男子走り高跳び 佐生(武南)が初優勝
(第1日、30日・平和堂HATOスタジアム)
全国高校総体(インターハイ)の陸上競技は、男子走り高跳び決勝で佐生凜太郎(武南)が2㍍07で初優勝を飾った。

大舞台 圧巻の跳躍

男子走り高跳び決勝 2㍍07をマークし、初優勝を飾った武南の佐生凜太郎=平和堂HATOスタジアム
男子走り高跳びは武南の佐生が2㍍07をマークし、全国高校総体初出場で頂点に立った。「びっくりした。表彰台までは行けるかなと思っていた。まさか優勝できるとは思わなかった」と頬を緩ませた。自己ベスト更新には及ばなかったが、圧巻の跳躍だった。
強く踏み切り、大きく足が返ってくる跳躍が持ち味。自由な練習環境で試行錯誤して身に付けたと胸を張る。バーが高くなるほど力む癖と向き合い、成功するイメージを描き、大舞台で跳んだ。
順風満帆だったわけではない。高校入学後は結果が出ず、2年生になる頃、左足首を痛めた。以降、納得のいく記録が出せない時期が続いたが、「インターハイで表彰台に立つことを考えながら練習してきた」と闘志を絶やさなかった。
中学3年時に出場した全国中学大会では20位。それ以来の大舞台で、憧れの表彰台に立った。「徐々に優勝の実感が湧いてきた。歴代優勝者に比べれば低い記録。これからは高いレベルで頂点に立ちたい」と優勝の喜びとともに今後の飛躍を誓った。
女子5000㍍競歩 土志田(春日部女子)初優勝
女子砲丸投げ 島田(春日部共栄)が7位
(第2日、31日・滋賀県平和堂HATOスタジアム)
女子の5000㍍競歩で土志田実桜(春日部女)が22分33秒27で初優勝を飾った。川上浬未(春日部女)は23分2秒09で4位に入賞した。
女子砲丸投げでは島田一花(春日部共栄)が12㍍89で7位に入った。
残り50㍍で大逆転

女子5000㍍競歩決勝2組 22分33秒27で制した土志田実桜(1)=7月31日、平和堂HATOスタジアム
「信じられない。うれしくて震えが止まらない」。女子5000㍍競歩を22分33秒27の自己新記録で制した春日部女の土志田は、最終盤の大逆転でつかんだ「日本一」の称号に感極まった。
独走していた昨秋の国民スポーツ大会(国スポ)覇者の逢坂(兵庫・市西宮)との差をじわりじわりと詰め、残り200㍍で勝負に出た。「失格になってもいいから。いくしかない」。警告の累積という不安を振り払い、ラストスパート。残り50㍍で抜き去った。
序盤は苦しい展開だった。ぴったり付いていくと決めていた逢坂の速いペースに後れを取り、離された。それでも「1位は駄目でも2位は絶対取る」と切り替えたことでペースが上がった。
無我夢中で足を運んでいる間に1位との差が縮まっていた。「必死すぎて差が縮まったことが分からなかった」。ペースを上げ始めた残り1㌔辺りの先生からの声がけで気付き、諦めていた優勝を、もう一度意識した。
全国総体を制した後は国スポに照準を合わせる。「今回の体験が今までの自分の中で一番の経験。今日の自分を追い越せるように日々努力したい」。柔和な笑顔の奥に闘志を燃やした。
仲間の声援受け4位に食い込む
女子5000㍍競歩の川上
女子5000㍍競歩でメダルを逃した春日部女2年の川上は「思っていたよりペースが速くて戸惑った」と悔し涙を流した。想像以上のレース展開に圧倒されたが、仲間たちの声援を受けて「諦めちゃ駄目だ」と奮い立ち、残り400㍍付近でギアを上げて4位に食い込んだ。
22分台とメダル獲得を目標に臨んだレースだったが、どちらもあと一歩及ばなかった。「どんな展開にも対応できるようになる」。課題の持久力向上に取り組み、来年はこの悔しさを晴らしに来るつもりだ。
気持ちが空回り
自分の力出せず
女子砲丸投げで7位入賞した春日部共栄2年の島田は「気持ちが空回りして思ったように自分の力が出せなかった」と下を向いた。力強く押し出す投てきができず、本来の姿を見せられなかった。
昨年出場した全国総体では予選敗退。今回は決勝の舞台まで勝ち進んだ。「1年で成長はできた。安定した記録を刻みたい」。最終学年となる来夏へ向けて気持ちを切り替えた。
女子100㍍ 初出場小宮(秋草学園)が3位
男子100㍍ 佐藤(西武文理)も3位
(第3日、1日・滋賀県平和堂HATOスタジアム)
男女計6種目の決勝を行い、女子100㍍で小宮璃音(秋草学園)が11分60で3位に入った。石川清麗(川口市立)は11秒73で5位、遠山あん(伊奈学園)は11秒82で8位。
男子100㍍では佐藤快衛(西武文理)が10秒35で3位となった。森脇悠翔(所沢北)は10秒45で8位だった。
練習意識 笑顔の快走

