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全国高校駅伝県予選 埼玉栄 男女堂々の頂点

 全国高校駅伝県予選(埼玉新聞社など後援)は1日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場および周辺の特設コースで行われ、63校(1校棄権)が参加した第72回の男子(7区間42・195㌔)は埼玉栄が2時間5分59秒で5年連続40度目の頂点に立った。東農大三が2位、武蔵越生が3位に入った。
 第33回の女子(5区間21・0975㌔)は42校が出場し、埼玉栄が1時間11分09秒で3年ぶり25度目の栄冠。2位に昌平、3位は本庄第一が続いた。
 男女とも優勝校が全国高校駅伝(12月26日・京都)、上位6校が関東高校駅伝(11月20日・栃木)の出場権を獲得した。

 

全区間1位の圧勝劇

男子 5連覇を達成した埼玉栄の4区本間(右)から5区鍵山へたすきが渡る

 

 男子の埼玉栄は、全員が区間賞を獲得する完璧なレースで5連覇を達成した。神山監督は「できることをやり、7区間で勝てばいい」とレース前に語っていたが、予想以上の快勝に「全区間で自信を持ち、落ち着いたレースをしてくれた」と選手の走りをたたえた。

 数人の主力選手を故障などで欠く中、7人中4人が初駅伝というフレッシュなメンバー構成に。各校がエースを投入する1区に初駅伝となる2年生の久保田を起用。経験ある選手たちに交じり「重圧はあったが楽しみがあった」と久保田は一歩も引かない好走を見せる。ラスト1㌔でスパートすると、最後はわずかに花咲徳栄の生駒を振り切り1位でたすきリレーに成功した。

 後輩の力走に応えたのは2区板橋、3区森の3年生たちだった。板橋は「2位との差を1秒でも広げたかった」と、2位と3秒差で森へ。「先頭で渡すことだけを考えた」と森は主将としての役割を全う。リードを49秒に広げ、後輩に託した。

 5区以降も初駅伝の鍵山、吉田蔵、吉田黎がいい流れをそのまま生かし、最後は2分36秒差をつける独走状態だった。好選手がそろい、総合力が高い今年の埼玉栄。昨年、都大路でアンカーを務めた4区本間は「目標は3位以内。より強い埼玉栄で臨みたい」と、全国での躍進に力を込めた。

 

栄光の流れつかむ

女子 3年ぶりの優勝を決めた埼玉栄の1区田中(左)が2区丹野へたすきをつなぐ

 

 アンカーの前田は、トップでゴールテープを切った直後「良かった。本当に良かった」と涙を流し、仲間の元へ歩みを進めた。3年ぶりに女王の座を奪還した女子の埼玉栄に広がる歓喜。田村監督は「流れがあるので、タイム通りではなかった」と、勝ってレースの難しさを再確認した。

 最高の流れを引き寄せたのは、1区の田中だった。身長151㌢と小柄ながらスタミナ豊富でロードに自信を持つ。「昨年4区で3位だった。その悔しさを力に変えることができた」と田中。昌平の仲西、本庄第一の浜野といった実力者を退け1位で競技場に戻ってきた。

 1区で2位に11秒差をつけるたすきリレーに、チームは勇気づけられた。2区の1年生丹野が粘りの走りで首位を守ると、3区椙山が区間賞の走りで後続との差を広げた。メンバー唯一の3年生の4区中沢は「絶対に勝ってやる」という強い思いでアンカー前田へ。エース格の前田は、仲間の思いをそのままゴールへ届けた。

 下馬評ではダークホース的な立ち位置だった埼玉栄。指揮官は現実的な向上を考え、「あと1秒」と練習で言い続けた。その言葉を胸に刻んだ選手たちは、本番で予想以上の力を発揮した。椙山は「埼玉の代表として(全国で)戦えるよう練習していきたい」と次の成長を誓った。

 

=埼玉新聞2021年11月2日付け17面掲載=

 

 

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