昌平が初戦敗退
尾道(広島)に5-24
(第1日、23日・熊谷ラグビー場)
1回戦16試合を行い、開催県枠で6大会ぶり2度目の出場を果たした昌平は尾道(広島)に5―24で敗れ初戦敗退となった。
昌平は尾道のスピード感ある攻撃に手を焼き、主導権をつかみ切れなかった。後半は攻守で立て直しを図ったが、0―14の後半15分に1トライを返すのが精いっぱいだった。
第2日は24日、熊谷ラグビー場で2回戦と敗者戦の計16試合を行い、昌平は敗者戦で青森山田と対戦する(12時開始予定・熊谷ラグビー場Bグラウンド)。
昌平は尾道のスピードに出ばなをくじかれ、後塵(こうじん)を拝した。 昌平は試合序盤に守備のほころびから一気にゲインされると、前半10分、12分に立て続けにトライを許した。0―14の後半15分、FB宮本とフランカー中尾でゴールライン15㍍手前までゲイン。相手反則から速攻を仕掛けたSO小林がトライを奪ったが、反撃もここまでだった。
連係の強化誓う
尾道―昌平 後半15分、昌平のSO小林(左から2人目)がトライを奪う=熊谷スポーツ文化公園西グラウンド
全国常連校に互角に競る場面もあった昌平だが、連係面で経験の差が出た。船戸監督は「取れるところで取り切れなかった。相手はやっぱり速くて勢いにのまれた」と相手の速さに押し負けた試合を悔いた。
試合開始早々、守備のほころびから相手に簡単にゴール前に攻め込まれ焦りが広がった。主将のSH白鳥は「一人一人が精いっぱいになってばらばらになってしまった」と攻撃の陣形も崩れミスからボールを手放した。
「コミュニケーションを徹底しよう」(白鳥)と臨んだ後半15分には、FB宮本が中央ライン右側から約20㍍前進。フランカー中尾がゴール手前15㍍まで持ち込んだ。相手反則で試合が止まると「守備がFWに気を取られている」とSO小林が冷静な判断で速攻を仕掛け、この日唯一のトライを決めた。
接点や走力が全国で通用した一方、得点につなげるための連係で正確さを欠いた。小林は「今年は縦で勝てる分、コミュニケーションの部分を変えていきたい」と特徴を生かし切るための強化を誓った。
攻守に奮闘 献身さ光る
ロック香曽我部
昌平のロック香曽我部が初の全国の舞台で奮闘した。前半は相手のダブルタックルで足を止められ「絶対にやり返そうと決めていた」と、後半は果敢なタックルで相手を阻み、攻撃では相手を引きずりながらラインを押し上げた献身さが光った。
身長180㌢の高さと体の強さを生かしたボールキャリーを武器とするFWのキーマンの一人でグラウンドでの存在感は大きい。敗者戦に向け「もっとゲインラインを突破してチームを盛り上げていきたい」と積極的な働きに期待がかかる。
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ラグビー部保護者会「一緒に花園へ」
(左から)昌平ラグビー部保護者会の諸橋浩司会長と船戸彰監督から、日本航空石川のシアオシナイ監督と上久保大志部長に義援金が渡される=22日午後、熊谷ラグビー場
昌平ラグビー部保護者会は22日、1月の能登半島地震で被災した日本航空石川へ義援金として20万円を寄付した。保護者会が主導で「Pray for Noto」と書かれた支援Tシャツを作製。保護者や選手が購入し義援金を集めた。
両校は昨年9月に岐阜県で行われた中部大春日丘(愛知)なども参加する合宿でともに汗を流した仲。保護者会の諸橋浩司会長は「子どもたちが日本一を目指すなら、日本一の保護者でありたい。日本航空石川とは一緒に花園に出場して上で争いたい」と思いを込めた。
日本航空石川のシアオシ監督は「本当に感謝の気持ちしかない」と謝意を述べた。同校の校舎や寮はいまだ断水状態。建物には亀裂が入り窓が割れいつ戻れるかも未定な中、東洋大の寮や練習場を借りるなどして全国選抜大会に挑む。
=埼玉新聞2024年3月23日付け6面、24日付け9面掲載=
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