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全国高校柔道選手権 結果

男子60㌔級 磯野(埼玉栄)準優勝
男子団体 埼玉栄 4強ならず
女子団体 埼玉栄は初戦敗退

 

 柔道の全国高校選手権第1日は20日、東京・日本武道館で男女の個人各5階級が行われ、男子60㌔級の磯野隆太郎(埼玉栄)が準優勝した。磯野は準決勝で久能桐馬(神奈川・光明学園相模原)に一本勝ちしたが、決勝では田窪剛共(島根県・開星)に優勢で惜敗した。
 準々決勝で同66㌔級の粕谷徹心(大宮工)は久保龍之介(佐賀北)に、同無差別級の峰優月(埼玉栄)は畠山凱(東京・国士舘)に敗れ、4強入りはならなかった。最終日の21日は男女の団体戦が実施され、埼玉からはともに埼玉栄が出場する。

 

意識変え精神強化

男子60㌔級決勝 準優勝した磯野隆太郎(手前)が技を仕掛ける

 

 男子60㌔級の磯野は田窪(島根・開星)との決勝で惜しくも敗れ、準優勝となった。技ありでの敗戦に「攻めきれなかったことに悔いが残る」と涙が頬を伝った。
 決勝は素早く相手の襟をつかんで攻め立てたものの、「切らしてはいけないところで気持ちが切れた」と技がかかり切らなかった隙を狙われた。「まだまだ成長できる部分があると感じたのが唯一の収穫」と厳しく振り返った。
 前回大会は2回戦で敗れた相手が勝ち進み、そのまま優勝。悔しさから1年間、精神面の強化を図り「今までやらずに逃げることがあったが、先生や両親が厳しく言ってくれた。やっとありがたみが分かった」と周囲の後押しを力に変えた。
 「意識が変われば方法も変わる。今までで一番良い準備ができた」と、全6試合で果敢な攻めを続けた成長に胸を張った。個人での全国出場は今大会で5度目。まだ見ぬ頂点を見据え、「日本一にならないといけない。インターハイで絶対優勝する」と力強く誓った。

 

 

全国8強入り 表情に充実感
男子66㌔級・粕谷

 男子66㌔級の粕谷は全国初出場で8強入り。「正直自分の力がどれくらいか分からなかったが、ここまで勝てたんだという自信がついた」と充実の表情を見せた。
 3回戦までは粘り強く前に出続ける理想の柔道を発揮したが準々決勝では技がかかり切らなかった。「最後、勝ち切れる技が必要。ベスト4の舞台に立てるよう追い込んでやっていく」と気を引き締め、会場を後にした。

 

ミスが命取り 団体戦全力で
男子無差別級・峰

 男子無差別級の峰は個人では初出場となった全国大会を「団体戦と全く違う。一つのミスが命取り」と振り返った。
 峰のペースで進んだ準々決勝だったが「同じ技で大丈夫かと思ったら変化してきた」と一瞬の隙を突かれて背負われ4強入りを逃した。団体戦にも出場する峰は「勝つのが最優先。3分間全力で勝ち切って絶対優勝する」と言葉に力を込めた。

 

チームで挽回を
女子57㌔級・島野芽李(埼玉栄)の話

 もっと先に自分が技をかけられていたら良かった。あすの団体の相手は自分より階級が上。個人で負けたのを挽回できるようチームで勝っていきたい。

 

IHへ良い経験
女子無差別級・山城南都(川口市立)の話

 スピードだけでは勝てないと分かっていたが試合で対応できなかった。体格差がある力強い選手と戦えて、インターハイのための良い経験になった。

 

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 柔道の全国高校選手権最終日は21日、東京・日本武道館で男女の団体戦が行われ、5選手による点取り戦で争われた男子の埼玉栄は準々決勝で国士舘(東京)との接戦を0―1で落とし、4強入りを逃した。国士舘は決勝で東海大相模(神奈川)を2―0で下した。
 3選手による点取り戦で行われた女子の埼玉栄は1回戦で生光学園(徳島)に0―3で敗れた。優勝は柳ケ浦(大分)。

 

絆で迫り「次は勝つ」

男子団体準々決勝 国士舘―埼玉栄 埼玉栄の次鋒(じほう)堀(右)が投げを仕掛ける

 

 男子の埼玉栄は準々決勝で国士舘に惜敗。川原監督は「この悔しさを忘れず必ずやり返さなきゃいかん」と悔し涙を流す選手らを鼓舞した。
 副将の峰まで引き分けでつないだが、大将戦で僅差により敗れた。大将堀口は「取りに行かなきゃいけなかった」と消極的と判断された試合運びを悔いた。
 大会2週間前に、埼玉栄中の関野コーチが立案した、とにかく声を出し全員が限界を超える練習「関野鬼トレデンジャラス」で団結力を強化。国士舘をあと一歩まで追い詰め、峰は「個々では劣るが全員なら届かない壁じゃない」と実感。絆で強豪に迫り、確かな手応えをつかんだ。
 男子団体で埼玉栄の日本一は昨年の金鷲旗ただ一度。峰は「次は必ず栄が勝つ」と力強く頂を見据え、高校総体と金鷲旗での2冠を宣言した。

 

「甘さ出た」再起を誓う

 女子の埼玉栄は初戦敗退。早すぎる幕切れに小林監督は無言で会場を後にした。先鋒(せんぽう)小池と中堅島野が一本を取って1年の大将原に回す必勝リレーが発揮できず。小池は「きつくなった時に心が折れる甘さが出た」と下を向いた。
 2006年に女子の団体戦が種目に加わってから全大会に出場(団体中止の3大会を除く)。過去5度頂点に立つも、15度目の出場で初の1回戦負けを喫した。島野は「今まで先輩たちが成績を残してきたのに情けない」と歯を食いしばり再起を誓った。

 

=埼玉新聞2023年3月21日付け11面、22日付け12面掲載=

 

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