマートフォンの位置情報機能を使い、被害マップを作成した。
2日、市内のショッピングモールで開かれた発表会で、生徒は「清久さくら通り」沿いに被害木が集中していると調査結果を発表した。交流サイト(SNS)を通じて情報を発信したことも報告。「今後は継続的に調査し被害抑制を図りたい。調査ボランティアを募り、現地調査の質的向上を目指したい」とまとめた。
ワークショップに参加した県立久喜北陽高校の増田渉太郎さん(17)は「普段見ているサクラが危ない状況で守りたいと思った」、同久喜工業高校の渋井優輝さん(17)は「ワークショップに参加し情報を共有することが大切」など感想を話した。
=埼玉新聞2023年9月4日付け10面掲載=
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