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【令和7年度入試】第1回進路希望調査から見た最終倍率予測【前編】 

2024年11月6日配信

普通科全体倍率は出願に向けて低下

 去る10月31日、埼玉県教育委員会から第1回進路希望状況調査の結果が発表されました。

 受験生の皆さんは、ご自身が志望した学校の倍率を、さまざまな思いでご覧になったと思います。

年内にもう一度進路希望調査(12月15日現在)が行われ、年明けにはいよいよ正式な出願となりますが、このままの志望校でいいのか、あるいは変更したほうがいいのかと悩んでいる人もいるかもしれません。

そこで今回の記事では、過去データをもとに今後の各校倍率がどのように変化していくかを推測してみました。

 

◆実際の出願時には全体倍率が低下

 まず全体倍率の今後の動向についてです。

 

 昨年、全日制の全体倍率は次のように推移しました。

 第1回調査   1.18倍

 第2回調査   1.13倍

 実際の出願  1.13倍

 ※ここで「実際の出願」というのは志願先変更前の倍率を指します。以下同じ

 

 希望者の多い普通科についても見ておきましょう。

 第1回調査  1.27倍

 第2回調査  1.19倍

 実際の出願 1.16倍

 

 以上のように実際の出願に向けて倍率が徐々に低下するのは毎年のことです。

 今年の場合、第1回調査では全日制全体が昨年より0.01ポイント低い1.17倍、普通科全体が昨年より0.01ポイント高い1.28倍でした。

したがって、今年も実際の出願の際には、全日制全体は1.12倍前後、普通科全体は1.17倍前後になると推測できます。

実際の出願に向けて全体倍率が低下するのは、公立から私立高校(県内・県外)に志望校を変更する人がいることや、全日制から通信制などに変更する人がいるためだと考えられます。

 

◆2倍超の高倍率校はなくなる可能性

今回、第1回調査で倍率が2倍を超えた学校(普通科)が7校ありました。

高い順に、市立川越(3.56)・川口市立(3.21)・市立浦和(2.78)・上尾(2.49)・越谷南(2.33)・浦和南(2.27)・浦和西(2.13)の各校です。

これら7校のうち浦和南を除く6校は、昨年同期も2倍を超えていました。では、昨年第1回で2倍超えだった6校は実際の出願に向けてどのように倍率が変化したのでしょう。

 数字は左が昨年第1回倍率、右が昨年の実際の出願倍率です。

市立川越 3.79 → 1.51

川口市立 2.48 → 1.24

市立浦和 2.82 → 1.82

上尾   2.11 → 1.16

越谷南  2.06 → 1.43

浦和西  2.08 → 1.45

 

 以上のように第1回では2倍超えだった学校も、実際の出願ではすべて1倍台に下がりました。最高は市立浦和の1.82倍、次いで市立川越の1.51倍、それ以外の4校はいずれも1.5倍以下となりました。

したがって、今年第1回で2倍を超えていた7校についても、その多くが実際の出願では1.5倍前後まで下がると推測できます。

 

 参考のため、市立川越と市立浦和について、第1回調査以降の倍率推移グラフは次のようになっています。例年ほぼ同じような推移を示していることが分かります。なお、赤字(赤点線)は過去5年間の平均変化により算出した今年の推定値です。

 

 

 

 

◆1.5倍超え高倍率校の今後の動向は

 第1回調査では前出7校のほかにも、高倍率だった学校(普通科)がいくつかありました。

 1.50倍以上であったのは、川越南(1.95)、大宮(1.93)、鳩ヶ谷(1.91)、川口市立・スポーツ科学(1.88)、大宮北(1.80)、蕨(1.77)、越ヶ谷(1.74)、所沢(1.71)、杉戸(1.71)、南稜(1.67)、志木(1.58)、浦和東(1.56)、所沢北(1.53)、川越(1.52)、不動岡(1.51)、浦和(1.50)、川口(1.50)の17校(コース含む)です。 

 では、これらの学校のうち、昨年同期も1.5倍以上だった11校の倍率推移を見ていきましょう。

 数字は左が昨年第1回倍率、右が昨年の実際の出願倍率です。

 

川越南  2.05 → 1.41

大宮   2.01 → 1.49

鳩ヶ谷  1.51 →  1.20

川口市立・スポーツ科学

                1.84 → 1.61

大宮北  1.69 → 1.40

蕨    1.92 → 1.51

越ヶ谷  1.96 → 1.44

所沢   1.89 → 1.51

南稜   1.59 → 1.35

浦和東  1.65 → 1.17

川口   1.68 → 1.40

 

 以上のように実際の出願でも1.5倍以上の高倍率を維持したのは川口市立・スポーツ科学、蕨、所沢だけです。

 大宮、越ヶ谷、川越南、大宮北、川口なども比較的高い倍率を維持しましたが、鳩ヶ谷、浦和東は普通科平均(1.16倍)近くまで下がりました。

 

 以上見てきたように、第1回調査時点で2倍以上、あるいは1.50倍以上の高倍率であった学校は、ここがピーク(最高)であり、さらに上がることはありません。また、実際の出願に向けて大きく下がる学校が多いことも分かっています。

 

 今回は第1回進路希望調査で高倍率だった普通科校についての参考情報をお届けしました。

 

教育ジャーナリスト 梅野弘之

 

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

 

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