2021年12月10日配信
埼玉県教育委員会が
令和4年度入試「採点に関する原則」を発表
11月30日、埼玉県教育委員会は令和4年度公立入試の「採点に関する原則」を発表しました。
自分の答案がどのような原則に基づいて採点されるかは、これからの勉強を進めて行く上で大事な情報です。ぜひ確認しておいてください。
埼玉県教育委員会の発表は→こちら
◆部分点は各学校の裁量
各教科の問題の中には、「部分点を認める」とされている問題があります。
どの問題が「部分点を認める」問題であるかは、埼玉県立総合教育センターのホームページに、3年分の過去問題とともに掲載されている「採点の手引き」内の「採点上の注意」を参考にしてください。記述・論述形式の問題や作図問題などが「部分点を認める」問題とされています。
埼玉県立総合教育センターHPは→こちら
具体的な部分点の与え方は、学校により異なります。いわゆる上位校ほど基準は厳しいと言われていますが、詳細は公表されていません。
注意したいのは、「部分点を認める」と示した問題以外の問題についても、各学校の裁量で部分点を認めてよいとされている点です。
前年までの資料を見ると、記号選択式の問題などで二つを選ぶような場合や、記号と語句を組み合わせて答えるような場合は、両方合って正解とみなされますが、学校によっては、どちらか一方が合っていれば部分点を与えることもあるようです。ただし、そのような「ゆるめ」の採点をしている学校はそれほど多くはないでしょう。
◆漢字間違いは減点?
採点の原則では、「ひらがな」で書くべきところを「カタカナ」で書いたり、「カタカナ」で書くべきところを「ひらがな」で書いた場合は、「各学校の裁量により正答と認めて差し支えない」としています。「正答とみなされる」わけではありません。「正答とみなす学校があってもよい」としているだけです。問題をよく読み、必ず指定された「かな」で書くようにしましょう。
漢字で書けるところを「ひらがな」等で書いた場合も同様です。正答と認める学校もあれば、正答と認めず減点する学校もあります。たとえば、社会科で「大西洋」を「たいせいよう」と書いたらどうでしょう。「大」は小1、「西」は小2、「洋」は小3で習いますから、「漢字で書けるところ」に該当します。ですから完全に×にされないまでも、減点される可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。教科書に漢字で書かれているものは、そのまま漢字で覚え、正しく書けるように練習しておきましょう。
◆誰が見ても判読できる答案に
筆者はかつて公立高校の教員をしていたので実際に採点に関わったことがあります。その際、非常に困ったのが、字が乱暴だったり、非常に小さかったり薄かったり、また、極端なクセ字だったりして判読が困難なケースでした。採点者は、あなたの特徴や傾向やクセをまったく知りません。ただ目の前の文字や数字や記号だけで判断するしかありません。誰が見ても判読できるよう文字や数字や記号は正しく丁寧に書くようにしてください。
(教育ジャーナリスト 梅野弘之)
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
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