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全国高校ラグビー 川越東 初勝利飾る

倉敷を22-13

倉敷―川越東 後半9分、川越東のフランカー小泉が突破を図る=28日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場

 

 ラグビーの全国高校大会第2日は28日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で1回戦10試合を行い、3大会ぶり2度目の出場の川越東が倉敷(岡山)を22―13で下して、全国大会初勝利を挙げた。
 川越東はFWとバックスが一体となった攻撃で流れをつかむと、前半4分にWTB石本が先制トライ。同9分にSO五十嵐のPGで追加点を挙げ、19分にはFB南雲のトライでリードを広げた。後半13分には、ラインアウトからつないでパスを受けたナンバー8高橋新がトライを奪った。献身的な守備で倉敷を2トライとPG1本に抑え、逃げ切った。
 川越東は30日の2回戦で、5大会連続13度目出場の光泉カトリック(滋賀)と対戦する(13時15分)。

 

聖地で新たな歴史

倉敷―川越東 後半13分、川越東のナンバー8高橋新が突破してトライを決める

 

 磨いてきたフィジカルを存分に発揮した川越東が、高校ラグビーの聖地で新たな歴史を刻んだ。倉敷を下し、全国大会初白星。望月監督は「初勝利ありがとう。勝って反省できることが何より幸せ」と選手たちをたたえた。
 相手タックルをものともせず、FW陣がラインを押し進めると、バックスも負けじと縦への強さを見せ流れをつかんだ。前半4分、ゴール前中央からプロップ寺山が「裏の選手のマーク以外は甘い。(石本)瑛なら取ってくれる」と守備の隙を突き、WTB石本にロングパスをつないで先制トライ。前半を15―0で折り返した。
 だが、「やっぱり簡単には勝たせてくれない」と指揮官。後半は相手のハイプレッシャーにてこずり攻撃の精彩を欠いた。それでも献身的なタックルで粘りの守備を見せ、同13分にナンバー8高橋新が後半1本目のトライを追加した。
 「自分たちの代で1勝をつかみ取れたのは大きい。でもこの勝利では満足できない」と共同主将の寺山。悲願のベスト16入りに向け、勝って兜(かぶと)の緒を締めた。

 

「特別なものになった」
ナンバー8 高橋新

 川越東の攻撃が失速しかけた状況で、ナンバー8高橋新が後半唯一のトライを奪い、勝利に貢献した。後半13分にラインアウトからSH高橋淳、SO五十嵐とつなぎボールを受けると「追加点が欲しいところで、理想通りの展開で取れた」と追加点を挙げた。
 埼玉大会では1度も得点がなかったが、この日は巧みなボールキャリーで4人をかわしてのトライ。「初トライが(花園でできて)特別なものになった。川越東の歴史に新しく記録を残せたのがうれしい」と笑顔が弾けた。

 

先制トライでチームに勢い
WTB石本

前半29分、川越東のWTB石本(左)が守備の間を割って突破する

 

 メンバー1快足のWTB石本が先制トライでチームを勢いづけた。ステップで次々と守備をかわし、倒されても前進し続ける突破力に観客がどよめいた。「迷ったら自分で行くと決めていた。うまくいってよかった」と強みのランを発揮した。
 3年前、川越東が初出場した花園大会をテレビで観戦。全国高校大会での同校初のトライシーンを見たことをきっかけに、高校からラグビーを始めた。「テレビで見た舞台に立ててすごくうれしい」と憧れの地での活躍を喜んだ。

 

=埼玉新聞2023年12月29日付け1、7面掲載=

 

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