昌平は試合開始早々に連続失点するなど青森山田に4失点を喫して敗れた。
昌平は前半2分に小沼のゴールで先制される。同4分にFKの流れから小泉に押し込まれて追加点を許すと同19分にも失点。後半4分に4点目を奪われると、フォーメーションを変更。ボールを保持してゴールに向かう動きを増やしたが、無得点に終わった。
壁越える難しさ痛感
青森山田―昌平 後半20分、昌平の小田(9)が右クロスに飛び込むがGKにキャッチされる
昌平は2試合連続の劇的な勝利で手にした自信と勢いを背に準々決勝へ臨んだが、青森山田の気迫にのみ込まれて4失点。またしても8強の壁を乗り越える難しさを味わった。
今季3度目の顔合わせで、直近の11月に行われた試合では2―2で引き分けた。この経験を踏まえて村松監督は「先行するイメージで前半から自分たちの流れでいきたかった」。だが、青森山田の圧力は予想を大きく覆すものだった。
前半2分に先制されると同4分、同19分と立て続けに失点。同37分に2試合連続ゴールの長璃を早めに投入するが攻撃のリズムが築けない。土谷は「みんながボールに寄り過ぎてしまってゴール前の人数が少なかった」と得点までの道筋を描けなかった。後半も4分に4点目を許すと、相手の屈強なフィジカルと組織的な守りを打開することができなかった。
昌平の戦いは準々決勝で幕が下りたものの、2試合連続で後半終了間際に長璃が同点弾を決めてPK戦で勝利するなど、これまでとは違う新たな勝負強さを見せた。
試合後、ロッカールームで村松監督は「2、3回戦で勝たせてもらい、このメンバーで優勝できるかもしれないと見せてもらった。ありがとう」と選手たちに感謝を伝えた。戦いを終えた指揮官は未来への可能性を信じて浦和駒場スタジアムを後にした。
突破力生かし積極姿勢
西嶋惜しいシュートも
後半12分、昌平の西嶋(中央)が相手選手をかわす。左は田中瞭
昌平の〝切り札〟として勝利に貢献してきた西嶋の投入は、3失点後の前半23分に訪れた。「厳しい試合だと思って見ていた。自分が入ったら勝ちに行くだけだった」と劣勢の雰囲気を打開すべくピッチに送り出された。
後半11分には、武器である突破力を生かして右サイドからエリア内に侵入し惜しいシュートも放った。相手ゴール前で積極的に仕掛け「自分の得意なドリブルは出すことができた」と攻撃の中心を担ったが1点が遠かった。
今大会で強いインパクトを残した背番号13だが、卒業後は美容師の道を目指し、専門学校へ進む。試合後には目に涙を浮かべながらも、「楽しかった。これで自分のサッカー人生は終わったので、悔いはない」と最後はやりきった表情で次の夢へ決意を固めていた。
最後まで貫いたキャプテンシー
ゲーム主将 佐怒賀
昌平の佐怒賀(さぬか)は、最後までゲーム主将としてチームを引っ張った。「応援してもらった人のため、(石川)穂高のためにも優勝したかった」と悔しさをにじませた。主将の石川が昨年7月にけがでチームを離脱し、埼玉大会からキャプテンマークを巻いて出場してきた。
準々決勝の青森山田戦では、4点ビハインドの状況になっても「逆転できると思って気持ちが切れることはなかった」と試合終了の笛が鳴るまでピッチで仲間を鼓舞し、統率力を発揮した。
=埼玉新聞2024年1月5日付け13面掲載=
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