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【全国高校総体】柔道 重量挙げ 陸上 自転車 結果

男子100㌔級 新井(埼玉栄)V2達成
重量挙げ男子102㌔超級 鈴木夏(埼玉栄)が準優勝

 全国高校総体(インターハイ)第12日は8日、愛媛県武道館などで行われ、柔道男子の個人戦で100㌔級の新井道大(埼玉栄)が、決勝で吉田燦太(三重・名張)に一本勝ちし、2連覇を果たした。同100㌔超級の坂口稜(埼玉栄)は、準決勝で牧野泰晟(熊本・九州学院)に敗れ、3位。
 重量挙げ男子102㌔超級の鈴木夏空(埼玉栄)は、スナッチ130㌔、ジャーク165㌔のトータル295㌔を記録したが、準優勝となった。

 

柔道

攻めの姿勢 隙逃さず

男子100㌔級決勝 名張・吉田燦太(下)を破り、優勝した埼玉栄・新井道大=愛媛県武道館

 

 圧倒的な強さで頂点に立った。柔道の男子個人100㌔級決勝で、新井が吉田から内股で一本を奪い、2連覇を達成した。7日の団体戦で準々決勝敗退という悔しい結果に終わり、「やってやろう。必ず連覇する」と気合を入れ、個人戦に臨んだ。
 準々決勝まで一本勝ちで駒を進めると、準決勝は粘り強く優勢勝ち。驚かされたのは決勝だ。開始早々、「みんなのためにも勝たないと」と攻め込む。相手の重心がずれたのを見逃さず、技を仕掛け、わずか30秒で優勝を決めた。
 今大会、団体を合わせた9試合中8試合で一本勝ち。「常に狙っている。投げて決める柔道が理想。きょうはまだまだ」と満足はしない。川原監督は「ここは今後の活躍のための通過点。頼もしい限り」とねぎらった。
 5歳で柔道を始め、小学6年のときに埼玉栄中の練習に参加。そこで初めて「かっこいい。強くなりたい」と柔道にのめり込んだ。3月の選手権大会では一本負けを喫した。「頑張っても勝てない」と心が折れそうになった。
 だが、両親から「今までの栄光は全部忘れて、一から新井道大をつくり直そう」と諭された。技をつなぐことを意識し、練習では今まで以上に声を出し続けた。「成果はほんの少し出せたかな」と、自分に厳しい王者だが「世界で戦えるように」と未来を見据え、今後も成長を遂げていく。

 

男子個人100㌔超級3位の坂口
終盤 油断を反省

 柔道男子個人100㌔超級の坂口は、準決勝で牧野に一本を奪われ3位。「優勝しようと思っていたのに負けてしまい悔しい」と話した。3月の高校選手権無差別級で優勝し、個人として初めて挑んだインターハイの舞台だった。
 準決勝では、相手に指導が入り、迎えた終盤で「技をかけられ、最後は諦めてしまった」と油断を反省。10月に行われる講道館杯に向けて「優勝のために、練習も筋力トレーニングにも今まで以上に打ち込む」と気合を入れ直した。

 

男子団体埼玉栄 準々決勝で惜敗
執念の一本も及ばず

 柔道男子団体は埼玉栄が準々決勝で大牟田(福岡)に惜敗。川原監督は「一生懸命やらなかったやつはいない」と肩を落とす選手たちを励ました。
 3月の選手権大会で敗戦を喫した相手との再戦。中堅杉野が優勢を取られ、0―1で迎えた副将戦。ここで新井は「自分は絶対一本勝ちじゃなきゃ」と投げ技を仕掛け、残り5秒で執念の一本を取った。リベンジの勝利にあと一歩。だが、大将戦ラスト10秒で、峰が押し出された際に場外指導を取られ、試合は1―2で幕を閉じた。
 7月の金鷲旗で初の全国制覇を果たし、勢い十分だった埼玉栄の選手らの目には大粒の涙が伝った。新井は「甘かった。まだ個人もある。悔いの残らない戦いを」と気を引き締めた。

 

重量挙げ
好戦で会場沸かす

男子102㌔超級 トータル295㌔で準優勝した埼玉栄・鈴木夏空=新居浜市市民体育館

 

