Bシード
勢いそのままV奪還
5年ぶりに春4強入りを果たした勢いそのまま、掲げる「V奪還」をこの夏、実現できるか。今季限りでの引退を発表している本多監督は「いつもの夏を迎えるだけ。やるのは選手。任せるしかないし楽しみ」と選手の奮起に期待を寄せる。
春以降、守備力をさらに強化。慌てず試合を制す精神力に磨きがかかった。主戦はピンチに動じず平常心で投げ込む右腕松村。高い制球力で凡打の山を築く。1年前田や2年大野ら下級生左腕コンビも制球は申し分なし。投手陣が一戦一戦試合を組み立てる。
今季の春日部共栄打線は毎試合ヒーローが変わりそう。ミート力にたける器用な2番三田村に強心臓な4番平尾。長打力を備える6番高田らが好機を広げる打撃をここぞで発揮し、頂点まで着実に勝ち進みたい。
高い制球力で打たせて取る春日部共栄の右腕松村
Cシード
準備万全 打力で圧倒
「埼玉一の打撃力」をスローガンに掲げ、打ち勝つ野球で1985年の立教時代以来39年ぶりの甲子園出場を狙う。池田監督は「練習から細かいプレーを考えながらやってきた。勢いのある打撃で圧倒したい」と夏本番に向けて準備は整った。
打線の特長はどこからでも狙える長打力。初球から強振できる赤沢、足と小技が武器の小板橋が好機を築き、川村、藤井、戸張の中軸が一本でかえす。下位には春季県大会3回戦で代打逆転2ランを放った勝負強い中田らが控え、得点力は高い。
投手陣の柱は最速144㌔右腕の野川。力のある直球に加えて変化球のキレは抜群だ。制球力に磨きをかけた2番手松岡、3番手小島がエースの負担を軽減したい。左の技巧派椎野、右の下手投げ小岩井ら個性派も控え、勝負の夏に挑む。
鋭いスイングで広角に長打を放つ立教新座の3番川村
Dシード
2年生の成長が鍵に
夏は7年ぶりのシード。佐藤監督は16強に進出した秋季大会と春季大会で達成感に浸っていた選手たちを再度引き締めた。レギュラーの中心は3年生で固められているため、2年生の伸びしろが上位進出の鍵を握りそうだ。
課題に挙げた投手陣は6人前後が役割を全うする継投策になりそうだ。その中でも軸になるのは、2年左腕の伊藤。上背はないが、ダイナミックな投法で内角を強気に攻める。2年右腕の木部は130㌔台の直球で三振が奪える。
厚みが生まれた攻撃で投手陣をバックアップ。昨年からスタメンを務める1番の星は堅実な守備力に加え、今年は打撃面も成長した。3番で主将の吉村は練習試合では5割を超える打率を誇り、粘りの打力で打線をけん引する。
Dシード
「超攻撃」で巻き返し
秋4強、春16強と苦しむ昨夏の王者だが、積極的な走攻守で圧倒する「超攻撃野球」のスタイルは変わらない。森監督は「負けた時にもう一度はい上がるのがチームの伝統。誇りを持って最後までがむしゃらに戦いたい」と巻き返しを誓う。
経験豊富な野手陣は昨夏の甲子園出場者が1~4番に名を連ねる。小技から長打までが狙えるオールラウンダーの石田、月山が出塁し、前チームから主軸を担う三井、西田がかえす。春から調子を上げた垣内、落合の力強い打撃にも期待したい。
投手陣は持ち味の異なる実力派がそろう。エースは右の本格派鈴木由。力強い直球を武器に連投できる体力が魅力。左腕岡部との二枚看板で試合をつくる。右腕山崎は最速150㌔の速球派。テンポのよい投球で勢いに乗る1年伊藤も注目だ。
=埼玉新聞2024年7月8日付け7面掲載=
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