女子100㍍決勝 11秒60で3位に入った秋草学園の小宮璃音(中央)=1日、滋賀県平和堂HATOスタジアム
練習通りの走りを見せた秋草学園の小宮が女子100㍍で銅メダルを獲得した。初出場の全国大会で、しかも決勝の大一番で自己ベストを更新する11秒60を記録。「練習でやったことをそのままやることを意識したら、全然緊張せずに走れた」と笑顔があふれた。
もともとは緊張するタイプだったが、昨夏に出場した富士北麓大会が転機になった。持ちタイム上位者に対して自分の走りが通用しなかったことで、「負けてもいいから練習通りにやろう」と吹っ切れた。練習通りを意識することで徐々に状態が上向いた。
加速を重視し、前傾姿勢を維持することを課題に取り組んできた練習の成果を実感し、「自分らしく走れた」と胸を張った。
「タイムより順位」全国レベルを痛感

男子100㍍で3位入賞した西武文理の佐藤快衛
県、北関東王者として臨んだ西武文理の佐藤が10秒35で3位となった。鋭く出られるようにと改善してきたスタートが決勝ではうまく決まらなかった。「調子自体は悪くなく、タイムも良かった。予選でトップだったので悔しい」と振り返った。
全国の猛者と競い合う中で新たな課題も見つかった。地面を押すパワー不足を痛感し、体づくりを基礎から見直すと前を向く。「タイムより順位にこだわりたい」。悔しさを味わい、さらなるレベルアップを誓った。
後半に強い走り
自己ベスト更新 女子100㍍で5位
川口市立の石川
女子100㍍で川口市立2年の石川が5位に入った。持ち味の後半に強い走りで自己ベストを更新する11秒73の記録を残した。「練習通りにやることを意識した。うれしい」と喜んだ。
決勝では優勝した選手の隣のレーンを走った。日本一の走りを間近で感じ、「こんなに技術の差って違うんだ」と驚く。全国の力を肌で感じる貴重なレースとなった。
足が流れてしまった
女子100㍍で8位の遠山あん(伊奈学園)の話
力が入らず、後半に足が流れてしまった。メダルを取って、先生にかけてあげたかった。
悔しいが経験、自信に
男子100㍍で8位の森脇悠翔(所沢北)の話
初めての全国でここまで来られて楽しかった。悔しいけれど、経験、自信になった。
男子ハンマー投げ 八鍬(進修館)5位
(第5日、3日・滋賀県平和堂HATOスタジアム)
男女計4種目の決勝などを行い、男子ハンマー投げで八鍬瑞樹(進修館)が59㍍87を記録し、5位に入った。女子200㍍では小宮璃音(秋草学園)が24秒47で6位だった。
修正力の差を実感

陸上 男子ハンマー投げ決勝 59㍍87で5位に入った進修館の八鍬瑞樹=滋賀県平和堂HATOスタジアム
男子ハンマー投げは進修館の八鍬が59㍍87の5位でメダルを逃した。全国総体初出場の緊張感や後半の疲労で記録を伸ばせず、「自己ベストが出せなかった」と表情は曇った。
上位の選手との差は「修正力」と分析する。ファウル後の一投などで確実に好記録を出してくる全国の力を目の当たりにした。豪快さに繊細さを兼ね備えた投てきに磨きをかけるきっかけの大会になった。
カーブの走りがかみ合わず無念
女子200㍍6位 小宮(秋草学園)
女子200㍍は秋草学園の小宮が24秒47で6位に入った。100㍍の3位に続いての入賞だが、「カーブでうまくかみ合わなかった」と下を向いた。200㍍での出力が調整できず、納得のいく走りができなかった。
関西入り以降、体調が万全ではなかった状態でも準決勝で自己ベストの24秒22を記録したことには満足している。
=埼玉新聞2026年8月1日付け7面、2日付け8面、3日付け7面掲載=
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