 男子重量挙げ102㌔超級で鈴木夏が、従来の大会記録を上回るトータル295㌔で準優勝を果たした。「埼玉栄として全国に名前を刻みたかったから悔しい」。好記録だったが、ライバルの塚田(栃木・小山南)のトータル299㌔に一歩及ばなかった。
 大会記録を塗り替え合う好戦が会場を沸かせた。スナッチで鈴木夏が「最後の高校総体だから優勝を狙う」と大会記録タイの130㌔を挙げると、続く塚田が134㌔の新記録。ジャークでは2回目で塚田が165㌔を失敗した。「プレッシャーをかけて勝ちに行こう」と、鈴木夏が3回目で165㌔を先に成功させ大会記録を塗り替えたが、塚田も成功させ僅差で敗れた。
 鈴木夏空(こあ)の名前はハワイ語の「勇敢な」という意味から、「強くなるように」と名付けられた。父は全日本選手権で9度の頂点、アジア大会で3位になったことがある鈴木和美さん。父に憧れ、弟の星空(ほく)とこの世界に飛び込んだ。
 「父は数年前まで日本記録保持者だった。今度は絶対に自分が塗り替える」と名前の通り、力強く夢に向かっていく。

 

陸上・自転車

男子円盤投げ 益井(西武台)が準優勝
男子3000㍍障害 本間(埼玉栄)6位入賞

 全国高校総体(インターハイ)第11日は7日、徳島県の鳴門ポカリスエットスタジアムなどで行われ、陸上の男子円盤投げで益井晴輝(西武台)が47㍍30をマークし、2位。同3000㍍障害の本間颯(埼玉栄)は9分10秒84で6位入賞した。女子1600㍍リレーの大宮東(松野、長島、イレチュク、山内)は3分51秒62で7位。
 自転車の男子個人ロードレースは、アルーナサリス良利(杉戸農)が2時間10分32秒で5位。柔道男子団体の埼玉栄は準々決勝で大牟田(福岡)に1―2で敗れた。

 

不安払った勝負強さ

男子円盤投げ決勝 47㍍30で準優勝した西武台・益井晴輝=鳴門ポカリスエットスタジアム

 

 投てき競技に心血を注ぎ「自分が一番投げるんだ」と円盤投げの決勝に臨んだ益井が、47㍍30を記録し準優勝を果たした。「羽尾監督に金メダルをかけたかったが、メダルだけでも十分」と納得の表情を見せた。
 高校生ランキング2位で挑んだ今大会。決勝は「不安もあって勝負を仕掛けられなかった」と最初の2投がファウル。2投目は49㍍を越す好投で、赤い旗が上がるまで線を踏んだことに気が付かないほど良い形で投げられていた。「あれは可能性を感じる大きい一発だった」と悔しそうに振り返った。
 後がない3投目。ここで決めなければ入賞はない。持ち前の勝負強さを発揮し、「大きく円盤を動かして投げよう」と冷静な投てきで2位につける記録を出した。入賞を決め、益井は気合の鉢巻きを頭に巻き、深呼吸で気持ちを整えたが、3投目以外全てファウルに終わった。
 1位の記録は益井の自己記録圏内で「投げられる距離だったから悔しい」。だが、西武台の同競技最高順位を塗り替えた。今大会の陸上の県勢として最上位の結果を残し、「応援してくれた人に恩返しができた」と晴れやかな表情で会場を後にした。

 

女子1600㍍リレー 大宮東7位
粘りの走りで笑顔

女子1600㍍リレー決勝 大宮東の2走長島(8)が3走イレチュクアマカにバトンを渡す

 

 女子1600㍍リレーは大宮東が7位入賞。同校は同種目で初の決勝進出だった。1年イレチュクアマカは「初めて全国に出れて、緊張もあったが(記録を更新できて)うれしい」と照れ笑い。
 決勝は1走松野が先頭に離され、追うレースに。2走長島が「1秒でも速く」と無我夢中の走りで3走イレチュクアマカにつなぎ、4走山内に8位でバトンが渡った。山内は「どこまでいけるか」と前に食らい付くと1人を抜き、6位に迫る粘りの走りを見せた。
 タイムや結果には悔しさが残るが、松野は「目標の決勝で楽しめてよかった」と語ると、4人からは笑顔があふれた。

 

=埼玉新聞2022年8月9日付け7面掲載=

 

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